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お役立ち 2024.04.02

看護師の業務改善とは業務マニュアルの見直し!具体例を詳しく紹介

看護師は患者さんの命にかかわる仕事である責任感と緊張感のなかで業務をおこなっています。しかし、看護業界の人手不足は深刻であり※、一人ひとりの業務量が増えています。

 

そのような中で、看護師の業務負担を軽減し、働きやすさを実現するためには「業務改善」を行うことが重要です。

 

ただし、業務改善という言葉だけでは具体的なポイントがわからないのではないでしょうか。この記事では、看護師の業務改善の事例や目的について解説します。

 

※参考:厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」

▼目次

1.看護師の業務改善とは業務を見直し効率化を図ること

看護師の業務改善とは「業務を見直し、効率化を図ること」です。具体的には、この4つの順に進めます。

 

1. 業務の問題点を洗い出す
2. 対策をたてる
3. 業務改善を実行する
4. 評価する

 

看護師の主な業務は「療養上の世話」と「診療の補助」の2つです。ここでは、看護師の業務の一例を紹介します。

 

【療養上の世話】
● 入浴の介助
● 食事の介助
● 排泄の介助
● 体位交換 など

 

【診療の補助】
● バイタルサイン測定
● 患者さんの訴えの傾聴
● 内服の与薬

 

これらの業務を、複数の患者さんに行います。ケア後は記録に残したり、次の勤務者に向けた申し送りをしたりします。

 

看護師の業務量が多い現状を踏まえて、改めて業務の必要性や効率性を見直すことが重要です。業務改善ができれば必要な業務をおこなえるため、患者さんによりよいケアを提供できます。
さらに、業務量が効率化することで看護師の満足感が高くなり、働きやすい環境が実現するでしょう。

2.看護師の業務改善が必要な理由

看護師の業務を改善しなければならない理由は、主に以下の3つです。それぞれを詳しく解説していきます。

 

● 看護師の業務量が増えている
● 人手不足が深刻である
● 仕事と生活のバランスが崩れる

 

看護師の業務量が増えている

看護師の業務量が多いため、業務を改善しなければなりません。
というのも、看護師は長時間労働や超過勤務、サービス残業が多いためです。

 

日本医療労働組合連合会が公表した「2022年看護職員の労働実態調査」によると、始業前は45.9%、終業後は73.4%の看護師が超過勤務をおこなっています。

 

とくに、2交代制の夜勤業務は、勤務時間が長く生活のリズムが不規則になりやすいことから身体的、かつ精神的な負担が大きいです。睡眠不足やストレスに悩む看護師も少なくありません。

 

このように業務の負担が大きい状況が続くと、患者さんへのケアの質の低下につながる恐れがあるため、業務改善が必要といえます。

人手不足が深刻化である

先述した資料によると、看護師業界では人手不足の状態です。
2025年までに必要な看護師の数は188〜202万人といわれています。一方で、2025年に働いている看護師数は175〜182万人と想定されており、27万人の看護師が不足する恐れがあります。※

 

また、看護師の2022年の有効求人倍率2.2倍です。すべての職業の有効求人倍率は1.19倍であり、病院や施設では看護師が不足している状態といえます。

 

この看護師が不足している状況が、働いている看護師の業務量を増やすのです。疲れがたまり心の病気を理由に退職する看護師は少なくありません。
さらに、人手不足により患者さんに十分なケアができなかったり、話を傾聴する時間が取れなかったりする場合もあります。

 

業務改善により看護師の負担を軽減できると、現状を解消する一手になる可能性があるでしょう。

 

※参考:厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会」

仕事と生活のバランスが崩れる

仕事と生活の調和が取れず、体調を崩す看護師も少なくありません。
なぜなら、勤務のシフトが不規則であることや休日出勤での研修参加は、生活のリズムを乱して疲労が溜まる原因になるためです。
さらに、仕事と生活のバランスが取れなければ医療ミスに繋がるリスクを高め、看護の質に影響を与える恐れがあります。

 

無理のない範囲で仕事をしたり、私生活でリフレッシュしたりすることが大切です。

3.看護師の業務改善の事例


ここでは、実際に行われている看護師の業務改善の事例を5つ紹介します。

 

● 業務マニュアルの見直し
● 情報共有の徹底
● 他職種との連携を促進
● デジタル化を推進
● 研修や勉強会の実施

 

業務改善の事例を見て、自分の職場でも活かせることはないか考えて積極的に取り組んでいきましょう。

業務マニュアルの見直し

看護師の業務改善には、業務マニュアルの見直しが効果的です。
近年、看護師の仕事量が増えているため、その都度マニュアルを見直すことが重要です。
医療の分野において電子化が進んでいることで、看護師の業務量が減っているように見えますが、慢性的な人材不足や検査の細分化でケアや処置が増えているのです。

 

現在の業務にムダがないのか看護師で話し合い、業務の見直しを検討する必要があります。
マニュアルを見直すことで業務改善ができると、業務の効率化だけではなく医療ミスの減少や情報共有の円滑化が期待できます。
さらに、看護師の負担が軽減したり、患者さんへのケアの質が向上したりするでしょう。

情報共有の徹底

情報共有を徹底することで、複数のスタッフに同じことを伝達する手間を削減できます。
例えば、デジタルツールを利用した情報共有システムの導入や定着化がその一つです。この方法により、患者さんの症状や看護計画の変更点が迅速にすべてのスタッフに伝わり、連携がとりやすくなります。

 

看護師間で情報共有がスムーズになることで、チームワークが強化され業務を効率化できるでしょう。

他職種との連携を促進

他職種との連携を強化するのは、医師や薬剤師、栄養士など他職種のスタッフとのコミュニケーションを密にし、患者ケアの質を高めるためです。

 

例えば、正確な情報伝達を行えるようになると、医師にスムーズに報告できます。
これにより、治療の方針がより早く決まったり、患者さんの状態が変化したときに即座に対応できたりするでしょう。

 

積極的にコミュニケーションが取れる環境づくりを進められると、円滑な業務につながります。

デジタル化を推進

業務のデジタル化を行うと、看護師の移動時間の削減や患者ケア間の増加につながるでしょう。
例えば、スマホ連動ナースコールを導入することで、今までよりも着信スピードが向上します。また、グラフィカル表示での情報把握やカメラの映像をすぐに確認することが可能になるでしょう。

 

結果として、看護師の業務の負担を軽減でき、患者さんにより良いケアを提供することにつながるのではないでしょうか。

 

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研修や勉強会の実施

看護師の業務改善には、研修や勉強会の実施が効果的とされています。
最新の医療知識や技術に触れ、臨床で発揮できるスキルの向上が期待されるためです。さらに、定期的に研修に参加することは、看護師のモチベーション維持に繋がります。

4.【看護】業務改善に取り組む時のポイント

看護の業務改善に取り組む際のポイントは次の4つです。

 

● コミュニケーションを円滑にする
● 意見が言いやすい環境を整える
● 課題を可視化する
● 業務改善のゴールを決める

 

それぞれのポイントを押さえ、看護師にとって働きやすい職場にしましょう。

コミュニケーションを円滑にする

看護師同士もしくは、他職種のスタッフと正確な情報交換を行えるように、コミュニケーションが円滑であることが必須です。
コミュニケーションが不十分であると、患者さんの情報伝達ミスや誤解が生じる恐れがあります。

 

具体的には、薬剤を誤って投与したり、状態が悪化したときの治療の開始が遅れたりなど、患者さんの安全にかかわるリスクを引き起こす可能性があります。

 

円滑なコミュニケーションは、患者さんの安全を確保することにつながるといえます。また、情報の共有とフィードバックの機会を増やすことで、看護師や他職種のスタッフとの連携を促進しましょう。

意見が言いやすい環境を整える

看護業務改善において、意見が言いやすい環境を整えることはスタッフの知識やスキルを活かすうえで欠かせません。
看護師が安心して意見を出せる環境にできると、結果として患者ケアの質の向上につながります。

 

そのため、互いの意見を尊重したり気軽に話せる機会を作ったりすることが大切です。

課題を可視化する

看護の業務改善では、課題を明確にすることが重要です。
すべてのスタッフが認識を共有し、具体的な問題点を可視化できると、課題を解決するための取り組みを行いやすいためです。

 

効率的な取り組みにより、課題をより早く解決できるでしょう。

業務改善のゴールを決める

看護の業務改善では、具体的なゴール設定が必須です。
というのも、業務改善はゴールを決めにくく、取り組もうと思えばずっと取り組めるためです。

 

ゴールを明らかにできると、看護師のモチベーションが向上し部署の目標を達成できるでしょう。

5.看護師の業務改善は日々見直していくことが大切


看護師の業務改善は、幅広い業務の効率化と円滑化を図ることが大切です。
看護師にとって働きやすい環境づくりや業務の負担を減らすために、定期的に話し合って業務の内容を見直さなければなりません。

 

日々の業務に疑問を持ち、話し合えることが業務改善の第一歩。

 

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