Cases納入事例
納入事例
国立大学法人 福井大学医学部附属病院 様
- 情報共有
- 業務効率化
転記作業の省略化と業務の進捗状況の把握。新しいITシステムの開発によって二つの課題を解決したいとお考えでした。
- 納入前
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国立大学法人 福井大学医学部附属病院 様
えちぜん鉄道勝山永平寺線松岡駅より京福バス、松岡地区コミュニティバスで約5分。新看護方式PNS※を開発したことで知られる福井大学医学部附属病院様では、業務改善を目指した新しいITシステムの開発にも力を入れています。
看護部様が以前より取り組みたいとお考えだったのが、「転記作業の省略化」。情報の書き写しやシステムへの入力作業など、看護師さんは日々多くの情報の転記作業を行っていますが、「転記ほど無駄なことはない」と思っていました。また、各チームの業務の進捗を把握しづらいことも管理者にとって問題があると感じていらっしゃいました。
ケアコムの担当者が、現場の様子を日々拝見している中でも効率化できる点があるように思い、日ごろのディスカッションの中で看護部様へ意見をお伝えしたところ、「IT化で業務を効率よくしよう」と意見が一致。新しいシステムを開発することになりました。
※PNS…パートナーシップ・ナーシング・システム
- 納入後
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看護部様とケアコムが共同開発したのは二つのシステム。業務量の可視化を実現する「ショートターム・マネージメントシステム(STMS)」と、受け持ち患者の自動割り当てが可能な「チームナーシング設定自動割付機能ソフト」です。前者では、各チームの進捗が一目瞭然でわかり、特に業務マネジメントにおいて効果が絶大。後者では、転記作業の省略化に成功し、作業時間の大幅な削減に効果を発揮されています。
- お客様の声
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大北 看護師は毎日、一人ひとりが膨大な業務を請け負っています。重要な予定をすべて記憶したり、手書きでメモを取ったりして、個別に管理をしていました。メモに「転記する」という作業は非常に無駄なことです。私は20年近く電子カルテの開発に関わっている中で、いかにして転記を省略するかを考えてきました。また、業務の進捗を把握しづらいことも、管理者にとって問題があると感じていました。当院はPNS方式に基づいて、看護師がペアを組んで一つのチームになって日々の業務に当たっていますが、順序よく進んでいるチームと、遅れるチームがどうしても出てきてしまいます。
ショートターム・マネージメントシステム(STMS)は、1日の病棟スケジュールを登録することで、業務量の可視化を実現し、スタッフに配分した業務に対する実施と進捗をリアルタイムに共有できるシステムです。当院の看護師は全員、一人1台のスマートフォンを持っているため、手元で予定を確認し、ケアを実施したらその場で入力しています。
五十嵐 リーダーや師長の業務マネジメントにおいて、大いにメリットがあると感じています。STMSでは、各チームの進捗状況がグラフで表示されるため、進捗状況が一目瞭然です。状況を確認して業務をほかのチームに振り分けたり、サポートスタッフを当てたりなど、非常にマネジメントしやすくなりました。
大北 残念なことに、STMSも今のところ看護記録から大事な業務を登録する作業が必要なので、最も避けたい「転記」状態なんですよね。将来的には必要な項目だけを自動で電子カルテから抽出できるようになるといいかもしれません。
それから、病棟では、患者さんを受け持つ看護師の割り振りを毎日行います。従来の電子カルテは一人の患者に対して、看護師一名しか設定できないため、日々ペアで業務している私たちは、病棟患者の一覧用紙を印刷し、ペアのチーム名を手書きで書き込んで割り振りをしていました。さらに、勤務帯の切り替え時にナースコールシステムへチームナーシングによる鳴り分けの設定も行っていました。PNSはとてもルール化された看護方式なので、システムで割り振ることもそう難しくないと考え、PNSに対応したシステムを開発し、担当患者に対してのチーム割り当てなどを自動化しました。
システム活用の前後で所要時間を比較すると、手書きのときは22分12秒かかっていましたが、システム活用後は9分13秒。しかも、ナースコールシステムへの反映は、電子カルテと連動し、ボタン一つでOKです。システム化によって転記作業が省略でき、作業時間も大幅に削減できました。
江守 このようなシステムは、一つひとつがバラバラでも、実は重なり合うことでより高い効果が得られるんだと思います。まだまだ課題もありますが、二つのシステムがうまく回ってくれるといいなと思っています。
※以上、ナーシングプラザ38号より抜粋
(お話しいただいた方)
副病院長・看護部長 江守 直美さん/副看護部長 大北 美恵子さん/看護師長 五十嵐 行江さん/看護師長 伊藤 幸子さん/(2017年)
- 納入先情報
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施設名 国立大学法人 福井大学医学部附属病院 住所 〒910-1193福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3
ホームページ http://www.hosp.u-fukui.ac.jp/index.html