Cases納入事例

納入事例

国立大学法人 九州大学病院 様

  • 安全管理

設置されたAEDを持ち出した時に、いかに早く蘇生チームを集めるかが課題となっていました。

納入前

黒田藩の藩校として慶應3年(1867年)に設置された西洋医学の医療機関「賛生館」に端を発し、わが国の近代医学発祥の地でもある。医学部、歯学部および生体防御医学研究所の三部局の統合体として機能。西日本・福岡地域の中核病院。アジアの災害救急医療の拠点を目指し、高度先端医療が充実している。
1975年という早い段階に院内緊急コールシステム(ハリーコールシステム)を開始された九州大学病院。2006年に各病棟にAED機能付きマニュアル除細動器を、また院内の人が集まる場所にAEDを設置されました。このAEDを持ち出した時に、いかに早く蘇生チームを集めるかが課題となっていました。

納入後

インテリジェントナースコール導入とAEDの連動をお勧めしてご採用いただき、ナースコールとのAED連動・全館放送自動システムが実現しました。AEDは各病棟に一つと、各エレベーターホールなどに設置してあり、そのAEDを持ち出したとき全館放送が一斉に流れて、蘇生処置ができる人が早く集まることができるようになりました。

お客様の声

漢那 連動前は、現場まで走っていくか、全館放送を行なう防災センターにPHSで連絡していました。正確なデータはないのですが、全館放送までに最低でも2分程度は要していたと思います。今はボタンさえ押せば、看護師さんにすぐに連絡がつきますから、人を集める時間が短縮できます。
脳に酸素が行かなくなる時間が長くなればなるほど、その人が社会復帰できる可能性は下がりますから、「通報」は早いほうがいい。心停止から5分以上経過すると、脳細胞はどんどん死んでいきます、ですから時間が貴重なのです。それを短縮するにはいろいろな努力が必要になります。
分単位で生存率や機能的予後が決まりますから、秒単位で考える必要があります。それを追求していった結果、こういう形になったわけです。
明らかにハリーコールシステムを立ち上げたから助かった、と考えられるケースは二つほどあります。どちらも、夜中に手術後の大量出血で心臓が止まった例です。
一例は、明け方の5時で人手が少ない時間帯に発生した、頸動脈からの出血例です。コールから1分くらいで皆が到着することができました。この方は心臓が20分後ぐらいに動き出して助かり、高次機能も概ね戻っています。
もう一例は、患者さんのナースコールで看護師が訪室したら、現場は血の海だったそうです。心臓が30分くらい止まったのですが、要請が早かったので、多少の高次機能障害はあるようですが、<サブプライムローンで金融業界は大変ですね>くらいの話ができるぐらいに回復しています。これも夜中の12時に発生した症例です。
いずれにせよ、一刻を争うケースでしたが、現在のシステムのおかげで、救命および良好な脳機能予後をもたらすことができたと考えられます。
※以上、ナーシングプラザ21号より抜粋
お話しいただいた方
九州大学大学院医学研究院 機能制御医学専攻構造機能医学講座 災害救急医学 医師 漢那(かんな)朝雄さん(2009年)

納入先情報
施設名 国立大学法人 九州大学病院
住所

812-8582福岡市東区馬出3-1-1

ホームページ http://www.hosp.kyushu-u.ac.jp/