Cases納入事例

納入事例

国立大学法人 福井大学医学部附属病院 様

  • 安全管理
  • ケアの質向上

輸液ポンプとナースコールの連動システムを構築し、より安全でスムーズな業務対応を実現。

納入前

JR「福井駅」から京福バスで約30~50分(系統により異なる)。以前から、同院看護部様とは、呼出履歴の活用をはじめ看護業務におけるさまざまな改善策を共に考えてまいりました。
今回共創したのは、輸液ポンプとナースコールの連動システムの構築です。取り組みを行った血液・腫瘍内科では、輸液ポンプ数が全病棟の中で一番多く、化学療法で日常的に使用されていました。当病棟で大きな課題となっていたのが、輸液ポンプのアラームが鳴っている病室がわかりづらかったこと。看護師が呼出先を探し回ることも日常茶飯事で、スタッフ数が少ない夜勤帯は、血管外漏出や注射部が腫れてしまうなどの事象がしばしば生じていたそうです。

納入後

スマートポンプ(IT機能を搭載した輸液ポンプ)とナースコールシステムを連動させたことで、各種のアラームが、ナースコール親機やスマートフォン、個別情報廊下灯にナースコールとして通知される仕組みに。患者情報と合わせて通知されるため、一番の課題だった病室を探し回ることがなくなり、看護師はすぐに患者さんのもとに向かえるようになったといいます。また、既存のアラームに、輸液が完了する3分前に「残量」として通知される設定も加えたことで、次の行動を予測した対応が可能となり、より効率的な業務進行を実現されています。

お客様の声

坂谷 スマートポンプのアラームが発生すると、受け持ち看護師のスマホに優先的に通知されます。患者情報が表示されるため、以前のように病室を探し回ることがなくなり、看護師はすぐに患者さんのもとに向かえるようになりました。その分、患者さんに苦痛を強いる時間も短くなったのではないかと思います。「気泡混入」や「下流閉塞警報」などのアラーム内容が、ひと目でわかるようになったことも大きなメリットです。

大杉 事前に情報を把握することで、動線のスムーズ化につながりますね。

伊藤(幸) スマートポンプは、もともと7種類のアラーム(ドア警報、バッテリー低下、開始忘れ、完了警報、気泡混入、下流閉塞警報、上流閉塞警報)が鳴るようになっていました。それらに加えて、輸液が完了する3分前に「残量」として通知されるようにも設定しました。「残量」を追加したのは、輸液が完了する前に知らせが入れば時間に余裕が生まれ、より動きやすくなるのではないかと思ったからです。

五十嵐 ナースコールの総回数は増えるかもしれませんが、完了する前の数分間で何かできるのではないかと考えたのです。

伊藤(真) 「5分もあると、ほかの作業を始めてしまいそう」、「1分しかないと動きが取りにくい」など、設定時間をどうしようかと迷いましたね。

坂谷 3分前にアラームが鳴ることで、次の業務が決定します。例えば、ほかの患者さんの処置をしていたとしても、3分後に輸液が完了することが前もってわかるため、スタッフステーションに次の薬剤を取りに戻ることができ、病室に向かうあたりで3分が経過します。病室に着く頃には、次は「完了警報」が鳴るので、ナースコールを解除して、輸液を交換して……と、作業を進められます。以前のように「終わったかな?」と、何度も訪室する必要がなくなり、スムーズに業務を遂行できています。
また、患者さんがナースコールを押さなくても「残量」が伝わるため、夜間は、その患者さんや同室の患者さんを起こすことなく、輸液を最適なタイミングで取り換えることができ、とてもよい機能だと実感しています。

伊藤(幸) 当初は、ナースコールの呼出回数が増えるかもしれないという不安がありましたが、現在も他病棟と比べてそれほど回数は多くなっていません。ナースコールを押さなくても看護師が来てくれることをわかっている患者さんもいますし、事前に「ナースコールをしなくても看護師が行きますね」と患者さんに伝えておけば、ナースコールが激増することはないだろうなと予想していました。

坂谷 呼出回数は以前と比べると増えましたが、現場にとってそれは苦ではありません。必要な情報がきちんと看護師に送られてくることで、次の業務を的確に判断できるようになったので、結果的にメリットのほうが上回ったと思っています。

※以上、ナーシングプラザ49号より抜粋

(お話しいただいた方)
副病院長・看護部長 五十嵐 行江さん/看護師長 伊藤 幸子さん
看護師長 伊藤 真由美さん/副看護師長 坂谷 真由さん/副看護師長 大杉 拓矢さん

納入先情報
施設名 国立大学法人 福井大学医学部附属病院
住所

〒910-1193福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3

ホームページ http://www.hosp.u-fukui.ac.jp/index.html