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お役立ち 2025.05.19
介護現場のICT導入のメリット3つ!導入事例や効率的な進め方を解説

「介護現場のICTってどんなものがあるの?」
「ICTを導入するメリットがわからない」
介護施設にICT(情報通信技術)の導入を検討するときに、このように悩む介護スタッフも少なくありません。
介護現場では人手不足や日々の業務の多さが課題となっており、これらを解消する手段としてICTの導入が注目されています。
しかし、業務負担の軽減やケアの質の向上といった効果が期待されているにもかかわらず、ICT化がなかなか進んでいないのが現状です。
この記事では、ICT導入の具体的なメリットや課題、導入事例、導入を進める際のポイントについてわかりやすく解説します。
ICT導入をスムーズに進めたい介護スタッフは、ぜひ最後までご覧ください。
看護現場におけるICT導入については、こちらの記事で解説しています。
▼関連記事:【医療ICT】3つの活用事例|看護現場のICT導入の現状やメリットとは?
▼目次
- 1.介護のICTとは
- 介護現場のICTの種類
- 介護のICT化が進まない理由<
- 2.介護現場にICTを導入するメリット3つ
- 1.スタッフの負担が軽くなり働きやすくなる
- 2.情報共有がスムーズになりミスが減る
- 3.ご利用者に合わせたケアが可能になる
- 3.介護現場へのICT導入事例
- ICTシステム導入によるスタッフの負担軽減とご利用者との時間確保
- 転倒予防と記録の効率化を目的としたICTシステムの導入
- 「3つの可視化」を軸としたICT活用による情報共有とケアの質向上
- 4.介護のICT化を効率的に進める方法
- 施設の課題を洗い出す
- 複数の会社の見積もりを比較する
- シンプルな操作のものを選ぶ
- 介護報酬が受けられるICT機器を検討する
- 5.介護ICT導入で受けられる補助金
- 6.介護現場へのICT導入で業務効率化とケアの質向上を実現しましょう
1.介護のICTとは
介護のICTとは、情報通信技術を活用して業務の効率化やサービスの質の向上を図る取り組みです。
しかし、介護現場ではICT導入が進まない現状があります。
ここでは介護現場のICTの種類と、導入が進まない理由を解説します。
介護現場のICTの種類
介護現場で活用されているICTは、おもに以下のようなものがあります。
ICTの分類 | ICT機器の種類 |
---|---|
情報共有・記録システム | ・タブレット ・クラウドシステム |
見守りシステム | ・GPS ・見守りカメラ ・見守りセンサー |
業務効率化システム | ・請求システム ・介護記録ソフト ・勤怠管理システム |
施設の課題に合わせてこれらのICT機器を導入することで、業務の手間や労力を減らしケアの質向上につながります。
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介護のICT化が進まない理由
ICT機器の導入によって業務効率化やケアの質向上が目指せるのにもかかわらず、介護現場ではICT化がなかなか進みません。
その理由は、以下のとおりです。
● 導入コストへの不安
● スタッフのICT機器への苦手意識
● 機器トラブル時の対応への不安
なかでも導入にかかるコストが高いことと、スタッフが機器を使いこなす力がないことは、導入をためらう理由の上位にあげられています。
こうした背景から、介護現場のICT化を推進するには単に機器を導入するだけでなく、スタッフが安心して使えるようにするための環境づくりが欠かせません。
2.介護現場にICTを導入するメリット3つ
介護現場にICT機器を導入すると、以下の効果が期待できます。
● スタッフの負担が軽くなり働きやすくなる
● 情報共有がスムーズになりミスが減る
● ご利用者に合わせたケアが可能になる
くわしく見ていきましょう。
1.スタッフの負担が軽くなり働きやすくなる
介護現場にICTをとり入れることで、記録や見守りの手間が減り、人手不足になりがちな現場をサポートできます。
たとえば、動きを感知するセンサーを居室に設置すれば、夜間に頻繁に見回らなくてもご利用者の様子を把握できます。
また、記録ソフトを使えば手書きよりも早く正確に記録ができ、時間にゆとりが生まれご利用者とかかわる時間を増やせるでしょう。
こうした工夫で、働くスタッフの心とからだに余裕ができ、長く安心して働ける環境になります。
2.情報共有がスムーズになりミスが減る
ICTを使うことで、スタッフ同士や医療・看護などほかの関係機関との情報共有がスムーズになります。
たとえば、ご利用者の体調や薬の情報を一つの画面で確認できれば、書き間違いや伝え忘れが防げます。
なかでも入所施設では、スタッフの交代時にも記録を見ながら正確に引き継げるため、伝達ミスが減るでしょう。
また、病院やほかの介護サービスと連携しやすくなり、ご利用者にとっても安心できる支援につながります。
3.ご利用者に合わせたケアが可能になる
ICT機器をうまく活用することで、ご利用者一人ひとりの体調や生活の様子を記録し、長期間にわたって見守れます。
たとえば、以下のデータを記録し続けていくと、小さな変化にもいち早く気づけるでしょう。
● 食事量
● 睡眠の質、睡眠時間
● トイレの回数、タイミング
● 歩行や動作の様子で気になった点
こうした情報をもとに、ご利用者の状態やニーズに合ったケアを提供できるため、より安心して生活を送れる環境づくりにもつながります。
3.介護現場へのICT導入事例
介護現場にICTを導入して効果を得られた3つの事例を紹介します。
ICT導入の参考にしてください。
ICTシステム導入によるスタッフの負担軽減とご利用者との時間確保
新しいICTの導入に合わせて、いくつかのシステムを連携させたことで業務効率化とケアの質向上が得られた事例です。
導入前の課題 |
---|
・システムの老朽化による不具合 ・スタッフの負担が大きく、利用者との時間を確保できない |
導入後に得られた結果 |
・PHS連動、見守り支援システム連動、介護ソフト連動の導入により、スタッフの負担が軽減 ・記録時間の短縮や適切なセンサー設置により、スタッフに「余白の時間」が生まれた ・新たに得た時間で、スタッフがご利用者とより深くかかわり、一人ひとりに寄り添ったケアを提供できた |
この事例から、ICT導入によって人手不足から起こる課題を軽減できることがわかります。
転倒予防と記録の効率化を目的としたICTシステムの導入
転倒リスクのあるご利用者の見守りと、スタッフの記録作業の効率化を同時に実現するため、ICTシステムの導入がおこなわれた事例です。
導入前の課題 |
---|
・ベッドからの転落事故のリスク ・スタッフの手書きによる介護記録の負担 ・関連施設での課題を参考に、事故予防と業務負担軽減を目的としたICT導入を検討 |
導入後に得られた結果 |
・見守りケアシステムを転倒リスクの高いご利用者に活用している ・ナースコールと介護ソフトの連動により、呼出情報が自動で記録されるようになった ・呼出への対応状況を振り返り、ケアの見直しに活用している |
見守り機能と記録の自動化が同時に進んだことで、スタッフの負担が軽減されただけでなく、安全対策にも具体的な効果が見られました。
「3つの可視化」を軸としたICT活用による情報共有とケアの質向上
この事例では、「情報の見える化」「業務の見える化」「ご利用者の状態の見える化」の3つを意識してICTを活用し、チーム内での連携とケアの質向上を目指しました。
導入前の課題 |
---|
・情報の把握や伝達の難しさ ・ケア計画の共有が不十分 ・現場の連携が課題 |
導入後に得られた結果 |
・ケアソフトにより、ケア計画の確認・記録・振り返りが可能になった ・スマートフォンの使用でスタッフ間の情報共有がスムーズになった ・見守りシステムとナースコールの連動で状況把握が可能となり対応に優先順位をつけやすくなった |
ICTを通じて情報が整理され、誰が見てもすぐに状況がわかるようになり、チーム全体での連携やケアの質が高まったことがわかります。
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4.介護のICT化を効率的に進める方法

介護現場のICT化を進めるためには、コストをおさえつつ、機器の操作性も同時に検討しなければなりません。
効率的に導入できる3つの方法を解説します。
施設の課題を洗い出す
ICTの導入を成功させるには、現場の課題を明らかにすることが大切です。
たとえば「記録作業に時間がかかる」「引き継ぎミスが多い」など、スタッフが日々感じている悩みを話し合いながら洗い出しましょう。
現場の声をもとに何を改善するべきかをはっきりさせることで、導入する機器やシステムの方向性が見えてくるはずです。
複数の会社の見積もりを比較する
ICTツールは、同じような機能をもつ機器であっても、アフターフォローをはじめとしたサービス内容や価格が異なります。
1社だけで決めず、複数の会社から見積もりをとりましょう。
導入後のサポート体制や使いやすさ、実際にかかる費用なども比較して、自分たちの施設にとってメリットが大きいものを選ぶことが大切です。
シンプルな操作のものを選ぶ
どれだけ便利な機器でも、使い方が複雑だとスタッフに負担がかかります。
実際に、介護現場へのICT導入を踏みとどまる理由として「スタッフが技術的に使いこなせるか心配」という声が多くあがっています。
ICT導入で重要なのは「だれでも簡単に使えること」です。
パソコンやタブレットに慣れていないスタッフでも、直感的に操作できるシステムを選ぶことで、現場にスムーズに浸透し負担の軽減につながります。
介護報酬が受けられるICT機器を検討する
介護報酬が受けられるICT機器を導入すると、施設の収益につながります。
対象となる機器は、以下のとおりです。
対象ICT機器 | 内容 | 算定要件 |
---|---|---|
1.見守り機器(ベッドからの起き上がりを感知するセンサー) | ご利用者が離床した状態を感知し、スタッフに通報できる機器 | ・加算(Ⅰ):すべての居室に導入(※ご利用者やご家族の意向により使用停止可) ・加算(Ⅱ):1つの居室でも算定可能 |
2.連絡用機器 | インカムやチャットツールなどのスタッフ間の連絡を迅速化する機器 | 加算(Ⅰ)・加算(Ⅱ)ともに、同一時間帯に勤務するすべての介護スタッフが使用 |
3.介護記録をスムーズに書くための機器 | 介護記録ソフトを用いて、入力から記録・保存・活用まで一体的に支援する機器 | 施設内に導入 |
▼参考:令和年6度介護報酬改定生産性向上推進体制加算について|厚生労働省
何を導入したらよいかわからない介護スタッフの方は、介護報酬を受けられる機器のなかから選択するのも方法の一つです。
5.介護ICT導入で受けられる補助金
介護現場にICTを導入する場合「介護テクノロジー導入支援事業」で支援を受けられます。
具体的な内容は、以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
補助対象 |
・介護ソフト ・タブレット端末 ・インカム ・クラウドサービス ・業務効率化に資するバックオフィスソフト(転記等の業務が発生しない環境が実現できている場合に限る)等 |
補助額 |
・1~10人:100万円 ・11~20人:150万円 ・21~30人:200万円 ・31人~:250万円 ※職員数により変動しない場合は一律250万円 |
補助率 | 要件を満たす場合は4分の3を下限(それ以外は2分の1を下限とする) |
補助台数 | 必要な台数分 |
▼参考:介護テクノロジー導入支援事業|厚生労働省
補助金をうまく活用し、業務改善とサービス向上を目指しましょう。
6.介護現場へのICT導入で業務効率化とケアの質向上を実現しましょう

介護現場におけるICTの導入は、業務の効率化やケアの質向上に大きな効果をもたらします。
スタッフの負担軽減や情報共有のスムーズ化、ご利用者に合わせたケアが可能になるなど、多くのメリットがあります。
ICT導入時の高くなりがちなコストをおさえるためには、補助金の使用や介護報酬を受けられるシステムの選択がカギとなります。
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