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お役立ち 2025.09.12

介護のモニタリングとは?モニタリングシートの例文3つと質を高める方法

「介護のモニタリングって何?」
「モニタリングシートってどう書けばいいの?」

このような疑問を持つ介護スタッフもいるでしょう。
 
モニタリングは、おもにケアマネジャーがおこないますが、現場スタッフの観察やご家族からの情報がなければ成り立ちません。
 
この記事では、モニタリングの目的や重要性、シートの具体例と書き方のコツ、ICTを活用して質を高める方法を解説します。最後までお読みいただき、現場で役立つヒントをぜひ見つけてください。

▼目次

1.介護のモニタリングとは

介護のモニタリングとは、ご利用者が望む生活を送れているかを定期的に確認し、必要に応じてケアを調整することです。
 
モニタリングの目的や重要性を理解することで、日々の気づきをケアプランや計画に反映でき、ご利用者に合ったサービス提供につながります。
詳しく見ていきましょう。

介護のモニタリングの目的

モニタリングの目的は、ご利用者の状態・ニーズと計画とのズレを確認し、生活の質(QOL)を保つように調整することです。
 
介護の現場では、体調の変化やADL(日常生活動作)の低下、食欲や睡眠の乱れ、ご家族の介護負担の増加など、日々小さな変化が起こります。
これらを見逃すと「いつの間にか症状が悪化していた」「ご本人の希望とサービス内容がかけ離れていた」という事態につながりかねません。
 
そのため、モニタリングを定期的におこない、その時々の変化に応じてサービスを微調整する必要があります。

介護のモニタリングの重要性

モニタリングは、介護サービスを「計画どおりに提供する」だけでなく、ご利用者の希望や生活の実態に沿った支援にするために欠かせません。
その理由として、以下のような点があげられます。
 
● ご利用者に合わないサービスを続けるリスクを防げる
● ご本人の思いとケアの内容が一致しているかを確認できる
● ご家族や施設スタッフからの情報を整理し、安心できる生活につなげられる

 
もしモニタリングをおこなわなければ「サービスを提供しているのに、ご本人の満足度は下がっていく」というズレが生じやすくなります。
だからこそ、モニタリングを続けることが、ご利用者の生活を守る仕組みになるのです。

介護のモニタリングとアセスメントの違い

介護の現場では「アセスメント」と「モニタリング」がよく並んで使われますが、それぞれの役割は以下のように異なります。
 

用語 役割
モニタリング サービス提供が始まったあとに継続的におこなう「評価と見直し」
アセスメント 介護サービス開始前におこなう「初期の情報収集と分析」

 
アセスメントで立てた計画を、モニタリングで確かめながら調整していくことで、ご利用者の実態に合ったケアが可能になります。
つまり、アセスメントは出発点、モニタリングはその後の継続的な点検と位置づけられるのです。
 
▼関連記事:介護アセスメントとは?基本的な進め方と質を高める方法4つを解説

2.介護のモニタリングシートの例文3つ

入所系・通所系・居宅系サービスの3つの場面を想定したモニタリングシートの例文を紹介します。
モニタリングの意義を理解したうえで実例を知ることで、実務でのイメージを持ちやすくなり、書き方のヒントとして活用できるでしょう。
 

1.入所(宿泊)系サービスの場合

項目 内容
ご本人・ご家族の希望 「夜中にトイレで転ばないか心配」「ぐっすり眠りたい」
短期目標 夜間に転倒なく排泄動作をおこない、平均5時間以上連続して眠れるようにする
サービス内容 夜間巡回、就寝前の排泄誘導、必要時の介助
評価 夜間の睡眠は平均6時間で排泄は1回介助。足元が不安定で移動に時間を要したが転倒はなかった。
今後の課題・方針 排泄にかかる時間が増えているため、必要に応じてリハビリテーションスタッフによる移動動作の評価を依頼する。夜間巡回は継続する。

 
入所施設では、施設所属のケアマネジャーがモニタリングシートを作成するのが一般的です。
ただし、スタッフの日常的な観察が、紙面だけではわからない利用者像を補うことを覚えておきましょう。

2.通所系サービスの場合

項目 内容
ご本人・ご家族の希望 「できるだけ身体を動かして元気でいたい」「外に出る機会を続けてほしい」
短期目標 午前の体操に毎回最後まで参加できるようにする
サービス内容 送迎、食事提供、入浴介助、体操・レクリエーションへの参加支援
評価 送迎時の歩行は安定している。午前の体操は最後まで参加できたが、午後は疲れて休憩を希望することが多い。
今後の課題・方針 短期目標は達成できたが、午後の活動では疲れやすさが見られる。休憩を挟みながら無理のない参加を促し、体力面の変化を記録する。
短期目標を「疲労なく午後の活動に取り組める」に変更し、支援を継続する。

 
デイサービスやデイケアでは「通所介護計画書」として、サービス提供責任者が中心となって記録します。
目標以外で見えてきた課題もあわせて記録することで、より実態に沿ったモニタリングにつながります。

3.居宅系サービス(訪問介護)の場合

項目 内容
ご本人・ご家族の希望 「食事を用意するのがしんどい」「栄養が偏らないようにしてほしい」
短期目標 週3回の訪問介護で、1日1回は栄養バランスのよい食事を摂れるようにする
サービス内容 調理援助(主菜+副菜の提供)、買い物代行、配膳、食後の片付け
評価 訪問時は調理を一緒におこない、栄養バランスの取れた食事を完食している。普段は冷凍食品中心で偏りがある。
今後の課題・方針 栄養改善には継続した訪問介護が必要である。買い物代行時に野菜やたんぱく質を取り入れる工夫を進める。

 
訪問介護では、ケアプランや訪問介護計画書に沿って、サービス提供責任者がシートを記録します。
食事や掃除といった生活支援は、ご利用者の体調や生活習慣の変化があらわれやすい場面です。
 
こうした日常の様子を具体的に記録しておくことで、ケアマネジャーに正確な情報を報告でき、サービス調整にも役立ちます。

3.介護のモニタリングシートの書き方のコツ

モニタリングシートは、ただ事実を書くだけでなく、第三者が見ても状況が伝わり、ご利用者の生活改善につながる記録にすることが大切です。
ここでは、実務で意識したい3つのコツを解説します。

ご利用者とご家族の視点を反映する

モニタリング記録には、ご本人やご家族が感じる「できるようになったこと」や「困っていること」を反映すると、生活の変化が伝わりやすく、支援の方向性を考える手がかりになります。
 
たとえば、ご本人が「自分でお風呂に入れるようになった」と話した場合、入浴介助の有無だけでなく、どの動作まで自立してできるのか、支援が必要な課題は何かを把握できます。
さらにご家族の「見守っていれば安心して任せられるようになった」という声も残せば、ケアの効果やご家族の安心感まで読み取れ、今後の支援方針に活かせるでしょう。
こうした視点が、質の高いモニタリングにつながります。

第三者が見てもわかるような言葉を使う

モニタリング記録は、専門用語や抽象的な表現が多いと、あとから見直したときに正確な状況が伝わりにくくなります。そのため、誰が読んでもご利用者の状況が理解できるように書くことが大切です。

たとえば「歩行がやや不安定」と書くよりも「歩行時にふらつきがあり、手すりの使用が必要」と記録した方が、その場にいなくても具体的な状況がわかります。
このように書くことで、ほかのスタッフとの情報共有がしやすくなり、チームでの支援の質も高まります。

サービス提供の現場を自分の目で確かめる

モニタリング記録を正確にするには、可能な範囲で実際の場面を観察しましょう。

文書や口頭の報告だけでは、ご利用者の細かな表情や動作の変化を十分に把握できないことがあります。
ただし、ケアマネジャーや担当スタッフがすべての場面に立ち会うのは現実的に困難です。

そのため、現場の介護スタッフやご家族から情報を聞き取り、観察した内容とあわせて記録に残すことが重要です。
観察と聞き取りを組み合わせることで、より信頼性の高いモニタリングが可能になり、次回の評価やケアの見直しにも役立ちます。

4.介護のモニタリングの質向上にはICT活用がおすすめ

介護のモニタリングを正確におこなうには、ご利用者の普段の生活をできるだけ細かく把握しなければなりません。
 
しかし、ケアマネジャーや担当職員が常に現場に立ち会うことは難しく、電話や報告だけでは実態を見落としてしまうリスクもあります。
そこで役立つのが、以下のようなICTを活用したモニタリング支援です。
 
● ナースコール:呼出の頻度や内容からご利用者のニーズを把握しやすくなる
● 見守りカメラ:夜間や死角の様子も把握でき、事故や不安の予防につながる
● 見守りセンサー:離床や転倒の兆候を早期に検知でき、安全管理を強化できる

 
とくに、ケアコムのナースコールと見守りセンサーを連携させる仕組みを導入すれば、ご利用者の状態変化をリアルタイムで把握できます。また、ナースコールや見守りのアラートを介護記録に連携できるため、正確な記録に加えてケアの見直しにも役立ち、利用者情報の共有で入力作業の負担も削減できます。
 
ケアマネジャーや介護スタッフが「見える化」された情報を共有できるため、モニタリングの精度を大幅に高められるでしょう。
 
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5.介護のモニタリングにICTを導入しご利用者のQOLを高めましょう

介護のモニタリングは、ご利用者の生活を守る大切なプロセスです。
定期的に状態を確認し、変化に応じてケアを調整することで、安心して暮らせる環境を支えられます。
 
また、ナースコールや見守り機器などのICTの導入によって、現場のスタッフやケアマネジャーが同じ情報を共有でき、より精度の高いモニタリングが可能になります。
これは、ご利用者のQOLを高めるだけでなく、介護現場の負担軽減にもつながるでしょう。
「今のナースコールでも活用できるの?」「記録が残る仕組みはある?」と感じた方は、まず最新情報を確認してみてください。
 
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