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お役立ち 2022.09.01
ナースコールの疑問を一挙に解決。基本的な使い方を振り返ろう
看護師さん・介護士さんにとっては使い慣れたナースコール。今やほとんどの病院や介護施設で導入されており、中にはスマートフォン連携や離床センサーとの連動など、施設内のあらゆるシステムとつながるものまであります。
しかし患者さん・ご利用者にとっては、入院・入居しない限りめったに触れる機会のない存在。その為、いざ使うタイミングが来た時に「どういう時にどうやって使うんだろう?」「どうしてナースステーションにいる看護師さんと通話ができるんだろう?」などと、看護師さん・介護士さんが当たり前だと思っている点に疑問を抱くことも。
看護師・介護士の皆さんは患者さん・ご利用者の「どうやって」「どうして」に気づいていますか?ナースコールの基本的な使い方を振り返り、患者さん・ご利用者の疑問や不安に思うポイントを確認していきましょう。
▼目次
1.ほとんどの患者さん・ご利用者はナースコールの使い方を知らない!
病院や介護施設を利用する機会があまりない人は、ナースコールを使うことがほとんどありません。その為、患者さん・ご利用者の中には「困った時に呼ぶもの」ということしか知らない人も。はじめて入院・入居される方へナースコールの使い方を説明する時は、基本的な仕組みや呼出の流れも含めて伝えることが大切です。
しかし現在のところ、基本的な使い方までしっかりと説明している病院・介護施設はあまり多くないのが実情のようです。インターネットで全国の病院・介護施設のホームページを検索し、無作為に抽出した10施設の「入院・入居時の持ち物やルールなどをまとめたご案内ページ」を確認すると、そのうち8つの病院・介護施設が「ナースコールは必要な時に押してください」といった簡単な説明のみとなっていました。残る2つも、ナースコールを押してからケアまでの細かな流れについては説明されておらず、患者さん・ご利用者が、どういうときにどう使うものなのかをきちんと理解できる内容になっているとは言いきれません。
実際に患者さん・ご利用者へ入院・入居の案内をしている看護師・介護士の皆さんは、ナースコールの使い方に関する患者さん・ご利用者の疑問や不安をすべて解消できていますか?患者さん・ご利用者が安心して療養生活を送れるか否かは、最初にナースコールの説明を行う看護師さん・介護士さんにかかっていると言っても過言ではありません!
2.ナースコールの呼出ボタンを押すとどうなるの?ナースコールの仕組みを解説
①病室・居室から呼出
患者さん・ご利用者が、ナースコール子機に付いている呼出ボタンを押します。
②-1.ナースコール親機とハンディナースコールへ通知
ナースステーションに設置されたナースコール親機と、看護師さん・介護士さんが持ち歩いているハンディナースコール(ナースコール連携が可能なスマートフォンやPHS)に通知が入ります。ハンディナースコールは、病院・施設の無線サービスエリア内であればどこでも呼出を受け取れる為、ナースステーションに人がいなくても呼出を取り損ねる心配がありません。
※ナースコール設備によっては、ハンディナースコールシステムとの連動に対応していない場合もあります。
②-2.廊下灯が点灯
ナースコール親機・ハンディナースコールへの通知と同時に、病室や居室の出入口の近くに設置された廊下灯が点灯し、呼出をお知らせします。遠くからでも呼出のあった病室や居室が分かるので、ケアに向かう際の目印にもなります。
③患者さんと通話し、ケアを開始
看護師さん・介護士さんが応答すると、ナースコール親機またはスマートフォン・PHSと、患者さんのナースコール子機で相互通話ができます。通話で呼出理由などを確認した後、患者さん・ご利用者のもとへ駆けつけ、ケアを開始します。
※ナースコールシステムの種類によっては、相互通話に対応していないものもあります。
※呼出理由とは、患者さん・ご利用者がナースコールを鳴らした理由のことを指します。
療養生活の中で最も多い呼出が、介助のお願いや質問があるときなどの「一般呼出」。「傷口が痛むので薬が欲しい」「検査が何時から始まるのか知りたい」など、大体の困りごとや用事はこの呼出の流れに沿って看護師さん・介護士さんへ伝えられます。
また、一般呼出よりも頻度は少ないですが、トイレに設置された呼出押ボタンを押すことで呼出がかかる「トイレ・浴室呼出」など、他にも様々な種類の呼出があります。一般呼出以外の流れについても振り返り、患者さん・ご利用者が「どういう時にどうやって使うの?」と感じるポイントがないかを確認してみてはいかがでしょうか?
3.ナースコールにまつわる素朴な疑問を総まとめ
患者さん・ご利用者がナースコールに抱いている疑問は、ナースコールを押したときの流れについてだけではありません。ここでは看護師さん・介護士さんが見逃してしまいがちな、ナースコールにまつわる「患者さん・ご利用者の素朴な疑問」と「疑問解決につながるケアコムからの提案」をご紹介します。看護師・介護士の皆さんはケアコムからの提案を参考に、自分たちの施設ならどんな解決策があるだろう……と検討してみてください!
【疑問1】もし自分の呼出が他の患者さんの呼出と重なったら?(優先着信について)
「同じタイミングで他の患者さんも呼出したら、先に押した人の通話が終わるまでつながらないのかなぁ。急いでお願いしたいことがある時につながらなかったら困るなぁ」
ケアコムからの提案は…
呼出した順ではなく優先度順で通話がつながることを伝えましょう!
通常、ナースコールは呼出があった順につながります。しかし施設によっては、複数の呼出が重なったとき、命の危険につながりかねない緊急度の高い呼出が優先的につながる設定になっていることも。呼出は応答するまで続くので、たとえ他のナースコールが先につながったとしても安心して待っていて大丈夫と伝えてあげましょう。
※ナースコールシステムの種類によっては、優先度の高い呼出から通話がつながる機能はありません。
[看護師さん・介護士さんへの+α情報]
複数のスタッフが同時に通話できるものから、同じタイミングで通話できるのは1人だけのものまで、回線の数はナースコールシステムによって様々。複数人が同時に通話できないナースコールシステムを使っている場合には、患者さん・ご利用者に待たせる可能性が高いことも伝えてあげると良いですね!
ハンド形子機を使用している場合
ハンド形子機にはマイク・スピーカー機能が備わっています。ベッドの枕元もしくは壁側にあるハンド形子機に耳を傾けると良いことを伝えましょう。
ハンド形子機を使用していない場合
握り押ボタン(写真左)にはマイク・スピーカー機能が付いていないことが多い為、壁に埋め込まれた壁埋込形子機(写真右)で通話することを伝えましょう。
[看護師さん・介護士さんへの+α情報]
ナースコールの親機の種類によっては、患者さん・ご利用者ごとにスピーカーの音量を調整できる機能があります。対応している親機をお使いの場合はぜひ活用してみてください。
握る・触れる・息を吹きかける・声を出すなど、押すという動作以外の方法でナースコールができる子機が様々あります。また、強く押せない患者さん・ご利用者の利用を想定した、弱い力で呼出がかかるナースコール子機もあり、どんな患者さん・ご利用者も安心して呼出せる環境づくりが可能です。
声・息・動く・タッチの4つの呼出方法から選べるマルチケアコール(左上写真)、足で呼出せる機能障害者用押ボタン(右上写真)、弱い力でも呼出せるソフトタッチボタン(下写真)
[看護師さん・介護士さんへの+α情報]
「一般的なナースコール子機しか置いていない」という施設にオススメなのが、ナースコール子機に取り付けるだけで呼出方法の幅を広げられるアタッチメント。握って呼出す「グリップ形」と、ボタン部が大きくなるため手を動かしづらくても押せる「プレス形」の2種類をご用意しています。新しいナースコール子機を購入するよりも安価で済むので、導入しやすいのではないでしょうか。
▼まだまだたくさんある子機サポート製品で、子機をもっと使いやすく!
4.看護師さんも意外と知らない⁉ 「無線ナースコール子機」とは?
無線タイプの一番の特徴は、患者さん・ご利用者に携帯してもらうことで部屋のどこからでも呼出できる点です。「どこでも呼出せる」という安心感は、心安らぐ療養生活にもつながります。
また、コードがない分、簡単に設置できるという特徴もあります。無線式は単体で使うのではなく、相互通話ができ、より高い信頼性を誇る有線式との併用が前提となるため、施設内をよく歩き回る患者さん・ご利用者がいらっしゃる場合には、新たに無線ナースコール子機を追加してみてはいかがでしょうか。
▼無線押ボタンシステムには患者さん・ご利用者が安心して呼出せる工夫がたっぷり!