Cases納入事例
納入事例
奈良県立医科大学附属病院 様
- ケアの質向上
- 医療安全対策
生体情報モニタとスマホへの波形連動で、急変時の医療安全対策を推進
外観
NICSS親機
連動する生体情報モニタ
ベッドサイド
波形を表示するスマートフォン
個別情報廊下灯
廊下天井に設置しているデジタル表示器
- 納入前
-
県内唯一の特定機能病院として高度急性期医療を提供する奈良県立医科大学附属病院さま。その特性から、患者さんの急変に備えた医療安全対策は最重要課題であり、生体情報モニタのアラームを覚知できなかったことによる「防ぎ得た死亡」をいかに減らすかをテーマに据えられています。一方、特に看護師配置が少ない夜間帯は、常にアラームを覚知できないという課題も。そこでケアコム他4社と協働し、院内急変対策を進めてきました。
- 納入後
-
生体情報と看護師が携帯するナースコール端末を連携するモバイルモニタリングシステムを開発。手元のスマートフォン(以下、スマホ)で生体情報を確認できるようになったことで、緊急時の対応スピードが向上。同時にエスカレーション体制やトリアージルールを整備したことにより不要なアラームの減少につながったほか、システム導入による効果を体感したことで、アラーム設定の閾値や生体情報モニタ装着の必要性の有無について看護師が主体的に考えられるようになりました。
※この連動は奈良県立医科大学さまが患者安全・安心の医療体制の一環として構築する「SafetyNet・MBT」に参画し、大学および日新ネットワークス株式会社、日本光電工業株式会社、フクダ電子株式会社、マシモジャパン株式会社等、各社の協力のもと実現しました。
- お客様の声
-
【生体情報モニタ連動/スマートフォン画像表示】
看護師が必要なタイミングでアラームをキャッチし、急変対応できるように石飛 急変対応で重要な要素の一つが生体情報のモニタリングですが、ナースステーションにあるセントラルモニタ周辺でしかアラームを覚知できない状況でした。ですが、特に看護師数が少ない夜間帯等に、モニタ周辺に常に看護師を配置するのは現実的ではありません。
辰巳 容態急変の兆候を24時間覚知できる環境を実現すべく、ケアコムさんと生体情報モニタ等のメーカー4社と協働し開発したのがモバイルモニタリングシステムです。看護師が持つナースコール用のスマホには、一般呼出やセンサー呼出等のナースコールも通知されますが、システム導入前から呼出回数が多かった状況に加え、生体情報モニタからのアラームも頻回に入るようになり、課題になったのが呼出回数の多さでした。
森本 即時対応できないリスクや、アラームが鳴り続けることによる看護師への心理的負担が課題でした。そこでケアコムさんと協働し、アラームやナースコールのエスカレーション機能を実装。緊急、生体情報モニタ、一般呼出等の各種通知の優先順位を設定し、それに応じた呼出音の鳴り分けや同時発生時のトリアージルールも定めました。受け持ちがアラームに対応できない場合のバックアップ体制が整ったほか、一斉に看護師全員のスマホが鳴る状況も改善され、アラームが鳴る頻度の減少にもつながりました。
吉田 システムを導入したことで、受け持ちの看護師が手元のスマホで患者さまの重症不整脈を確認し、すぐ患者さまの元に駆けつけ、迅速な処置につなげられた事例がありました。また、特に食後の時間に歯磨きVTと呼ばれる現象が発生しがちですが、波形の揺れが歯磨きによるものなのか、不整脈でアラームが鳴っているのか判断に迷うことがあります。これまではナースステーションに戻って波形を確認するか、訪室しないとわかりませんでしたが、手元のスマホで波形を確認できるようになったことで、ナースステーションに戻る時間の削減につながっています。
森本 そうした成功事例を重ねるうちに、看護師の意識も変わってきました。医師とも相談しながら、アラームの閾値を患者さまに応じて設定したり、電極の貼付位置の調整や電極の交換頻度を検討する等、本当に必要なアラームに必要なときに気づける体制づくりに病棟全体で取り組めるようになっています。
堀川 患者さまに安全・安心、真心を込めたケアを提供することが当院看護部の理念です。手元で急変を検知できる環境を整え、ベッドサイドケアの時間を増やすことは、当院の目指す患者さまに寄り添ったケアにもつながっています。
【個別情報廊下灯】
ナースステーションに戻らずとも、アラームが鳴っている病室に気づける吉田 重症不整脈など緊急度の高い呼出は個別情報廊下灯が赤色に点灯します。ナースステーションに戻らなくても、廊下灯を見れば「この病室でアラームが鳴っている」ことを把握できるため、そのまま訪室してすぐに患者さまの様子を確認するようにしています。
また、ナースコールのトリアージルールを定めたことによって、スマホでは優先順位の低いアラームに気づきにくいケースもあります。そうした際でも、個別情報廊下灯が緑色に点灯することでアラームに気づき、駆けつけることができています。
※一部、ナーシングプラザ54号より抜粋
(お話しいただいた方)
副院長兼医療の質・安全管理センター長 辰巳 満俊さん/看護部長 石飛 悦子さん/医療の質・安全管理センター副センター長兼看護師長 堀川 勝代さん/看護主任 森本 真未さん/吉田 真希さん#医療安全対策 #ケアの質向上
- 納入先情報
-
施設名 奈良県立医科大学附属病院 住所 〒634-8522奈良県橿原市四条町840
ホームページ https://hospital.naramed-u.ac.jp/