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離床センサーとは?種類や看護・介護の際の注意点を解説!
離床センサーは、患者さん・ご利用者の転倒・転落や徘徊による離棟の予防に用いられます。多くの病院や介護施設では、離床センサーを導入し、患者さん・ご利用者の危険リスクを回避し安全対策をしています。離床センサーは様々な種類や機能があり、患者さん・ご利用者に合わせて選択することが可能です。
この記事では、離床センサーの種類から選び方、注意点を解説していますので、患者さん・ご利用者の転倒・転落徘徊の予防に活用してください。
▼目次
1.離床センサーとは
2.離床センサー8つの種類
まずは離床センサーの種類について、8つに分けてそれぞれ説明していきます。
ベッドセンサー
ベッドセンサーは、ベッドマットレスの上に設置するセンサーです。背中の辺りにセンサーを設置し、起き上がりの動作で荷重がされなくなると、センサーがナースコールに連動します。ベッドのシーツの下に設置するので患者さん・ご利用者の寝心地に影響がなく、転倒・転落を予防することが可能です。
ピローセンサー
ピローセンサーは、枕と同様の大きさで枕の下に敷くタイプのセンサーです。枕から頭が離れるとセンサーが反応し、ナースコールに連動します。ピローセンサーは、転倒・転落の予防だけでなく、術後や心疾患などの絶対安静を必要とする方が体動の制限を行う目的でも使用することがあります。
クリップセンサー
クリップセンサーは、患者さん・ご利用者の衣服の襟などにクリップを付け、クリップと紐が接続している部分が抜けると、ナースコールに連動するセンサーです。主に病院で導入されている離床センサーで、患者さん・ご利用者が起き上がる動作でセンサーが反応します。注意点として、クリップを外したり、紐を引っ張ったりしてしまう患者さん・ご利用者への使用はおすすめできません。
タッチセンサー
タッチセンサーは、ベッド柵に触れるまたは握るとセンサーが反応するタイプです。センサーは、ベッド柵が握れるように直接設置します。ベッド柵につかまりながら起き上がり座位は安定するも、立位が不安定な患者さん・ご利用者に用いられることが多くあります。
超音波・赤外線センサー
超音波・赤外線センサーは、超音波や赤外線で人の動きを検知し、センサーがナースコールに連動します。患者さん・ご利用者の状態に合わせて、ベッドの周辺や居室の出入り口など、設置する場所を変えることができます。ベッドセンサーより高い価格が設定されています。
ベッドサイドセンサー
ベッドサイドセンサーは、ベッドの端の降り口にセンサーパットを敷くセンサーです。患者さん・ご利用者が起き上がってベッドの端に移動すると荷重がかかり、センサーがナースコールに連動します。注意点として、ベッドサイドセンサーの設置の向きや置き方を誤ると、センサーが察知しないことがあります。
マットセンサー
マットセンサーは、足元に設置するタイプのセンサーで、荷重がかかるとナースコールに連動します。歩行が安定し、離床による離棟を予防する目的で使用されることが多く、ベッドサイドの足元や居室の出入り口に設置しています。注意点は、医療スタッフや他の患者さん・ご利用者が誤ってセンサーを踏んでも、センサーが反応してしまうことです。
車イス・トイレコール
車イスの座面やトイレにも離床センサーはあります。車イスは、座面にセンサーマットを敷き、患者さん・ご利用者が車イスから離れ、荷重がされなくなるとセンサーが反応する仕組みです。トイレは赤外線センサーを設置し、患者さん・ご利用者が便座から離れるとセンサーが反応します。
ここでは、8つの離床センサーを紹介しました。患者さん・ご利用者の状態に合った離床センサーを選び、転倒・転落や離床を予防しましょう。
3.離床センサーを選ぶポイント
ベッドからの転倒・転落を予防する
ベッドからの転倒・転落を予防するためには「ベッドセンサー」「タッチセンサー」「ベッドサイドセンサー」が良いでしょう。
患者さん・ご利用者は、自分で起き上がれるも端座位や立位までに時間を要するので、センサー反応後に看護師が駆けつけることが可能です。ナースコールを使用することに抵抗を感じている患者さん・ご利用者も使用しやすいセンサーです。
体動が激しい
体動が激しい場合は、転倒・転落のリスクも高いため、危険を早期に察知しやすい「ピローセンサー」「クリップセンサー」「超音波・赤外線センサー」を推奨します。
患者さん・ご利用者が起き上がった時点でセンサーが反応するので、ベッド上での端座位や立位からの離床を防止しやすくなります。超音波・赤外線センサーは、頭側のベッドサイドに設置すると、起き上がり動作を察知しやすいでしょう。
体動でセンサーが頻繁に鳴って困る
体動でセンサーが頻繁になって困る場合は「タッチセンサー」「クリップセンサー」を推奨します。
これらは、患者さん・ご利用者が起き上がった時点でセンサーが反応するため、その他の動作ではセンサーが反応しにくく、頻繁にセンサーが鳴ることを防止することが可能です。
徘徊につながる離床の予防
離床を予防するためには「超音波・赤外線センサー」「マットセンサー」が好ましいでしょう。
徘徊のリスクがある患者さん・ご利用者は、歩行は安定しており転倒・転落のリスクが低いものの、居場所が分からなくなるケースが多いです。ベッドサイドや病室の出入り口にセンサーを設置し、離床をすばやくキャッチしましょう。
ナースコールを使わずに動く
離床センサーを利用している患者さん・ご利用者は、ベッドやベッドサイドに離床センサーが設置されているため、ナースコールを使用しないことが多いです。そのため、ベッドサイド以外の場所でも離床センサーが必要となります。
ベッドサイド以外は、転倒リスクの高い車イスやトイレなどの場所にセンサーが必要です。車イスの座面センサーやトイレのセンサーを使用しましょう。
転倒・転落・徘徊を予防するために、患者さん・ご利用者の動作の状態を把握し、適切なセンサーを選びましょう。
4.離床センサーの注意点
離床センサー使用時の注意点として、患者さん・ご利用者の状態に適しているか、正しい設置をしているか、作動確認や離床センサーの認識などが挙げられます。
患者さん・ご利用者の状態は、日々変化します。そのため、入院時だけでなく、その後も状態に適した離床センサーが使用されているかのアセスメントを継続しましょう。
離床センサーが正しく設置されていないと、患者さん・ご利用者の転倒・転落につながることがあります。定期的に設置確認と正しく作動しているかを確認しましょう。
離床センサーが頻回に鳴る患者さん・ご利用者もいますが、重大なインシデントに繋がる可能性があるため、離床センサーが鳴ったら必ず病室に向かいましょう。
介護施設のナースコールの頻回対策についてはこちらで詳しく解説しています。併せてご覧ください。