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お役立ち 2025.07.15
ナースコールを押しても来ない理由2つ!インカム連携で変わる介護現場

「ナースコールを押したのに、なかなかスタッフが来てくれない…」
このようなご利用者からの不満を、一度は言われたことがあるかもしれません。とくに、ナースコールに関するクレームに頭を悩ませているスタッフも多いのではないでしょうか。
実は、この「ナースコールにすぐに対応できない」という課題は、ナースコールシステムとインカムの連携によって解決が期待できます。
この記事では、ナースコールが押されてもすぐに駆けつけられない原因と、インカム連携がどのように問題を解決するのかを解説します。
この記事を読み終えるころには、インカム導入によって改善された介護現場をイメージできるはずです。
▼目次
- 1.ナースコールで来ない2つの理由|現場側の視点から見た課題
- 1.ナースコールに気づかない・把握しづらい体制になっている
- 2.情報が伝わるまでにタイムラグがある<
- 2.ナースコールを押したのに「来ない」状況が引き起こす問題
- ご利用者の不安と不信感
- スタッフの業務負担の増加とストレス
- 3.ナースコールの通知を「耳」でキャッチ!介護施設でのインカム連携のメリット3つ
- 1.リアルタイムでの情報共有で迅速に対応できる
- 2.ハンズフリーで業務効率が向上する
- 3.スタッフ間の連携強化でチームケアを充実させられる
- 4.介護施設のナースコールとインカム連携の導入事例
- インカムと複数システムの連動で職員の負担とサービス向上が得られた事例
- インカムとの連動でご利用者の快適な住空間をつくれた事例
- 5.介護施設へのインカム導入で活用できる補助金
- 6.ナースコールと連携できるインカム以外の機器
1.ナースコールで来ない2つの理由|現場側の視点から見た課題
ナースコールが鳴ってもすぐに対応できないのは、以下のような背景にあります。
● ナースコールに気づかない・把握しづらい体制になっている
● 情報が伝わるまでにタイムラグがある
介護現場の現状を見ていきましょう。
1.ナースコールに気づかない・把握しづらい体制になっている
介護現場では、フロアを離れていたり、入浴介助中だったりすると、ナースコールが鳴ってもすぐに気づけないというのが現状です。
また、どこから誰が呼んでいるのかが一目でわからないシステムだと、対応の優先順位をつけるのが困難です。
「転倒してしまった」「気分が悪くなった」という緊急性の高い呼び出しなのかどうかが判断できないと、すべてのナースコールに対して同じように駆けつけるしかありません。
それが結果的に、本当に必要な場所への到着が遅れてしまう原因となります。
2.情報が伝わるまでにタイムラグがある
特定の場所でしかナースコールの情報が見られなかったり、口頭での伝達に頼っていたりすると、その分対応が遅れてしまいます。
たとえば、ナースコールが鳴っても詰所に戻って状況を確認しなければならなかったり、ほかのスタッフに口頭で状況を伝達するまでに時間がかかったりするケースがあげられます。
とくに夜間帯や緊急時など、迅速な対応が求められる場面でこのタイムラグが生じると、ご利用者の安全にかかわる重大な問題につながりかねません。
情報がスムーズに伝わらないことで「今、誰が、何をすべきか」すぐに判断できず、対応の遅れにつながります。
▼関連記事:介護施設のナースコール頻回対策3選【実践レベル別に紹介!】
2.ナースコールを押したのに「来ない」状況が引き起こす問題
ナースコールにすぐ対応できない状況は、単に「遅れた」というだけでは済まされない影響を現場にもたらします。
ご利用者とスタッフ、それぞれに及ぶリスクや負担を見ていきましょう。
ご利用者の不安と不信感
ナースコールを押すのは、何か困りごとがあったり、助けが必要なときです。
しかし、なかなか来てもらえないと「忘れられているのではないか」「自分のことを見てくれていない」といった不安や不信感につながってしまいます。
単なる待ち時間の問題だけでなく、ご利用者の精神的な負担を大きくするでしょう。
スタッフの業務負担の増加とストレス
ナースコールへの対応が遅れると、ご利用者からのクレームが増えたり、一刻を争う呼び出しに気づけなかったりするリスクが高まります。
これらは現場で働くスタッフにとって精神的なプレッシャーが大きく、業務への集中を妨げ、結果的にストレスや疲労の増加につながりかねません。
また、対応の遅れが何度も続くと「誰が対応しなかったのか」といった責任の所在が問われることもあるでしょう。
その結果、現場の雰囲気が悪くなり、スタッフ同士の信頼関係やチームの協力体制にも悪影響を及ぼしてしまう恐れがあります。
▼関連記事:介護施設における環境整備の取り組み内容や重要性とは?メリット・デメリットも解説
3.ナースコールの通知を「耳」でキャッチ!介護施設でのインカム連携のメリット3つ

ナースコールの課題を解決する手段として注目されているのが、インカムとの連携です。
視覚ではなく「耳」で通知を受け取れると、現場の反応スピードが向上します。
インカム導入による具体的な3つのメリットを見ていきましょう。
1.リアルタイムでの情報共有で迅速に対応できる
ナースコールが押されると同時に、インカムを通じてスタッフ全員に情報が共有されます。
「誰が、どこから、どのような状況で」呼んでいるのかが瞬時にわかるため、状況判断と対応が素早くおこなえます。
これにより「気づかない」「情報が伝わらない」といったタイムラグが短縮されるでしょう。
2.ハンズフリーで業務効率が向上する
インカムがあれば、両手が塞がっている介助中や移動中でも、ナースコールの情報を耳で受け取れます。
これにより、スタッフ間の連絡もスムーズになり、無駄な動きを減らして業務を効率化できます。
3.スタッフ間の連携強化でチームケアを充実させられる
ナースコールの内容に応じて、誰が対応すべきか、誰がサポートに入るべきかをインカムでリアルタイムに相談・決定できます。
とくに緊急時は、迅速な情報共有と連携がご利用者の安全を守るうえで不可欠です。
対応漏れや重複対応を防ぎ、効率的で質の高いチームケアが実現できるでしょう。
4.介護施設のナースコールとインカム連携の導入事例
実際にナースコールとインカム連携を導入した施設での変化を、2つの事例をとおして紹介します。
これらの成功例を参考に、自分の施設での導入を検討する際のヒントにしてください。
インカムと複数システムの連動で職員の負担とサービス向上が得られた事例
複数のシステムと連動させて職員の負担を軽減しながら、サービスの質も向上させた事例を紹介します。
導入前の課題 |
---|
・職員の訪室回数が多く、ナースコール対応作業が煩雑だった ・職員間のコミュニケーションにおいて、対応の「お見合い状態」といった連携の問題があった |
導入後の効果 |
・インカムとスマートフォン連動により、ご利用者の部屋番号と呼出種別が自動音声(インカム)と画面通知(スマートフォン)で一斉通知されるようになった ・優先すべき訪室の判断が容易になり、作業中でもスムーズに対応が可能になった ・インカムがスタッフ間のやり取りに活用され、対応スピードが大幅に向上した ・システム活用について推進チームで定期的に話し合い、実践と見直しを通してより効率的な使い方を模索している |
インカム連携によって得られる効果が多いことを示した事例といえます。
インカムとの連動でご利用者の快適な住空間をつくれた事例
つぎの事例では、インカム連携によってご利用者の快適な住環境づくりに成功しました。
導入前の課題 |
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・作業によって使用デバイスが異なっており、煩雑な作業がスタッフの負担になっていた ・抜本的なシステム連動の一本化によって業務負担を目指した |
導入後の効果 |
・インカムとの連動で呼出音が居室外に鳴らない仕組みができ、ご利用者にとってより快適な住空間を実現できた ・記録作業の負担が大幅に削減でき、申し送りもスムーズになった |
この事例からは、ナースコールの音を居室外に響かせない仕組みが、ご利用者の快適さの向上につながったことがわかります。
5.介護施設へのインカム導入で活用できる補助金
インカムの導入は、厚生労働省が掲げる「介護テクノロジー導入支援事業」の補助金を受けられます。
インカムにまつわる補助対象や補助額は、以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
補助対象 |
・インカム本体 ・ネットワーク構築にかかる経費 ・ICTリテラシー習得にかかる費用 |
補助額 |
・1~10人:100万円 ・11~20人:150万円 ・21~30人:200万円 ・31人~:250万円 ※職員数により変動しない場合は一律250万円 |
補助率 | 要件を満たす場合は4分の3を下限(それ以外は2分の1を下限とする) |
補助台数 | 必要な台数分 |
▼参考:介護テクノロジー導入支援事業|厚生労働省
ナースコールとインカムの補助金について、さらに詳しく知りたい看護師は、ケアコムのホワイトペーパーが役立ちます。
無料で入手できますので、どうぞご活用ください。
▼ナースコールの導入・お取り替えで 活用できる補助金情報
▼関連記事:介護現場のDXとは?導入のメリット4つと事例、受給できる補助金を解説
6.ナースコールと連携できるインカム以外の機器
ナースコールの利便性を高める方法は、インカムの導入だけではありません。
ここでは、インカム以外に注目したい連携機器を紹介します。
スマートフォン
スタッフのスマートフォンにナースコール情報を直接通知する機能は、多くの施設で導入が進んでいます。
どこにいても詳細な状況を把握でき、対応が必要な際は素早く行動に移れます。
スマートフォンのカメラ機能と連携して現場の状況を共有したり、ほかのスタッフと内線のように通話したりすることも可能です。
固定の受信機に縛られることなく、より柔軟に対応できるようになるでしょう。
見守りシステム
ベッドセンサーや人感センサーなどの見守りシステムと、ナースコールを連携させることで、ご利用者の安全を強化できます。
たとえば、ベッドからの離床を感知したり、一定時間動きがない場合に自動でナースコールを発報したりすることが可能です。
これにより、以下の効果が期待できます。
● 転倒リスクの早期発見
● 夜間の無用な巡回の減少
● 訪室回数削減
ナースコールが鳴る前に異変を察知できるため、人員を割くことなくご利用者の安全を守れます。
介護ソフト・介護システム
ナースコールの対応履歴や、ご利用者の状態変化に関する情報を介護ソフトや介護システムと連携させることで、情報管理の手間を削減できます。
ナースコール対応の自動記録や、対応後の申し送り事項をスムーズに入力できる機能など、紙媒体での記録作業を減らし、データにもとづいたケアプラン作成をサポートします。
これにより、スタッフは記録業務に割く時間を減らし、ご利用者との直接的なコミュニケーションやケアに集中できるようになるでしょう。
▼ケアコムの要介護・看護型施設向けナースコールシステムについて、詳しくはこちらの製品ページをご覧ください。
7.ナースコールを見直すならインカム連携を選択肢にいれましょう

「ナースコールを押したのに来ない」という課題は、ご利用者の不満だけでなく、現場で働く看護師のストレスにもつながります。
インカム連携をはじめとした最新のナースコールシステムの導入は、これらの問題を根本的に解決し、より安全で質の高い介護現場を実現するための大切な一歩です。
現在のナースコールシステムに課題を感じている看護師は、ぜひインカム連携を含めた新しいシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。