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お役立ち 2025.11.04

看多機の訪問看護とは?看護師の役割5つとICT活用のメリット

「住み慣れた家で、できるだけ長く過ごしたい」と願うご利用者は少なくありません。
しかし、医療的なサポートが必要な方や退院したばかりの方にとって、在宅生活を続けるには医療と介護の支援が欠かせません。
 
そこで注目されているのが、看多機(かんたき)の訪問看護です。
通い・泊まり・訪問介護・訪問看護を一つの事業所でおこなえるため、状態に合わせて切れ目のない医療ケアを提供できます。
 
この記事では、看多機の訪問看護の仕組みや看護師の役割を解説します。
看多機における看護師の働き方や、ご利用者・ご家族への支援体制を理解できますので、ぜひ最後までお読みください。

▼目次

1.看多機の訪問看護とは「通い・泊まりと連携しておこなう医療ケア」

看多機(看護小規模多機能型居宅介護)の訪問看護では「通い」「泊まり」「訪問介護」と連携し、医師が作成した訪問看護指示書にもとづいてケアをおこないます。
 
一般的な訪問看護ステーションが単独で訪問をおこなうのに対し、看多機では通いや泊まりのスタッフと常に連携できるのが特徴です。
バイタルサイン測定や服薬管理、褥瘡の処置、点滴などを実施し、介護スタッフやリハビリテーションスタッフと情報共有しながら支援します。
 
たとえば、日中に通いサービスで血圧上昇を確認した場合、同日の訪問看護で再チェックして主治医へ相談するといった、連携による早期対応が可能です。
介護保険サービスとしての対応が中心ですが、必要に応じて医療保険も併用し、住み慣れた地域での生活を支えています。
 
▼参考:看多機の運営に関するQ&A集|日本看護協会
 
看多機の特徴や起きやすい課題については、下記の記事で詳しく解説しています。
▼関連記事:看護小規模多機能居宅介護(看多機)とは?特徴3つや起きやすい課題と解決策

2.看多機の訪問看護師の役割5つ

看多機で働く訪問看護師は、医療ケアの提供だけでなく、多職種との連携やご家族支援まで幅広い役割を担っています。
具体的な5つの役割をみていきましょう。

1.ご利用者の健康管理・状態観察

ご利用者の日々の体調や表情、生活の変化を見守り、異変を早期に察知するのが看護師の役割です。
「最近食事が進まない」「笑顔が減った」など、数値にはあらわれないわずかな変化を見逃さず、体温や脈拍、血圧といったバイタルサインと合わせて健康状態を把握します。
 
通いサービスで「今日は元気がない」と感じたら、訪問看護で自宅の様子を確認し、睡眠や食事内容などを含めて全体的に観察します。

2.訪問看護指示書にもとづく医療処置

主治医の訪問看護指示書に沿って、以下の処置をおこないます。
 
● 酸素療法
● 薬の管理
● 点滴投与
● インスリン注射
● 傷・床ずれの処置

 
病院とは異なり、自宅では限られた設備環境で安全に実施するため、状況判断やリスク管理能力が必要です。

3.各職種との情報共有・調整

看多機では、介護スタッフやリハビリテーションスタッフ、ケアマネジャーなどが連携しながら、ご利用者の生活を支えています。
 
たとえば訪問看護で足の浮腫を確認した場合、尿量や体重の変化も含めてほかのスタッフに「息切れや動悸の訴えがないか注意してください」「運動内容をいつもより少し軽めにお願いします」などと伝えられます。
看護師が気づいた変化をほかの職種と共有することで、異常の早期発見につなげるのが看多機の特徴です。
 
▼関連記事:
医療の多職種連携はチームでのケアの提供!看護師の3つの役割を解説

4.医師やご家族への報告・連携

看多機の訪問看護師は、医師やご家族をつなぐ橋渡し役です。
通い中に発熱したご利用者がいれば、状態を医師に連絡し、解熱剤の使用や訪問看護での経過観察について指示をあおぎます。
 
ご家族には「少し熱がありますが、水分も取れていますし、表情もしっかりしていますよ」と具体的に伝え、不安が軽くなる声がけをおこないます。
看護師が中心となって情報を整理・伝達することで、チーム全体がスムーズに動ける体制を支えているのです。

5.緊急時対応や看取りケアの実施

容体の急変時には、医師の指示を仰ぎながら応急対応や搬送判断をおこないます。
夜間にご利用者の呼吸状態が悪化した場合、泊まり担当の介護スタッフから連絡を受けて事業所に駆けつけ、酸素投与や体位調整をおこないながら対応を判断します。
 
また、終末期のご利用者に、痛みをやわらげるケアや精神的支援を提供するのも看護師の役割です。
「最期まで自宅で過ごしたい」というご利用者の希望を叶えるため、ご家族と連携して訪問体制を強化し、その方らしい最期を支えます。

3.看多機で働く看護師のメリットとデメリット

4.看多機の課題解消にはICT導入が有効

さまざまな課題のある看多機ですが、ICTの導入によって改善できる可能性があります。
看多機にICTを導入することで得られる効果を解説します。

訪問・泊まり・通いの情報を一元管理でき、リアルタイム共有が可能

看多機では、通い・泊まり・訪問のサービス間で情報を共有し、ご利用者の体調や生活の変化を一貫して支援できる体制を整えることが必要です。
 
介護ソフトが導入されたタブレットをはじめとしたICT機器の活用によって、ご利用者の状態をリアルタイムで確認でき、誰が・どこで・どのようなケアをおこなったかをすべてのスタッフが把握できます。
情報伝達の抜け漏れが減り、チーム全体で統一した支援をおこなえるでしょう。
 
ケアコムが取り扱うナースコールシステム「CICSS-EX5」も、介護ソフトやさまざまな機器と連動できるため、わずかな変化も見逃さない体制を整えられます。
 
ナースコールシステム「CICSS-EX5」について詳しくみる
 

生活リズムの変化を共有し、連携ミスや対応遅れを防止

看多機にICTを導入すると、サービス間でのデータ連携が可能になり、ご利用者の生活リズムの変化をチーム全体で把握できます。
たとえば、対応履歴が残るナースコールシステムを導入していれば、夜間の呼出回数や対応内容を、通いや訪問のスタッフも翌日に確認できます。
 
「昨夜は3回もコールがあった。トイレの回数が増えているな」と気づけば、その日のうちに「頻尿の原因を探ろう」と対策を立てられるでしょう。
このように、泊まり・通い・訪問のデータがつながることで、生活の変化と医療の必要性を同時に把握でき、連携ミスや対応漏れを防げます。
 

ケアコムのナースコールは、対応履歴や呼出内容を共有し、夜間や緊急時の対応漏れを防止。また、ナースコールに連動するハンディーナースコールシステムでは、スマートフォンやPHSでの呼出対応を可能にし、どこにいてもご利用者の状態を即時に把握できます。少人数体制でも連携を維持し、安全・安心なケアを支援します。

ケアコムのナースコースシステムについて詳しくみる

情報共有を可視化し、チーム全体で支え合う仕組みを実現

ICTによって記録・共有が自動化され、全員が同じ情報を同時に見られるようになると、看護師一人が情報共有の責任を抱え込む必要がなくなります。
 
看多機では、看護師が情報整理や連絡調整の中心を担うことが多く「自分が伝え忘れたらどうしよう」というプレッシャーを感じやすい環境です。
そこで訪問時に入力した処置内容が自動的に通い・泊まりのスタッフへ伝達できれば「伝えたつもり」の行き違いを防ぎ、スタッフ全員が安心して支援に専念できます。
ICTは、業務効率化だけでなく、チームで支え合う風土づくりにもつながります。
 
▼関連記事:
【医療ICT】3つの活用事例|看護現場のICT導入の現状やメリットとは?

5.看多機の訪問看護に関するよくある質問

6.看多機の訪問看護はチームとICTで生活を支える仕組み

看多機の訪問看護は、医療と介護が一体となってご利用者の暮らしを支える仕組みです。
看護師は通い・泊まり・訪問看護などにかかわり、体調変化の早期発見や家族支援まで幅広く担当します。
多くの職種がかかわる現場でも、ICTの導入で情報共有がスムーズになれば「誰が見ても同じ支援ができる」安心感が生まれます。
 
看多機の訪問看護は、チームとICTが支える「生活の場」そのものです。
医療と介護がともに支える、これからの在宅ケアのモデルといえるでしょう。
 
ケアコムでは、ナースコールシステムや情報連携ツールなど、看多機運営に役立つ多彩なソリューションを提供しています。
 
また、看多機運営にとって大切な医療・介護の地域連携について、下記の無料資料にまとめています。
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