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お役立ち 2026.01.15

医療DX推進体制整備加算の算定要件が見直し!マイナ保険証の利用率を上げる施策

医療DX推進体制整備加算は、オンライン資格確認・電子処方せん・電子カルテ情報共有サービスを活用し、医療のデジタル化を進める医療機関を評価する加算です。
 
2024〜2026年にかけて段階的に要件が引き上げられており、2025年10月には厳格化が進みました。
 
この記事では、最新の算定基準を整理しつつ、ハードルが高くなりがちな「マイナ保険証利用率」を上げるための工夫を解説します。自院の取り組みに漏れがないか、チェックしながら読み進めてください。

▼目次

1.医療DX推進体制整備加算の算定基準をおさらい

医療DX推進体制整備加算を算定するには、システムの導入だけでなく、現場で日常的に活用しなければなりません。算定に必要な施設基準と、2026年に向けた経過措置の内容を確認していきましょう。

算定基準と施設基準

医療DX推進体制整備加算を算定するためには、オンライン資格確認の導入・運用、電子処方せんや電子カルテ情報共有サービスへの対応、マイナ保険証の利用実績といった「医療DXに必要な体制が整っていること」が前提です。
 
システムを導入しているだけでは不十分で、診療・調剤の現場で日常的に活用されていなければなりません。その根拠となる施設基準は、以下の9項目です。
 
● オンライン請求をおこなっている
● オンライン資格確認をおこなう体制が整備されている
● 資格確認情報を医師・歯科医師・薬剤師が診療・調剤に活用できる体制がある
● 電子処方せんに対応する体制(発行・登録・調剤結果登録)がある(加算1〜3のみ)
● 電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制がある(経過措置:2026年5月末まで)
● マイナ保険証の利用実績がある
● 医療DX推進体制や情報活用方針を院内およびWebサイトに掲示している
● マイナポータルの医療情報に基づき、患者の健康管理相談に応じられる体制がある
● (調剤)調剤録および薬剤服用歴を電磁的に管理する体制がある

 
これらの要件は、2026年以降の診療報酬改定でさらに整備が進むと予想されます。
まずは自院の現状を把握し、算定に必要な取り組みを明らかにすることから始めましょう。

電子カルテ情報共有サービスの経過措置は「2026年5月末」まで延長

「電子カルテ情報共有サービスの活用」が医療DX推進体制整備加算の算定要件に含まれていますが、システム提供側の準備状況や医療法の改正前という状況を踏まえ、2026年5月31日まで経過措置が延長されました。
 
企業側の提供状況や接続準備の遅れなど現場の事情も影響し、導入が間に合わない医療機関でも一時的に算定が継続できる対応となっています。
ただし、経過措置はあくまで導入までの「猶予」であり、2026年以降は原則として導入が必要です。

小児科特例の適用条件と緩和基準

子どもはマイナンバーカードの保有率が低く、マイナ保険証利用率の向上が難しいのが課題です。
そのため、小児科外来診療料を算定している医療機関では、利用率の基準が緩和される特例が設けられています。
 
具体的には「診療全体で小児外来の割合が高い場合」に利用率の基準値が3%引き下げられ、他科と同じ基準を満たせない場合でも算定が可能となります。

2.医療DX推進体制整備加算の算定に必要なDX体制

施設基準の9項目を満たすには、システムを導入するだけでは不十分で、実際の診療現場で日常的に活用されていることが前提です。
たとえば「オンライン資格確認をおこなう体制が整備されている」という基準だけをみて、端末の設置だけを済ませている場合、加算の算定は認められません。
 
9項目のひとつに「資格確認情報を医師・歯科医師・薬剤師が診療・調剤に活用できる体制がある」とされているように、受付スタッフの操作に限らず、取得した薬剤情報や健診結果を医師や薬剤師などが診療に活かせる体制が条件となっています。
 
また「医療DX推進体制を院内およびWebサイトに掲示している」という項目も見落としがちです。オンライン資格確認の導入状況や個人情報保護の方針を、院内掲示とホームページの両方で公開する必要があります。
このように、導入したシステムの運用体制を整えることで、加算算定だけでなく患者説明の効率化や医療安全の向上にもつながります。
 
▼関連記事:電子カルテと連携できるシステムと標準化の背景|メリット・課題を解説
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3.医療DX推進体制整備加算におけるマイナ保険証の利用率の算出方法

マイナ保険証の利用率は、加算算定の可否を決定する重要な指標です。
正確な計算方法と、算出時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。

マイナ保険証利用率の計算方法

マイナ保険証利用率は、医療機関がどの程度オンライン資格確認を活用しているかを示す指標で、2025年12月時点では「レセプト件数ベース」でのみ評価されます。
計算方法は、以下のとおりです。
 

<マイナ保険証の利用率の算出方法>
マイナ保険証の利用者数÷支払基金から通知されるレセプト件数

 
レセプト件数は医療機関が独自に数える必要はなく、社会保険診療報酬支払基金から公式データとして提供されます。
 
評価に用いる利用率は、直近3〜5か月前の実績のなかでもっとも高い月のデータを採用できる仕組みとなっており、利用率が一時的に低下した月があっても、不利にならないよう配慮されています。
なお、資格確認件数ベースでの計算は制度初期の暫定措置であり、現在は適用されません。

算出時の注意点

利用率を正しく算出するためには、マイナ保険証の「提示」ではなく「資格確認が成功した件数」がカウントされます。
つまり、患者さんがマイナ保険証を持参しても、資格確認が途中でエラーとなったケースは利用率に含まれません。
エラーの原因として、以下が考えられます。
 
● オンライン資格確認端末のソフトウェア更新遅延
● ネットワーク障害や通信環境の不安定さ
● 患者側のマイナンバーカードの読み取り不足

 
利用率が実態より低く算出されることもあるため、月次で実績を確認し、必要に応じて機器の点検や接続環境の改善をおこなうことが安定した運用のポイントです。

4.マイナ保険証の利用率を上げる3つの工夫

マイナ保険証の利用率向上は、システム面だけでなく患者さんへの働きかけが重要です。
ここでは、現場ですぐに実践できる3つの具体的な工夫を解説します。

1.受付での「第一声」を変える

利用率を上げるのに効果的な方法のひとつが、受付での声かけです。
 
「保険証をご提示ください」という従来の案内では、患者さんはこれまでの保険証を使い続けるかもしれません。そこで「マイナ保険証はお持ちですか?」とたずねるだけで行動が変わるかもしれません。

受付スタッフ全員で声のかけ方を統一することが、利用率アップのポイントです。
患者さんがまだ持っていない場合は「次回の受診時に限度額適用がスムーズになりますよ」といったメリットを簡潔に添えて、利用を促しましょう。

2.予約時やWebサイトでの案内を強化する

患者さんは来院前に受診の流れを確認することもあるため、予約時の案内も有効です。
 
Web予約画面や予約完了メール、LINE予約のメッセージに「マイナ保険証をご利用いただけます」と記載することで、来院時の利用を促せます。
また、ホームページ上にマイナ保険証の利用メリットをまとめて掲載しておくと、患者側の理解も深まり、受付での案内がスムーズとなります。

3.待ち時間を活用してメリットを伝える

待合室で過ごす時間は、患者さんに情報を伝える絶好の機会です。ポスターやデジタルサイネージを利用し、マイナ保険証のメリットを視覚的に伝えましょう。
 
とくに「転院時の情報共有がスピーディーになる」「緊急のときでも医療者が正しい情報を把握でき適切な治療につながる」といった患者さんにとっての利便性を示す内容は、利用意欲を高めるきっかけをつくれます。

5.医療DX推進を見据えて備えること【2026年診療報酬改定】

2026年の診療報酬改定では、医療DXの推進に向けた改定が進むと推測されます。
システム導入とデータ活用の両面から、自院に必要な対策を明らかにしましょう。

電子カルテ情報共有サービス・電子処方せんの完全導入

電子カルテ情報共有サービスの導入は、2026年5月末の経過措置終了後は必須となる可能性が高く、導入計画の作成とベンダーとの調整が必要です。
 
電子処方せんも、薬剤情報の一元管理や調剤過誤の防止など、医療の質向上につながるメリットがあるため、早期導入が推奨されます。
これらのシステムを適切に運用することでDX化が進み、加算算定以外の業務効率化にも効果が期待できます。

2026年の改定に向けたデータ活用体制の構築

医療のDX化の本質はデジタル技術の導入ではなく、取得したデータを診療の質向上に活かすことです。
 
● 資格確認情報を活用した治療計画の精度向上
● 電子処方せんデータを用いた薬剤管理による安全性向上
● 情報共有サービスによる診療連携の強化

 
こうした強化をおこなうことで、重複検査の削減や適切な薬剤管理など、患者さんにとってより安全な医療が実現します。
院内で自然に運用できるようにするためには、スタッフ教育と運用フローの標準化が欠かせません。
 
▼関連記事:
【診療報酬改定】2026年度はいつ?5つの改定ポイントを予想

生成AIといった新技術活用による業務効率化の検討

医療現場では、診療録作成支援AIや患者説明文の生成ツールなど、新しい技術が登場しています。
これらは医師や事務スタッフの業務負担を減らし、より安全で質の高い医療提供につながる可能性があります。
DX体制が整うと新技術を取り入れる余地も広がり、院内の業務効率化が一段と進むと期待できます。
 
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医療現場で生成AIを活用できる場面5つ!活用事例やデメリットも解説

6.医療DX推進体制整備加算を確実に算定できるよう準備を進めましょう

医療DX推進体制整備加算は、2026年に向けて要件がさらに厳格化される見込みです。
マイナ保険証の利用率向上、電子カルテ情報共有サービスの導入、電子処方せんの運用など、求められる体制は多岐にわたります。
重要なのは、システム導入だけでなく、現場で日常的に活用できる運用体制を整えることです。
受付での声かけやWebサイトでの案内など、小さな工夫の積み重ねが利用率向上につながるでしょう。
 
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