業務効率化

新病院のナースコールの呼出回数が異常に多く、忙しさの原因の発見と解決法を模索されていました。

納入前

小田急線相模大野駅、JR横浜線相模原駅より、バスで約25分。総面積37万㎡という広大な敷地内に、北里大学、北里大学東病院が併設されている。

看護の視点も含めた新病院の設計・建築計画の中で、看護にあたるハード面からの強化をお考えでした。“成長する病院”の実現のためNICSS-R8を導入いただいたものの、設備が一新された混乱の中では業務に追われる毎日。病棟には常にコールが鳴り響き、スタッフにも大きなストレスがかかっていました。その状況を打破すべく、データから忙しさの原因を突き止め、業務改善に向けた取り組みを模索されていました。

納入後

ケアコムにご相談いただき、まずナースコール履歴の分析に取り組まれました。コールの回数を“見える化”し、離床センサーの設定ミスを発見。正しい設定にすることで、呼出件数と応答時間をともに3分の2まで減らすことに成功されました。また、看護重症度や医療・看護必要度などのデータに加え、看護師の時間外労働や年休消化率なども一覧化。スタッフの忙しさも“見える化”し、看護師増員のための交渉材料にされました。

お客様の声

上野 新病院で採用するナースコールをNICSS-R8に決めたのは、サポートの手厚さに惹かれたから。メンテナンスを行うサービス拠点が病院のすぐそばにあり、何かあったらすぐに対応してもらえるところがいいなと思いました。ナースコールは患者さんの命綱。万が一のトラブルが発生したとき対応に時間がかかってしまうようでは、安心して利用できませんからね。
導入後、データ履歴を活用した大規模な業務改善の取り組みが行えたのは、二人三脚でナースコールデータの分析に取り組んでくださったケアコムの担当者がいたからこそだと思っています。

横溝 新病院では、建物、医療機器、看護の動線、何もかもが一新され、最初のころはどこもかしこも大混乱だったことを覚えています。なぜこんなに忙しいのか、ナースコールが多いのか考える余裕もなく、ただただ業務に追われて過ごしていたように思います。
ナースコールが多かった理由は、今まで一部のベッドにしか設置されていなかった離床センサーが460台設置されたことでした。とはいえ、増えたから鳴っているというには異常な量で、まずはここから調査することを始めました。データを集めて分析すると、すぐに「お昼どきの起き上がり」による呼出が多いことが判明。「お食事の際にベッドアップをするときは、あらかじめ離床センサーの設定を変更しておく」などのルールを定めました。

五藤 私は2015年の1月に、8E病棟(膠原病感染内科、神経内科)の看護師長に着任しました。異動前の12月、病棟を視察に行ってまずびっくりしたのが、音のすさまじさ。ナースコール、電話、モニターアラームが鳴りっぱなしで、この音の中で仕事をすること自体がストレスだと思いました。ただでさえ病院が新しくなって混乱しているのに、さらに機器が鳴りっぱなしという状況。これでは、「とてもじゃないけれど対応しきれない」と思って業務改善を決意。着任してすぐ、看護師全員の面談と履歴データの整理を実施しました。
面談では、ほぼ全員から「辞めたい」という言葉を聞きました。みんなが心底、疲弊しきっている状態だったんですよね。まずは彼女たちを「1年でなんとかするから、もう少しがんばろう」と励ますところから始めました。同時に、履歴データの分析・整理を開始。重症度、医療・看護必要度・ナースコールの呼出件数・平均応答時間の推移などをグラフ化し、多忙を極める状況を可視化していきました。さらに、時間外労働や年休の消化率、インシデントなどを一覧化。これらをとりまとめることで、人員不足の状況を浮き彫りにしていきました。こうして集めた情報、課題を書類としてとりまとめ、上層部を説得。4月から、看護師を増員することに成功しました。

長田 履歴データを分析し、課題を発見しただけでは意味がありません。大切なのは現場の看護師にしっかりと課題を伝え、継続して改善に取り組んでもらうこと。そのために私は、とにかく自分が動くよう心がけました。離床センサーの設定をチェックしてまわり、変わっていない場合は都度、指摘して……。医療機器の講習会などもマメに開いて、少しずつ、機器の正しい使い方、意識の変革を浸透させていきました。

小越 データを活用することでさまざまな調整が行えるようになりました。現場の看護師にも、もっともっとデータを活用してもらいたい。一人ひとりが自分の意見をアサーティブに伝え、看護の質を上げていく、今後は、そんな病院にしていきたいと思っています。

※以上、ナーシングプラザ35号より抜粋

お話しいただいた方
看護部副部長 上野 美穂さん/看護部副部長 小越 明美さん/ 看護師長 横溝 育美さん/看護師長 五藤 陽子さん/看護師長 長田 真由美さん(2015年)