イラストと写真を多用して
患者さん・ご家族にわかりやすく！
入院中の転倒･転落防止啓発のための
パンフレットを作成
「転倒・転落予防パンフレット」日本語版
ダウンロードに関する利用規約（ダウンロードの前に必ずお読みください）「転倒・転落予防パンフレット」英語版
ダウンロードに関する利用規約（ダウンロードの前に必ずお読みください）
日本語版
英語版
足利赤十字病院様は、2015年2月にJCI（Joint Commission
International）の認証を取得されています。看護部の安全対策部会では、転倒・転落による患者さんの危険リスクの低減をはかるため、患者さん・ご家族向けの指導状況を調査したところ、既存の転倒･転落防止パンフレットの利用率が低いことがわかりました。理由は内容が高齢者中心で、すべての患者層向けとなっていなかったことがわかり、新たなパンフレットが必要と考えました。
今回制作したのは、入院中の転倒・転落に対する注意喚起のためのパンフレットです。A～Fのブロックに分かれた全6ページの構成で、イラストや写真を用いながら、患者さんの状況に応じた注意事項が説明されています。
制作のポイントは、入院患者だけでなく、ご家族に対してもわかりやすいパンフレットにすることです。そこで、一般・高齢者・認知症・手術患者・小児など、対象者に合わせた専用ページとし、患者さんやご家族に該当するページを見ていただき、看護師さんが説明できる仕組みとしています。
患者さんとスタッフとの間で、十分なコミュニケーションをとるための一助となるように病院様と作り上げました。
イラストの修正
さらに、イラストを多用することでより伝わりやすくなるのではないかと考え、絵コンテを作成してご提案しました。中には、術後の転倒による出血を説明するページでは、最初にご提案したイラストの出血量が多く、患者さんが驚いてしまうという病院様からの意見を受け、出血量を減らすなどの試行錯誤もありました。
イラストの修正
「手術を受ける患者様へ」のページでは、写真も使用しています。ベッドに横たわる患者さんや医療機器の画像は、病院様が蘇生訓練用人体モデルと医療機器を使用して本物らしく撮影してくださり、わかりやすいパンフレットに仕上がりました。
また、硬膜外麻酔の画像では、カテーテルが細く、人体モデルではわかりにくいことから、実際の患者さんのご了解をいただき撮影させていただきました。ご協力いただいた病院様と患者さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
「手術を受ける患者様へ」のページ
約1年間の試行錯誤の末、20回の改版を経て完成したのが現在のパンフレットです。
JCIの「患者と家族の権利(PFR)」では、患者が理解できる方法と言語で権利と責任に関する情報を提供することが求められています。病院様では、入院中の転倒・転落に対する注意喚起は、すべての患者を対象に行う必要があると考え、日本語以外の説明方法の手段として、まずは英語版パンフレットも制作することになりました。
そして、日本語版の完成から約2ヶ月後には、英語版のパンフレットも完成することができました。
現在は、A3サイズで出力し、パウチをして補強した状態でご活用いただいています。また、足利赤十字病院様に限らず、日本赤十字社の複数施設でも、パンフレットの運用を開始されています。施設別にページを追加したり、質問表やアセスメントシートなどを組み合わせたりしながら、インシデント・アクシデントの防止対策に役立てていただいています。
日本赤十字社足利赤十字病院
