Contentsお役立ち情報・製品動画

お役立ち 2026.05.05

コードホワイトとコードブルーの違いとは?院内放送の意味や事例を解説

病院では、一般の患者さんやご家族に「心停止」「暴力」などの言葉を直接使わずに緊急事態を共有するため、色名を使った院内コードがよく用いられています。
 
なかでも、暴言・暴力など安全面のトラブルを示す「コードホワイト」と、急変対応を示す「コードブルー」は、多くの医療機関で導入されている重要なコードです。
 
この記事では、コードブルーとコードホワイトの違いや、ほかのカラーコード、よくある発令事例、事前準備のポイントを解説します。
自院での定義や発令基準、対応体制を整理したい管理者や事務長は、ぜひ最後までご覧ください。

▼目次

1.コードホワイトとコードブルーの院内放送の違い

コードホワイトとコードブルーは、どちらも院内の緊急事態を知らせるコードです。
ただし、以下のように対象となる事案や招集するメンバーが異なります。
 

項目 コードホワイト コードブルー
コードの意味 院内の暴言・暴力、不審者など安全を脅かす事案の発生を知らせるコード 心肺停止やそれに準じる急変が発生し、救命対応が必要なことを知らせるコード
主な目的 職員と患者さんを危険から守り、院内暴力や重大トラブルを最小限に抑える 迅速な心肺蘇生や処置により、患者さんの生命予後を改善する
呼ばれる主なメンバー 院内暴力対応チーム、警備員、状況に応じて医師・看護師など 医師、看護師、臨床工学技士など、急変対応に習熟した救命チーム
主な対応方法 身体的な制止、説得、警察連絡など BLS(一次救命処置)、ACLS(二次救命処置)などにもとづいた対応
院内放送の例 「コードホワイト、〇〇病棟。コードホワイト、〇〇病棟。」 「コードブルー、〇〇病棟〇〇号室。コードブルー、〇〇病棟〇〇号室。」

 
上記は日本の医療機関でよく見られる例であり、意味や運用は病院ごとに違います。
自院の定義やマニュアルをかならず確認しておきましょう。

コードホワイト:暴力・暴言から守るためのコード

コードホワイトは、院内で暴言・暴力、不審者の侵入など、安全を脅かす事案が発生したことを知らせるための院内コードです。
 
救急外来や精神科病棟、外来ロビーなど、不特定多数の出入りがある場所では、患者さんや付き添いの方の感情が高まり、トラブルに発展する可能性があります。
コードホワイトが発令されると、院内暴力対応チームや警備員などが現場に駆けつけ、説得や距離の確保、必要に応じた警察連絡などの対応にあたります。

コードブルー:急変時に命を守るコード

コードブルーは、院内で心肺停止やそれに準じる急変が発生した際に、蘇生チームを招集するための院内コードです。
 
急変を発見した職員が直ちに心肺蘇生などの初期対応を開始し、同時に内線や院内放送で「コードブルー+場所」をコールするのが一般的な流れです。
放送を聞いた救命チームが、決められた役割に従って現場へ駆けつけ、気道確保・心臓マッサージ・薬剤投与などの処置を分担して実施します。

2.コードホワイト・コードブルー以外のカラーコード

コードホワイトやコードブルー以外にも、院内の緊急事態を示すカラーコードが使われることがあります。
ただし、日本国内で共通のルールがあるわけではなく、病院ごとに採用しているコードや意味が異なる点には注意が必要です。
 

コード名 意味の一例 補足
コードピンク 乳児・新生児の誘拐や行方不明などを知らせるコード 小児科・産科を持つ病院で採用されることが多く、院内の出入口管理や監視カメラの運用とセットで使われるケースもある
コードレッド 火災や煙の発生を知らせるコード 消防への通報や避難誘導マニュアルに関連し、消火活動だけでなく患者さんの移送や酸素ボンベの扱いなど医療現場特有の対応が求められる
コードイエロー 患者さんの緊急の搬入依頼、システムの不具合など、施設によってさまざま 災害対応マニュアルやBCP(事業継続計画)と紐づけて運用されることが多く、自院で採用する場合は関係部署と十分に内容をすり合わせておく必要がある

 
自院で新たにカラーコードを導入・見直す場合は、既存のコードとの混同を避けるため、関係部署と意味・運用ルールを事前に十分すり合わせておきましょう。

3.コードホワイト・コードブルーが院内放送される事例

実際にどのような場面でコードホワイトやコードブルーが発令されるのかを紹介します。
管理者として「発令すべきか否か」の判断基準を整理するためにも、代表的な事例を把握しておきましょう。

コードホワイトが発令される事例

コードホワイトが発令される状況として、以下のようなものがあげられます。
 
● 外来受付で長時間待ちに不満を募らせた患者さんやご家族が、大声で怒鳴る、机を叩くなど威嚇的な行動に出て、スタッフ1人では対応しきれない
● 会計や診療内容への不満から、職員への人格否定発言や執拗なクレームが続き、通常の説明では収まりそうにない
● 泥酔や薬物の影響、せん妄などで興奮した患者さんが、看護師に殴る・蹴るなどの暴力行為に至りそうな状況になっている
● 面会者や出入り業者など、病院関係者以外の人物が院内で大声を出す、許可なく立ち入りを繰り返すなど、不審な行動を続けている

 
「1人で対応を続けるのが難しいかもしれない」と感じた時点で要請できる基準を設けておくことがポイントです。

コードブルーが発令される事例

コードブルーは、以下のような場面で発令される傾向があります。
 
● 病室で患者さんの容態を確認したところ、無呼吸・無脈で心肺停止状態であることが判明した
● 夜間、ナースコールを受けて訪室すると、意識レベルが急激に低下し、ショックや重度の呼吸不全が疑われる状態になっている
● 検査室やリハビリ室で検査・訓練中に、突然の意識消失や重度の胸痛・呼吸困難が出現した
● 外来待合や廊下、トイレ、駐車場など、医療エリア以外の場所で患者さんが倒れ込み、立ち上がれない・意識がない状況になっている

 
発生場所を問わず発令できるフローを、院内で共有しておくことが重要です。

4.コードホワイト・コードブルー発令時にすばやく対応するための事前準備

コードが発令されたとき、スタッフが迷わず動けるかどうかは、日頃から発令基準や対応手順を共有できているかどうかが重要です。
マニュアルの整備と、シミュレーション研修の2点を中心に体制を整えましょう。

マニュアル整備

コードホワイトやコードブルーをしっかり機能させるには、まず自院にとっての「定義」と「運用ルール」をマニュアルとして明確化することが欠かせません。
たとえば、以下の内容はマニュアルの基本情報として書き込みましょう。
 
● コードの意味
● コードの発動条件
● 通報方法(内線番号や放送文言)

 
上記に加え「誰がコールするのか」「どのタイミングで解除するのか」「警察や消防へ連絡する基準はどこか」といった責任と権限の線引きも、誰が見ても同じ判断ができるレベルまで具体的に書きましょう。
 
なかでもコードホワイトは「どの程度の暴言・威嚇で要請してよいのか」が現場にとって分かりにくい部分です。
 
目安となる行動例やNG行為をマニュアル内に明記しておくことで、職員がためらわずに要請しやすくなります。
 
▼関連記事:
ペイシェントハラスメント対応マニュアルの作り方と院内定着のポイント

シミュレーション研修

紙のマニュアルだけでは、コードが発令された際に「誰がどこでどう動くのか」を具体的にイメージするのは難しいものです。
 
そのため、スタッフが共通の認識をもって迅速に対応できるようにするには、院内放送や内線を実際に使ったシミュレーション研修が有効です。
 
コードホワイトの訓練では、窓口でのクレームや外来待合でのトラブルを想定事例として、どの時点で誰が要請するか、到着したメンバーがどのように役割分担して対応するかを確認します。
また、厚生労働省の研修教材では、暴言・暴力への基礎知識に加え、発生前の備えや発生時・発生後の対応まで体系的に学ぶことができ、組織的な対応力の強化にもつながります。
 
▼参考:
医療現場における暴力・ハラスメント対策│厚生労働省
 
コードブルーの場合は、発見者役が急変に気づいてコールを発するところからスタートし、救命チームが到着して蘇生を開始するまでを時系列で共有するのが一般的です。
 
訓練後は振り返り(デブリーフィング)を通じて「何がうまくいき、どこで詰まったのか」を共有できると、現場で迷わず動けるようになります。
年1~2回ほど研修をおこない、コード運用を「現場任せ」にしない体制を整えましょう。

▼関連記事:コードホワイトの4つの発令事例とマニュアル整備のポイント

5.コードホワイト・コードブルーに関するよくある質問

コードホワイトやコードブルーについて、多く寄せられる質問にお答えします。
両者の仕組みの理解を深めるのに、ご活用ください。

コードホワイトやコードブルーの意味は、どの病院でも同じですか?

似た傾向はありますが、完全に統一されているわけではありません。
コード名や発動条件、放送の仕方は病院ごとに異なるため、自分の勤務先のマニュアルでかならず確認しましょう。

コードブルーやコードホワイトが院内放送されたら全員が対応すべきですか?

コードホワイトやコードブルーの院内放送があったからといって「全員が現場に向かう」必要はありません。
どの職種・どの部署が対応要員になるかは、マニュアルであらかじめ決められていることがほとんどです。
 
これはほかの患者さんの安全を守る目的でもあります。
「自分は動くべきなの?」とスタッフが迷わないためにも、出動すべきスタッフをマニュアル内ではっきり線引きしておきましょう。

コードホワイトが多い病院は「危ない病院」なのでしょうか?

コードホワイトが多いからといって、かならずしも危ない病院ではありません。
 
むしろ、院内暴力を「見て見ぬふり」せず、組織として対応しようとする文化のあらわれとも捉えられます。
発生件数だけで評価せず、どのようなマニュアルと研修で職員を守っているかを見ることが重要です。

6.コードホワイト・コードブルーを正しく理解し事前準備を徹底しよう

コードホワイトはスタッフと患者さんを暴力・不審者から守るためのコード、コードブルーは患者さんの急変時に命を救うためのコードです。
 
どちらも、発令されたときにスタッフが迷わず動けるかどうかが、初動の速さや対応の安全性を大きく左右します。
スムーズに対応するためにも、自院の定義をはっきり書いたマニュアルの整備と、くり返しのシミュレーション研修が欠かせません。

製品に関するお問い合わせはこちら

関連記事