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お役立ち 2025.02.28
ナースコールが故障する原因は?やるべき3つのことと鳴りっぱなしの対処法

「ナースコールが鳴りっぱなしで困っている」
「ナースコールが故障したとき、どこをチェックしたらいい?」
ナースコールは、患者さんと医療スタッフをつなぐ重要なツールです。
しかし、いざ故障したときにどう対処したらいいか迷う看護師の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事ではナースコールが故障する原因や、スムーズに対応するための具体的な対処法をくわしく解説します。
故障を予防する方法についても説明していますので、患者さんの安全を守るためにぜひお役立てください。
▼目次
- 1.ナースコールが故障する原因
- システムやアンテナの不具合
- コードの破損
- コネクタの故障
- ハンディナースコールの故障
- 壁のハンド形子機コンセント・壁埋込形子機の故障
- 2.ナースコールが故障したときに看護師がすぐにすべき3つのこと
- 代替手段の準備
- 患者さんへの説明
- スタッフの連携
- 3.ナースコールの故障時におこなうべき対策
- ナースコールの故障の原因を突き止める
- ナースコールの修理を依頼する
- 4.「ナースコールが鳴りっぱなし」は故障?壊れた3つのサイン
- ボタンを押しても鳴らない
- PHS・スマートフォンにのみ通知が表示されない
- ナースコールが鳴りっぱなしになる
- 5.ナースコールの故障を予防する方法
- 定期点検を受ける
- ナースコールをバンドやホルダーで固定する
- 無線のナースコールへの変更を検討する
- 6.ナースコールの故障は早めの対応が必要
1.ナースコールが故障する原因
ナースコールの故障の原因として、以下があげられます。
● システムやアンテナの不具合
● コードの破損
● コネクタの故障
● ハンディナースコールの故障
● 壁のハンド形子機コンセント・壁埋込形子機の故障
一つずつ見ていきましょう。
システムやアンテナの不具合
ナースコールシステムに接続されているアンテナや受信機に不具合があると、コール信号が正しく伝達されずナースコールがうまく通知されません。
とくに通信がワイヤレスの場合、ほかの通信機器の影響や壁・ものによる電波の妨げが原因の可能性があります。
電波の妨害が起こりやすい場所は、以下のとおりです。
● ユニットやナースステーションの壁
● 居室をつなぐ廊下とユニットの壁
PHSのアンテナが正常で、エラーも発生していない場合は、ナースコールシステムそのものに問題があると推測できます。
コードの破損
配線が断線したり摩擦で傷がついたりすると、ナースコールが正常に作動しなくなることがあります。
とくに、せん妄や認知症を患っている患者さんが興奮してナースコールを強く引っ張ることで発生しやすいです。
そのため、ナースコールが過度に引っ張られないような工夫が必要です。
コネクタの故障
ナースコールのコードが接続されるコネクタ部分がはずれたり、傷んだりしていると、ナースコールの信号が伝わらないことがあります。
経年劣化による接触不良や漏電によるものの可能性が考えられ、漏電の場合は専門業者による修理が必要です。
ハンディナースコールの故障
ナースコールの通知がハンディナースコール(PHS・スマートフォン)に表示されない場合は、PHSの故障が疑われます。
● 音声が聞こえない
● PHS・スマートフォンの液晶画面が映らない
● PHS・スマートフォンのボタンが反応しない
複数台のPHS・スマートフォンでナースコールが通知されないときは、ほかの原因が考えられます。
不具合が生じているものだけでなく、ほかの端末の状況も確かめましょう。
壁のハンド形子機コンセント・壁埋込形子機の故障
ハンド形子機や握り押ボタンを押しても反応しない場合は、正常に動作している別のハンド形子機や握り押ボタンと交換して試してみると原因を特定しやすくなります。
もし交換したハンド形子機や握り押ボタンでも呼出ができない場合は、壁側のハンド形子機コンセント・壁埋込形子機が故障しているかもしれません。
一方で交換したハンド形子機や握り押ボタンが正常に動作した場合は、交換する前のハンド形子機や握り押ボタン自体に問題があると考えられます。
2.ナースコールが故障したときに看護師がすぐにすべき3つのこと
ナースコールは患者さんと医療スタッフをつなぐツールの一つで、安全を確保するために欠かせません。
そのため、以下を早急におこなう必要があります。
● 代替手段の準備
● 患者さんへの説明
● スタッフの連携
ナースコール故障時に迅速に対応できるよう、あらかじめ対策を知っておきましょう。
代替手段の準備
ナースコールに代わる手段をすぐに準備して、患者さんの安全を確保しましょう。具体的な方法は、以下を参考にしてください。
● 巡回の頻度を増やす
● 予備のナースコールを使用する
● ベルやブザーなど一時的な呼出装置を設置する
故障の原因によって、予備のナースコールで改善できない場合もあります。
あらかじめスタッフ間で対策を話し合っておくと、いざというときも安心です。
患者さんへの説明
ナースコールの故障を患者さんに説明し、どのように連絡をとるかを伝えます。
少しのトラブルが不安を増強させる要因となりかねないため「こまめに来ますから安心してくださいね」と患者さんが安心できる声がけをおこないましょう。
スタッフの連携
ナースコールが故障すると患者さんからの緊急呼出が届かず、対応が遅れるリスクがあります。
そのため、スタッフ全員に故障の状況を共有し、応急対応の役割分担を明確にしましょう。
インカムや無線機を使用している場合は「〇号室問題ありません」「〇〇にいます」など、異常がなくてもスタッフの配置がわかるようなコミュニケーションが効果的です。
3.ナースコールの故障時におこなうべき対策

ナースコールが鳴りっぱなし、押しても反応しないなど故障が疑われるときは、以下の対処法をおこないましょう。
● ナースコールの故障の原因を突き止める
● ナースコールの修理を依頼する
それぞれ解説します。
ナースコールの故障の原因を突き止める
故障の原因を素早く突き止めるために、まず以下の箇所を確かめてください。
● ナースコールのボタンの状態
● 壁に設置されたハンド形子機コンセント・壁埋込形子機の作動状況
● ハンド形子機・握り押ボタンをつなぐコードの異常の有無
これらの問題は、予備のナースコールへの交換で解決する場合もあります。
ナースコール本体やコード、接続部分に異常が見当たらなければ、システムやアンテナにトラブルが生じているかもしれません。看護師では対処が難しいため、担当者に修理を依頼しましょう。
ナースコールの修理を依頼する
ナースコールの交換で直らないときは、院内の担当者に修理を依頼しましょう。
修理担当者に報告するときは、以下の情報を伝えるとスムーズに依頼できます。
● 故障の症状
● 発生した日時
● ナースコールの型番
● 確認した箇所と状態
小さい規模の病院では、看護師が直接メーカーに問い合わせる場合もあります。
ナースコールのメーカーには修理専用の問い合わせ窓口が用意されていることが多いため、メーカーのホームページや取扱説明書を参考に、修理依頼をしましょう。
4.「ナースコールが鳴りっぱなし」は故障?壊れた3つのサイン
ナースコールが壊れたサインとして、以下があげられます。
● ボタンを押しても鳴らない
● PHS・スマートフォンにのみ通知が表示されない
● ナースコールが鳴りっぱなしになる
一つずつ見ていきましょう。
ボタンを押しても鳴らない
ボタンを押してもナースコールが鳴らないときは、以下の原因が考えられます。
● ボタンの接触不良の故障
● コードやコネクタの問題
ほかの部屋のナースコールが正常に動作していたら、ナースコール機器の故障の可能性が高いです。
予備のナースコールと交換してみましょう。
PHS・スマートフォンにのみ通知が表示されない
ナースコールが親機(ナースステーションに設置される本体)で鳴っているにもかかわらずPHS・スマートフォンに通知が届かない場合、システムの接続不良やPHS・スマートフォンの故障が疑われます。
ほかのPHS・スマートフォンで同じような不具合が生じていないかを確かめましょう。
● 1つのPHS・スマートフォンのみ:端末の故障
● 複数のPHS・スマートフォンで不具合:アンテナまたはシステムの問題
複数のPHS・スマートフォンでトラブルが起きている場合は看護師では対処できません。患者さんの安全を確保するためにも、すぐに修理を依頼しましょう。
ナースコールが鳴りっぱなしになる
ナースコールが鳴りっぱなしになっている場合、以下の可能性があります。
● システムのエラーが起きている
● 機械内部の配線が壊れている
● ボタンが押しっぱなしになって戻らない
別の場所で起きた水漏れによって基盤が腐食し、ナースコールが鳴りやまなかった事例もあります。
ナースコールのボタンや見た目に異常がないときは、担当者に対応をお願いしましょう。
5.ナースコールの故障を予防する方法
ナースコールの故障を予防するためには、定期点検を受けることが大切です。 ナースコールの落下や破損を防ぐために、ナースコール専用のサポート製品を活用しましょう。 コードやコネクタなどの破損が多い場合は、無線のナースコールへの変更で故障を予防できます。
ナースコールの故障を予防する方法は、以下のとおりです。
● 定期点検を受ける
● 子機をクリップやホルダーで固定する
● 無線のナースコールへの変更を検討する
ナースコールの故障をくり返すと、患者さんからの信頼が低下する原因になりかねません。
しっかり予防策をとりましょう。
<h3>定期点検を受ける
専門の業者がチェックリストに沿って診断し、故障に至る前に部品を交換してくれます。とくに配線や基盤の状態は、専門家でないと判断が難しいです。
定期点検を受けていない場合は、メーカーに相談するとよいでしょう。
ナースコールを定期点検しないと陥るリスクについて、詳しく解説しています。ぜひご覧ください!
【無料】資料をダウンロードするナースコールをバンドやホルダーで固定する
たとえば、以下の商品があげられます。
● ナースコールバンド:子機のコードをサイドレールに固定し、断線や落下を防止
● 握り押ボタンホルダー:握り押ボタンを手やサイドレールに固定し、操作を補助
● ベッドハンガー:子機をサイドレールやベッドボードに吊り下げ、安全に設置
これらの製品を使用して固定できれば、コードやコネクタ、ナースコール本体が壊れるリスクを軽減できます。
ケアコムのサポート製品はこちらをご覧ください。
ケアコムのサポート製品を詳しく見る無線のナースコールへの変更を検討する
コードや配線が引っかかったり、強く引っ張られたりすることがなくなるため、断線や接続部分の破損などの心配が少なくなります。
コードレスであることからベッドの配置も自由にでき、患者さんの安全性に配慮した室内のレイアウトが可能になることも魅力です。
無線ナースコールに関しては下記で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
▼関連記事:無線ナースコールとは?介護施設や病院で導入する4つのメリットを解説
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6.ナースコールの故障は早めの対応が必要

ナースコールの故障は、放置すると患者さんの安全に重大な影響をおよぼす可能性があります。
早期に原因を突き止めて対応することで、患者さんの安全を守れます。
患者さんの安全確保のためにも定期的にメンテナンスを受け、トラブルの兆候に早期に気づけるようにしておきましょう。
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