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介護施設にナースコールは必要?設置基準や選ぶポイントを紹介
病院では、患者さんが看護師さんを呼ぶためにナースコールが導入されています。イメージされやすいのは病院ですが、ナースコールは病院だけでなく介護施設にも導入されています。
では、なぜ介護施設にナースコールが設置されているのでしょうか。疑問を感じる方もいるでしょう。
この記事では、介護施設におけるナースコールの必要性から設置基準、選ぶポイントについて詳しく説明していきます。
▼目次
1.介護施設にナースコールはなぜ必要?
介護施設にナースコールが必要な理由は、法律で設置が義務付けられている、且つ利用者の安全・安心を確保するためです。
介護施設を利用している方は、病気やケガ・後遺症などがみられ、介護が必要な状態です。体調不良や排泄、移動時の介助など利用者のサポートが必要なときには、ナースコールで職員を呼ぶ必要があります。
ナースコールは居室だけでなく、トイレや浴室などにも設置しているので、ボタンを押すと職員を呼ぶことが可能です。
また、ナースコールは離床センサーとも連動することが可能なため、利用者の転倒・転落や徘徊の予防にもつながります。
ナースコールの種類についてはこちらで詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
2.介護施設のナースコールの設置義務・基準
特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準
特別養護老人ホームにおけるナースコールの設置義務・基準は、以下の法律に定められています。老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第十七条第一項の規定に基づく、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第四十六号)。
第十一条 特別養護老人ホームの建物
(中略)
4 前項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。
一 居室
(中略)
チ ブザー又はこれに代わる設備を設けること。
(中略)
五 便所
ロ ブザー又はこれに代わる設備を設けるとともに、介護を必要とする者が使用するのに適したものとすること。
(中略)
第六十一条 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームの建物
4 前項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。
一 ユニット
イ 居室
(9) ブザー又はこれに代わる設備を設けること。
(中略)
ニ 便所
(2) ブザー又はこれに代わる設備を設けるとともに、介護を必要とする者が使用するのに適したものとすること。
引用:e-Govポータル「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第四十六号)」
なお、ブザーは、ナースコールを指しています。
有料老人ホーム設置運営標準指導指針
有料老人ホームにおけるナースコールの設置義務・基準は、以下の法律に定められています。厚生労働省による有料老人ホームの設置運営標準指導指針で、以下に記載していますので、ご参照ください。
5 規模及び構造設備
(中略)
(3) 建物には、建築基準法、消防法(昭和 23 年法律第 186 号)等に定める避難設備、消火設備、警報設備その他地震、火災、ガスもれ等の防止や事故・災害に対応するための設備を十分設けること。また、緊急通報装置を設置する等により、入居者の急病等緊急時の対応を図ること。
(中略)
(9) (6)、(7)及び(8)に定める設備の基準は、次によること。
(中略)
四 要介護者等が使用する便所は、居室内又は居室のある階ごとに居室に近接して設置することとし、緊急通報装置等を備えるとともに、身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。
引用:厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」
有料老人ホームでは「緊急通報装置」と明記されていることが、ナースコールに該当します。
これらの法律に基づき、介護施設はナースコールの設置が義務付けられています。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、併せてご覧ください。
3.介護施設にナースコールを設置しないとどうなる?
ナースコールを介護施設に設置しない場合は「高齢者虐待防止法」で虐待行為に値します。「高齢者虐待防止法・第二条・5・ロ」には「高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置その他の高齢者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること」と明記してあります。ナースコールを設置しない場合は、高齢者を放置する行為となるため、養護すべき職務上の義務を怠ることにもつながります。
なお、介護施設にナースコールを設置していても、下記のようなナースコールの取り扱いも高齢者を放置する行為となるため、虐待行為に値します。
・ナースコールの電源を抜く
・ナースコールのボタンやコードを抜く
・ナースコールを手の届かないところに置く、または隠す
・頻回なナースコールに職員が対応しない
・ナースコールを押さないよう指示する
介護施設におけるナースコールの未設置や不適切な使用は、要介護者への身体的・精神的な影響を及ぼすことも考慮しましょう。
参考:e-Govポータル「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成十七年法律第百二十四号)」
参考:厚生労働省「Ⅰ 高齢者虐待防止の基本」
4.介護施設におけるナースコールを選ぶポイント
予算
介護施設は、小規模から大規模まであるので、規模に合わせたナースコールを選びましょう。病院に導入するナースコールは、多機能なためコストもかかります。
ナースコールは、初期費用として「機器の購入費用」「配線工事費」、ランニングコストとして「保守費用」が発生します。購入時の費用だけでなく、設置後のメンテナンスやトラブル対応の費用も考慮して、ナースコールを選びましょう。
機能
介護施設におけるナースコールには、下記機能があります。(一部)
・ドアホン連動
・離床センサー連動
・見守りカメラシステム連動
・スマートフォン連動
・PHS連動
・介護記録ソフト連動
・見守りシステム連動(呼吸・心拍・離床など)
介護施設にナースコールを導入する際に「なるべく低価格に抑えたい」という想いもあるでしょう。
ただ、まずは低価格のナースコールを導入し、上記の機能を後から導入しようとすると、ナースコールシステムによっては連動できないことやさらなるコストがかかることもあります。
また、多くの見守りシステムには管理端末があるためPHSなどと複数台持ち歩かないといけなかったり、ナースコールは長い期間利用するものであるため何年も変えられない不自由さが付きまとったりと、管理の手間が発生する可能性があります。そのため、ナースコールと連動する必要のある機能を視野に入れて、ナースコールの選定を行いましょう。
弊社では、ナースコールと連動して次のような機能があるので、是非ご参照ください。
▼ケアコムの介護施設用ナースコールの連動可能システムはこちら
導入実績
ナースコールは、病院での導入実績が多くみられる傾向にあります。そのため、病院だけでなく、介護施設におけるナースコールの導入実績があるか確認をしましょう。アフターフォローやトラブル発生時に適切な対応が受けられる可能性が高まります。
また、ナースコールの安全性や信頼性の適合を受けた「GRSNマーク」の製品を選ぶことを推奨します。
参考:GRSNマークについて
弊社では、GRSNマークのついた介護施設向けのナースコールを多数導入しておりますので、併せてご覧ください。
介護施設の規模や機能面、ナースコール会社の導入実績などを考慮してナースコールを選びましょう。