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お役立ち 2025.06.16
介護業界で活躍する3つのAI!導入のメリットと活用事例を解説

「介護現場には、実際にどんなAIがあるの?」「自分の施設にも関係あるのかな?」
介護業界でも少しずつAIの導入が進み、このように気になっている介護スタッフも多いのではないでしょうか。
忙しい介護現場でAIが活用できたら、少し負担が減るのではないのかと期待しますよね。
この記事では、介護現場で活躍しているAIのおもな種類や導入のメリット、実際の活用事例を解説します。
AIが普及している今だからこそ、介護現場におけるAIの実態を知っておきましょう。
医療AIについて知りたい方は、下記の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください。
▼関連記事:【医療AI】3つの活用例|看護師の業務効率化のためのAI技術を紹介
▼目次
- 1.介護業界で活用されているAIの種類3つ
- 1.見守りAI|転倒リスクや徘徊を検知
- 2.介護記録の自動化|記録・入力作業のサポート<
- 3.介護AIロボット|移乗・会話補助などの支援<
- 2.介護業界のAIの導入率
- 3.介護業界のAI導入の問題点とデメリット
- 4.介護業界にAIを導入することで期待されること
- スタッフの身体的負担の軽減
- 記録や書類業務の時間短縮
- ご利用者の安全確保
- 5.介護現場のAI活用事例
- AI搭載見守りカメラの導入で業務負担の軽減につながった事例
- AIによる記録作業のサポート事例
- 6.介護業界のAI導入の将来
1.介護業界で活用されているAIの種類3つ
介護現場では、スタッフの負担軽減やご利用者の安全確保を目的に、以下のようなAI技術が導入され始めています。
● 見守りAI
● 介護記録の自動化
● 介護AIロボット
くわしく見ていきましょう。
1.見守りAI|転倒リスクや徘徊を検知
見守りAIは、ご利用者の動きや状態をセンサーやカメラで把握し、異常を検知するとスタッフに通知するシステムです。
導入によって、以下の効果が期待されています。
● 夜間の離床や転倒をいち早く発見できる
● 徘徊が始まっても素早い通知で安全確保につながる
● 普段の活動時間や動き方と違う場合の警告で、体調の変化を早期に察知できる
● 不要な巡回が減りスタッフの負担が軽減される
見守りAIの活用により、ご利用者の安全を守りながら、スタッフの負担を減らすことが可能になります。
たとえばケアコムの見守りカメラでは、AIが動きを学習するため誤報も少なく、的確な通知がおこなえる点が評価されています。
転倒をはじめとした事故を未然に防ぐだけでなく、落ち着いた夜勤体制づくりにもつながるでしょう。
▼ケアコムの見守りカメラはこちら
2.介護記録の自動化|記録・入力作業のサポート
介護記録の自動化は、音声入力や画像解析などの技術を活用して、記録の作成や入力をAIが支援するシステムです。
これにより、記録の正確性が高まり、手書きやパソコンでの入力にかかる手間が軽減されます。
たとえば、移動中やケアの合間に声で記録内容を伝えられるため、わざわざスタッフステーションに戻る必要がなくなり、スタッフは介護業務に集中できるようになります。
また、手書きの記入間違いや口頭での伝達ミスを防げるため、ケアの安全性も高まるでしょう。
とくに忙しい日勤帯では、作業時間の短縮がスタッフの負担軽減につながり、介護の質向上も期待できます。
3.介護AIロボット|移乗・会話補助などの支援
介護支援ロボットは、AIを活用し、ご利用者の体調や反応に合わせて動作を調整できる支援機器です。
具体的には、移乗動作の補助によりスタッフの身体的負担を軽減し、腰痛や疲労の予防に役立っています。
また、ロボットに搭載された会話機能を通じて、ご利用者との簡単なコミュニケーションが可能となり、精神的な孤立感の緩和や心のケアにもつながっているのです。
こうした機能は、ご利用者の生活の質を高めるだけでなく、スタッフの業務負担を減らし、介護現場全体の効率化に貢献しています。
2.介護業界のAIの導入率
介護の現場でもAIの導入は少しずつ進んでいますが、広く普及しているとは言い切れない状況です。
厚生労働省の調査によると、パソコンを使った介護ソフトの中でも「利用者情報の入力・保存・転記」の機能が搭載しているシステムが、介護施設で多く使用されています。
調査対象の66.2%の施設が導入していることがわかりました。
これは、記録業務の効率化に対するニーズが高く、導入もしやすいためと考えられています。
一方、AIロボットのような高機能な機器になると、コストや操作の難しさが導入の壁となり、活用している施設は少ない傾向です。また、施設の規模や運営母体によっても導入状況は大きく異なります。
とくに、中小規模の事業所では、予算が限られていることから慎重な姿勢が目立ち、導入率に差が出ているのが現状です。
▼参考:令和5年度介護労働実態調査事業所における介護労働実態調査結果報告書|公益財団法人介護労働安定センター
3.介護業界のAI導入の問題点とデメリット
介護業界のAI導入が進まない理由として、以下の点があげられます。
● 高いコストがかかる
● ご利用者の抵抗感がぬぐえない
● 開発側と現場側の問題認識の差がある
● スタッフが使いこなすまでに時間がかかる
● スタッフが習得するための時間が確保できない
とくにコスト面においては、ある調査で83.9%の施設が「導入費用の支援があればAIを検討したい」と回答しており、コストが普及の壁になっていることがわかります。
とはいえ、補助金や助成金を上手に活用すれば、導入コストをおさえることも可能です。
AI導入によるデメリットは、AIの性質上、完全に解決できない部分といえます。
● 「人間らしさ」や「感情的な寄り添い」が難しく、ご利用者が不安や孤独を感じることがある
● 機械によるミスや誤作動が起こった際に、大きな事故につながるリスクがある
● データ管理・プライバシー保護の観点から慎重な運用が必要となる
こうした点をふまえ、AI導入を検討する際には技術の利便性だけでなく、人間らしいケアとのバランスを意識することが大切です。
なお、AI導入を考えている介護スタッフには、ケアコムが提供しているホワイトペーパーが参考になります。
費用はかからないため、ぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
▼参考:日本における介護ロボットの普及課題―ビジネス・エコシステムの視点に基づいて―|北嶋守
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4.介護業界にAIを導入することで期待されること

介護の現場でAIを取り入れることで、さまざまなメリットが期待されています。
ここではおもな3つのポイントを解説します。
スタッフの身体的負担の軽減
介護現場では、ご利用者の移乗や体位変換といった、スタッフのからだに負担がかかる作業が日常的に発生します。
これらの重労働は、介護スタッフの腰痛や疲労の原因となり、離職にもつながりかねません。
AI機器はこれらの負担を緩和し、スタッフが健康的に長く働ける環境作りに役立つと期待されています。
たとえば、AI搭載の移乗支援ロボットは、ご利用者の動きや体重を感知し、立ち上がりやベッドから車いすへの移乗をサポートしてくれます。
これにより、スタッフが無理な体勢でご利用者を抱え上げる必要がなくなり、足腰や腕への負担が大幅に軽減されます。
記録や書類業務の時間短縮
介護現場では、ケア記録や報告書などの書類業務が多く、これまでは決まった場所で手書きや入力作業をおこなう必要がありました。
AIによる音声入力や自動記録システムを導入すれば、記録作業を場所に縛られず効率よくおこなえるようになります。
業務の正確性を保ちながら、記録にかかる時間を短縮できるため、スタッフがご利用者と向き合う時間を多く確保でき、本来のケアに集中できる環境づくりにつながります。
ご利用者の安全確保
AI機器の導入は、ご利用者の安全を守るのに効果的です。
たとえば、AIを搭載した見守りシステムは、転倒や離床といったリスクのある行動を検知し、即座にスタッフへ通知することが可能です。
これにより、事故の未然防止や迅速な対応が実現し、ご利用者の安全性が向上します。
夜間の少人数体制でも見守りができるようになるため、ご利用者にとっても安心感のある生活を送れる環境が整います。
見守りカメラの選び方や導入時の注意点についてはこちらの記事で解説しています。
▼関連記事:介護施設における見守りカメラの選び方や導入時の注意点を分かりやすく解説
5.介護現場のAI活用事例
介護現場にAIを導入して、よい効果を得られた事例を紹介します。
成功事例から、ぜひ自分の施設に導入する際のヒントを見つけてください。
AI搭載見守りカメラの導入で業務負担の軽減につながった事例
介護施設では夜間の見守りが課題となりがちです。
こちらの施設では巡回回数の多さがスタッフの負担になっており、緩和のためにAI搭載の見守りカメラを導入した事例です。
AI機器導入前の課題 |
---|
・夜間の見回り回数が多かった ・離床センサーのみ使用していたため、夜間の無駄な駆けつけがあった |
導入後の効果 |
・不要な駆けつけが減り、夜間の業務負担軽減につながった |
ご利用者の安全を守りながら、スタッフの業務負担が軽減できることを実証した事例といえます。
AIによる記録作業のサポート事例
介護現場では、日々の記録作業がスタッフにとって大きな負担となることがあります。
こちらの施設では、介護スタッフの記録にかかる時間を減らすため、AIを活用した記録サポートシステムを導入しました。
AI機器導入前の課題 |
---|
・毎日の介護記録作成に時間がかかり、本来のケア業務を圧迫していた ・手書きやPC入力での記録作業中に、利用者のわずかな変化を見逃してしまうリスクがあった ・記録内容の標準化が難しく、情報共有に時間がかかることがあった |
導入後の効果 |
・音声入力や自動要約機能により、記録作業の時間が平均30%削減された ・AIがケア中の会話や動きから記録すべきポイントを抽出し、入力漏れが減少した ・記録されたデータが自動で整理・分析され、職員間の情報共有がスムーズになった |
この事例は、AIが記録作業を効率化することで、スタッフがより多くの時間をケアに充てられるようになり、介護サービスの質向上にも貢献できることを示しています。
6.介護業界のAI導入の将来
今後、介護業界におけるAIの活用はますます進んでいくと考えられます。
少子高齢化が進むなか、介護現場の人手不足は深刻になっており、限られたスタッフで質の高いケアを続けるには、業務の効率化と負担軽減が欠かせません。
AIはその有力な手段のひとつとして期待されています。
たとえば、ご利用者の状態を学習しながら適切なサポートをおこなう「学習型AI」や、より多機能な見守りシステムなど、さまざまな技術が開発・普及していく見込みです。
一方で、AIの導入にはコストがかかるため、費用対効果を見極めながら導入を検討していくことが大切です。国や自治体の補助金をうまく活用することで、負担をおさえて導入できる可能性もあります。
また、AIを現場でうまく活用するには、介護スタッフが機器を使いこなせるようになることも重要です。
ただし、技術が進化しても「人の手によるケアがいちばん安心できる」と感じるご利用者が多いのも事実です。
AIと人との協働があたりまえになる未来に向けて、現場全体でバランスよく歩み寄る姿勢が必要です。
7.介護業界のAIはスタッフの働きやすさとご利用者の安心感につながるツール

AIは介護現場の負担を減らし、ご利用者の安全や安心を支えるサポートツールとして期待されています。
スタッフの業務の効率化や負担軽減にくわえ、ご利用者と向き合う時間の確保にもつながります。
導入コストや運用面の課題はあるものの、補助金を活用すれば負担をおさえることも可能です。
今後の人手不足に備え、AIをうまく取り入れていくことが、安定した介護体制を築く一歩になるでしょう。
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