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介護施設における見守りとは?目的や方法、見守りサービスについても解説
介護施設における見守りとは、介護職員が利用者のそばに付き、必要な援助をいつでも行える態勢をとることです。ご利用者によって転倒・転落や誤嚥など、さまざまなリスクを抱えています。そのため、ご利用者の安全を守るためにも見守りは大切な業務です。
本記事では、介護施設における見守りの目的や方法、注意点を解説します。介護施設や医療施設で活用できる見守りサービスについても解説していますので、施設職員や医療職員の方はぜひ参考にしてください。
▼目次
1.介護施設における見守りとは?
介護施設における見守りとは、介護職員がご利用者のそばについて必要な援助がいつでも行える態勢をとることです。転倒・転落や誤嚥などのリスクがあるご利用者の様子や言動を観察して、安全な生活を提供します。
ご利用者は目的があり行動します。そのため、ご利用者の様子に沿って次のような介助を行います。
● 移動・移乗介助
● 食事介助
● 排泄介助
● 更衣介助
見守りは漫然と眺めているだけではいけません。ご利用者がどのような行動をしたいのか、常に予測して必要な介助を実施しましょう。
2.介護施設における見守りの目的
見守り介助の目的は主に次の通りです。
●転倒などの事故を防ぐ
●利用者さんのADLを引き出す
●急変に備える
それぞれ解説します。
転倒などの事故を防ぐ
見守りは転倒・転落や誤嚥などの事故を防ぐことができます。病歴や加齢により歩行が不安定であったり、摂食・嚥下機能が低下していたりする高齢者が事故を起こさないために見守りを実施します。
介護職員は、事故を防ぐためにも身の回りに潜んでいる危険を考えて、注意深い観察が必要です。
ご利用者のADLを引き出す
見守りにはご利用者の自立行動を促して、ADLを引き出す目的があります。
転倒・転落や誤嚥などのリスクのあるご利用者さんが、自分で食事や歩行、排泄、入浴などの日常生活を安全に営めるように見守りを実施するのです。
ご利用者のADLを引き出すことで、高齢者の持っている能力の維持・向上と同時に尊厳や自尊心を守ることができます。
急変に備える
ご利用者は病歴や加齢により急変リスクを持っているため、体調変化を見逃さずに急変を未然に防ぐことが必要です。血圧や脈拍、体温などの測定することも大切ですが、普段と違う行動や言動がないかも注意深く観察する必要があります。
見守りの目的は、ご利用者の身の回りに潜んでいる危険を取り除き、自分らしく快適な生活を提供することです。「監視」ではなく「見守り」であるかを確認するようにしてください。次の章では、上手に見守りをする方法を解説します。
3.介護施設で上手に見守りをするため5つの方法
見守りには、ご利用者の安全を守るための適切な方法が存在します。
ここからは、次の介護施設で上手に見守りを実施するための5つの方法を解説します。
●見守りの目的を理解する
●ADLを把握する
●行動と希望を予測する
●事故や急変時の対応方法を知る
●職員同士で情報共有をする
見守りの目的を理解する
前提として「なぜそのご利用者を見守る必要があるのか」を理解することが大切です。ご利用者それぞれにADLや事故のリスク、日々の行動が異なるためです。
見守りの目的の一例をあげると次の通りです。
●歩行時ふらつきがある方は転倒しないように見守る
●異食リスクがある方はデイルームで常に見守る
●誤嚥リスクがある方は食事の姿勢や一口量を見守る
見守りは「誰の」「どの動作に対して」「どのような目的」を意識して実施しましょう。
ADLを把握する
適切に見守りを実施するには、ご利用者のADLを把握することが大切です。ご利用者それぞれに身体機能が異なるためです。
ADLで把握する必要があるポイントの一例をあげると次の通りです。
●歩行時ふらつきはあるか
●立位は安定しているのか
●危険行動は見られるか
●食事時にむせはあるか
ご利用者と関わる際は、必ず事前にADLを正しく把握しましょう。
行動と希望を予測する
ご利用者の安全を守るには、行動や希望から次の動作を予測する必要があります。
ご利用者が行動してからでは遅い場合があるためです。つまり、歩行が不安定な人が立ち上がってからでは、駆けつける頃に転倒してしまう可能性もあるのです。
ご利用者の行動と希望を予測するには、日頃から次のポイントを観察しましょう。
●立ち上がる前に落ち着かない様子が見られる
●行動が活発になる時間を把握する
●トイレに行く時間などを把握する
●来客があると立ち上がる
日頃から、ご利用者の習慣や動作の特徴を捉えておくことが大切です。
事故や急変時の対応方法を知る
適切に見守りを実施するには、事前に事故や急変時の対応方法を知る必要があります。事故や急変が起きた際に、どのような対処をすれば良いか把握しておかないと、適切な対応ができないためです。
対応方法は事業所により異なりますが、把握すべき点の一例をあげると次の通りです。
●事故や急変が起きた現場ではなにをすれば良いのか
●誰に協力を仰ぐべきなのか
●事後報告はどのようにするのか
実際に事故や急変などを目の当たりにすると、適切な対応ができない場合があります。自信を持って行動できるように、何度もシミュレーションを行いましょう。
職員同士で情報共有をする
より安全に見守りを実施するには、ご利用者のADLやリスクなどを職員同士で情報共有する必要があります。見守りだけでないですが、介護は職員1人の力でできないためです。
トイレ介助中に、他の転倒リスクのあるご利用者が立ち上がってしまった場合、一人では対応できません。このような場合は、職員同士で声を掛け合いながら職員全体で見守りを実施する必要があります。
ご利用者が安全かつ快適に過ごすためにも、以上の5つの方法を抑えましょう。次の章では、見守りを行う際の注意点を解説します。
4.介護施設で見守りを行う際の注意点
●本人の意思を尊重する
●環境整備を行う
●プライバシーに注意する
転倒や誤嚥などのリスクがあるからといって、本人の意思を無視した介助は、ご利用者の尊厳を傷つけます。見守りが監視にならないように、必要なときにそっとサポートするように心がけましょう。
ご利用者の進行方向に障害物があると転倒につながります。ご利用者それぞれの動線を把握して、障害物を取り除いておきましょう。
24時間の見守りは難しく不適切です。ご利用者のどの場面で実施すべきかを把握して、プライバシーに配慮した見守りを行いましょう。次の章では、介護施設や医療施設でも役立つ見守りサービスを解説します。
5.介護施設で役立つ見守りサービスとは
介護施設で常にご利用者を見守ることは困難です。また、医療施設では病状により安静臥床を促したい患者さんもおられるでしょう。
そこで、患者さん・ご利用者の安全を守る見守りサービス(今回は見守りセンサーとカメラ)について解説します。
見守りセンサー
見守りセンサーは、患者さん・ご利用者が一定の動作をすると職員に伝わる仕組みになっています。
見守りセンサーの一例を紹介すると次のような種類や機能があります。
●マットセンサー:ベッドの降り口の付近に敷き、ご利用者が踏むと作動する
●ベッド柵センサー:ベッド柵に設置してご利用者がつかむと作動する
●クリップセンサー:衣類に装着して一定の範囲を動くと作動する
●赤外線センサー:赤外線の照射範囲に入ると作動する
●超音波センサー:超音波の照射範囲に入ると作動する
患者さん・ご利用者のADLや行動に合わせて見守りセンサーを選択しましょう。
見守りカメラ
「離床センサーを設置していたのに、ご利用者がベッドからいつの間にか出ていた…」など、介護職員や医療職員であれば、このような冷や汗をかく経験があるはずです。特に病状により安静臥床が必要な患者さんであれば、なおさら注意して安静を保ちたいでしょう。
ケアコムが提供している見守りカメラシステムであれば、「起き上がり・端座位・離床」の3つのタイミングで通知を選択できます。つまり、任意のタイミングで危険動作を察知できるため、いち早く転倒・転落の予防につなげられます。
高い水準の見守りを実施したい介護施設や医療施設の職員は、ぜひこちらをご確認ください。
▼ケアコムの見守りカメラシステム