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お役立ち 2026.02.17
介護施設が活用できる補助金・助成金一覧を目的別に解説
介護施設を運営するうえで、人材不足や物価高騰、設備投資など、さまざまな経営課題に直面している事業者の方も多いのではないでしょうか。
国や自治体では、こうした課題を解決するための補助金や、助成金制度を数多く用意しています。しかし、種類が多く、自施設でどの制度が活用できるのかはっきりしないという方もいるはずです。
この記事では、介護施設が活用できる補助金や助成金を目的別に、一覧形式で解説します。自施設のニーズに合った制度を見つけ、積極的に活用しましょう。
▼目次
1.介護施設向け補助金・助成金一覧【目的別】
介護施設が活用できる補助金・助成金を目的別に解説します。各制度の概要や対象設備、補助額などを確認し、自施設に合う制度を検討してください。
施設の整備・改修に関する補助金
介護施設の防災・減災対策や環境整備を支援する補助金として「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金」があります。
この制度では、スプリンクラーや非常用自家発電設備の設置、水害対策など、施設の安全性を高めるための工事費用の一部が補助されます。
対象施設は特別養護老人ホーム(以下、特養)、介護老人保健施設(以下、老健)、グループホーム、有料老人ホームなど幅広く、施設の安全性向上に必要な整備を計画している事業者は活用を検討しましょう。
なお、補助額や補助率は整備内容や施設の定員規模によって異なるため、詳細は都道府県の担当窓口に確認してください。
ICT化・デジタル化に関する補助金
介護現場の業務効率化や職員の負担軽減を実現するため、ICT機器や介護ロボットの導入を支援する補助金制度があります。
| 制度名 | 概要 | 対象設備・システム | 補助額・補助率 |
|---|---|---|---|
| 介護テクノロジー導入支援事業 | ICT・介護ロボット導入・更新支援 | 介護ロボット、介護ソフト、タブレット、インカム、Wi-Fi環境整備など | 4分の3または2分の1 |
| IT導入補助金 | 中小企業・小規模事業者のITツール導入支援 | 介護ソフト・サービスなどのITツール | 2分の1または3分の2 |
▼参考:介護テクノロジー導入支援事業|厚生労働省、IT導入補助金制度概要|IT導入補助金2025
介護テクノロジー導入支援事業は都道府県が実施主体で、支援を受けた施設は年々増加しています。見守りセンサーやインカムなど、現場のニーズに合わせた機器を幅広く導入できる点が特徴です。
IT導入補助金は中小企業庁が実施する制度で、介護ソフトといったITツールの導入に活用できます。ただし、2025年分の募集はすでに終了しており、次回の募集時期は2026年1月時点では未定です。制度がなくなるという情報はないため、最新情報を定期的にチェックしておきましょう。
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人材確保・育成・職場環境改善に関する補助金
介護人材の確保や育成、定着にかかる資金は、多くの施設にとって負担となりがちです。
採用活動や職員研修、職場環境改善など、人材に関する取り組みを支援する助成金制度を活用しましょう。
| 制度名・概要 | 対象 | 補助額・補助率 |
|---|---|---|
| 介護人材確保・職場環境改善等事業 職場環境改善経費または人件費改善への補助 |
介護職員等処遇改善加算(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ)を算定している事業所 | 決められた月の総報酬額にもとづいて計算 |
| キャリアアップ助成金 非正規職員の正社員化や処遇改善の支援 |
有期・無期雇用労働者を正規雇用に転換した事業主 | 重点支援対象者:57万円 その他:40万円 |
| 人材開発支援助成金 職業訓練の実施支援 |
OFF-JT・OJTなどの訓練を実施した事業主 | 訓練経費+賃金助成(コースにより異なる) |
| 両立支援等助成金 介護・育児と仕事の両立支援 |
介護休業取得・職場復帰支援を行った事業主 育休復帰支援プランを策定した事業主 |
コースに応じた助成 |
| 業務改善助成金 設備投資と最低賃金引上げの支援 |
設備投資を行い、事業場内最低賃金を30円以上引き上げた中小企業 | 最大600万円 |
| 働き方改革推進支援助成金 時間外労働削減・有給取得促進支援 |
働き方改革に取り組む300人以下の中小企業 | 取組内容に応じた助成 |
▼参考:各種助成金・奨励金等の制度
これらの助成金は、職員が長く働き続けられる職場づくりを後押しするものです。自施設の課題に合わせて、複数の制度の活用を検討してください。
処遇改善に関する補助金
介護従事者の給与や待遇の改善を目的とした補助金として「介護従事者処遇改善支援」があります。
この制度は2025年11月28日に閣議決定され、2025年12月から2026年5月までを対象期間とし、2026年6月施行予定の介護報酬改定までのつなぎ対策として実施されます。対象となるのは「介護職員等処遇改善加算」を取得している(または見込みのある)事業所、またはそれに準ずる要件を満たす事業所です。
これまでの処遇改善加算では対象外だったケアマネジャーや看護職員も、賃上げの対象となる点が特徴です。具体的には、以下の支援が受けられます。
● 基本支援:ケアマネジャーや看護職員を含む全介護従事者を対象に月額1万円
● 生産性向上に取り組む事業者:介護職員に対し月額5,000円が上乗せ
● 職場環境改善を図る事業者:介護職員1人あたり4,000円の賃上げ
条件を満たせば、介護職員1人あたり最大1万9,000円の賃上げが可能です。
▼関連記事:2026年の介護報酬改定は6月に臨時施行!改定内容と対策を解説
物価高騰対策に関する補助金
燃料費や食材費の高騰に対応するため「介護施設等サービス継続支援事業」として、介護施設が補助を受けられる制度があります。
この制度は介護施設全般が対象で、具体的な支援は以下のとおりです。
● 設備や物品など:定員1人あたり6,000円
● 食材費:定員1人あたり1万8,000円
たとえば、定員50人の施設であれば、設備・物品関連で30万円、食材費で90万円、合計120万円の支援を受けられます。
なお、介護施設等サービス継続支援事業は、1施設あたり1回まで助成を受けられます。すでに申請済みの施設は再度の申請はできませんので、ご注意ください。
2.介護施設で補助金活用を成功させるポイント
受けられる補助金を見落とさないために、押さえておきたいポイントを解説します。どの補助金を申請する場合でも共通して役立つ内容であるため、ぜひ参考にしてください。
早めの情報収集
補助金には申請期間が定められており、予算に達すると募集が終了するケースも少なくありません。なかでも都道府県が実施する補助金は、年度初めに一斉募集される傾向もあり、4月〜5月の情報収集がとくに重要です。
たとえば、2025年の地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金は、二次協議として国から追加があったこともあり、福島県では2025年12月26日、埼玉県では2025年12月12日が提出期限となっていました。
また、介護テクノロジー導入支援事業も都道府県により申請期間が異なります。
自治体のホームページや介護関連団体のメールマガジン、厚生労働省の介護保険最新情報などを定期的にチェックし、申請スケジュールを把握しましょう。
受給要件の事前確認と準備
補助金ごとに申請要件が設定されており、これを満たしていないと受給できません。要件は制度によって異なるため、事前の確認は必須です。
たとえば介護テクノロジー導入支援事業を活用して、Wi-Fi環境の整備や見守りセンサーとの情報連携などのネットワーク整備をしたい場合、以下の要件を満たす必要があります。
● 職場環境の改善を図り、職員へ還元することを明記した取組計画の作成
● すでに導入されている機器や本事業で導入する機器等と連携し、生産性向上に資する取組であること
● プラットフォーム事業の相談窓口や都道府県が設置する介護生産性向上総合相談センターの活用
● ケアプランデータ連携システム等の利用
● LIFE標準仕様を実装した介護ソフトでのデータ登録の実施
見積書、事業計画書、就業規則など、必要書類の準備には時間がかかるものがほとんどです。余裕を持って準備を進め、不明点があれば申請前に窓口に問い合わせることをおすすめします。
複数の補助金制度の組み合わせを検討
目的が異なる補助金であれば併用できる場合があります。複数の制度を組み合わせることで、より効果的に施設の課題を解決できるでしょう。
組み合わせの例としては、以下のようなケースが考えられます。
● 「介護テクノロジー導入支援事業でICT機器を導入」+「介護人材確保・職場環境改善等事業で研修費用を補助」
● 「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金で防災設備を整備」+「キャリアアップ助成金で職員の正社員化を支援」
補助金の組み合わせについて不安がある場合は、社会保険労務士や行政書士などの専門家に相談することも一つの方法です。
3.介護施設の補助金に関するよくある質問
介護施設で活用できる補助金について、多く寄せられる質問にお答えします。
申請前に知っておき、計画的に行動できるようにしましょう。
補助金を受けたあと、事業報告などの義務はありますか?
ほとんどの補助金では、事業完了後に実績報告書の提出が義務付けられています。
たとえば、介護テクノロジー導入支援事業のように、補助を受けた翌年度から数年間にわたって効果検証の報告が必要な場合もあります。
報告を怠ると補助金の返還を求められるケースもあるため、期限や報告内容をしっかり確認しておきましょう。
同じ補助金を毎年申請することはできますか?
毎年同じ補助金を受けられるかは、制度によって異なります。
介護テクノロジー導入支援事業のように、要件を満たせばくり返し申請できるものもあれば、物価高騰対策のように1施設1回までと制限されているものもあります。
また、一度採択された事業所が翌年度も優先されるケースや、逆に初回申請者が優先されるケースもあるため、各制度の募集要項でかならず確認してください。
4.自施設に合う補助金を活用して介護施設の課題解決を目指そう
介護施設が活用できる補助金や助成金は多岐にわたり、施設整備やICT化、人材確保、処遇改善、物価高騰対策など、さまざまな目的に応じた制度が用意されています。
早めの情報収集、受給要件の確認、複数制度の組み合わせなど、今回の記事で紹介したポイントを参考に、積極的に補助金を活用しましょう。
補助金の活用は、施設の経営基盤を強化し、職員の働きやすさを向上させ、ご利用者によりよいサービスを提供することにつながります。
自施設に最適な補助金を見つけ、介護施設の課題解決を目指しましょう。
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