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お役立ち 2026.06.18

介護施設で想定すべき3つの緊急時とケース別フローチャートを徹底解説!

介護施設では、ご利用者の急な状態変化や事故、災害など、さまざまな緊急事態が発生します。
適切な初動対応とスタッフ間の迅速な連携が、ご利用者の生命と安全を守るポイントです。
 
この記事では、介護施設で想定すべき3つの緊急時とケース別の対応フローチャート、スムーズな対応を実現するための設備整備を解説します。

▼目次

1.介護施設で想定すべき「緊急時」の3分類

介護施設における緊急時とは、ご利用者の生命や身体の安全に重大な影響を及ぼす可能性があり、迅速な判断と対応が求められる事態を指します。
 
その場面として、以下の3つに大別されます。
 
● 医療・健康・事故
● 感染症・自然災害
● 防犯・安全管理
 
想定される場面や連携体制について、それぞれみていきましょう。

医療・健康・事故

急な体調悪化や事故などは、ご利用者の生命にかかわる緊急事態です。
おもに、以下のような場面が該当します。
 
● 急な体調悪化や意識障害
● 転倒・骨折
● 誤嚥・窒息
● 入浴中の異変
● 服薬ミス
 
初期対応の速さと医療機関との連携が重要であり、バイタルサインの確認、救急要請の判断、ご家族への連絡など、迅速な対応が求められます。

感染症・自然災害

感染症や自然災害は突然起きるうえに被害が広がりやすく、組織的対応が必須となる緊急事態です。
 
感染症の集団発生、食中毒、火災、地震、ライフライン障害などが該当します。
BCP(事業継続計画:災害時でも事業を継続するための計画)の発動基準を明確にし、情報共有と役割分担を迅速におこなうことが重要です。
保健所や消防、行政機関との連携も必要となります。
 
▼関連記事:介護施設の防災マニュアルに取り入れたいポイントや災害時の備えについて解説

防犯・安全管理

介護施設では、防犯や安全管理に関する緊急事態も想定しておく必要があります。
 
不審者侵入やご利用者の無断外出・行方不明、スタッフへの暴言・暴力などは、スタッフやほかのご利用者の安全に大きく影響するためです。
こうした事態を想定し、あらかじめスタッフの判断基準や通報手順、ご利用者を安全な場所へ誘導する動線などを整理しておくことが重要です。
 
あわせて、警察や地域との連携体制も整え、緊急時に組織として対応できる環境を構築しておきましょう。

2.【ケース別】介護施設の緊急時の基本対応フローチャート

緊急時の対応は、発見から記録まで一連の流れを「誰が見てもわかる形」で示しておくことが重要です。
 
ここでは、3つの分類別に基本的な対応フローを解説します。

急変・誤嚥など命にかかわる事態への対応

ご利用者の急変時は、初動の速さが生命を左右します。以下のフローに沿って、迅速かつ確実に対応しましょう。
 

ステップ 対応内容 連携のポイント
1.異常の発見・状況確認 意識・呼吸・出血の有無を確認
2.応援要請・対応可否判断 複数人での対応体制を確保、施設スタッフで対応可能か判断 ナースコールやスマートフォンで即座に連絡
3.管理者・看護職へ報告 5W1Hで状況を簡潔に報告 スマートフォンで即座に連絡
4.指示に従い救急要請・医療機関連絡 119番通報または#7119相談 管理者・医師の指示
5.家族への連絡 状況と今後の対応を説明 家族対応の窓口を一本化
6.記録作成 対応内容・時系列・判断根拠を記録 事故報告書・介護記録に記載

 
▼参考:高齢者施設における救急対応マニュアル作成のためのガイドライン|救急・災害医療|東京都保健医療局
 
ナースコールやスマートフォンを活用した迅速な応援要請の体制を整備し、一人で抱え込まず複数人で対応できる環境を作ることが重要です。

感染症発生時の対応

感染症は短時間で施設全体に広がるリスクがあるため、初期の隔離と情報共有が被害拡大を防ぎます。
 

ステップ 対応内容 連携のポイント
1.異常の把握 有症状者の多発、感染症の疑い
2.隔離・動線分離 症状者の個室隔離、動線分離 役割分担して対応
3.管理者・看護職へ報告 管理者・看護職へ即座に報告、対応方針確認 スマートフォンで緊急連絡
4.消毒・拡大防止策の実施 消毒、感染対策の徹底
5.家族への連絡 全スタッフ・家族への情報提供 一斉連絡機能の活用
6.保健所・医療機関連絡(必要時) 保健所・協力医療機関へ連絡

 
▼参考:介護現場における感染対策の手引き|厚生労働省
 
スマートフォンの一斉送信機能を使用すれば、感染対策のルールや症状のチェックポイントを瞬時に伝えられるため、感染拡大防止に役立つかもしれません。

火災・自然災害からの避難

災害時は被害が拡大しやすいため、スタッフ全員への迅速な情報共有と組織的な対応が不可欠です。
 

ステップ 対応内容 連携のポイント
1.異常の把握 火災報知器作動・揺れ発生の確認
2.被害拡大防止 初期消火・ガス元栓閉鎖・避難経路確保 役割分担して対応
3.管理者報告・BCP発動 BCP発動の判断 スマートフォンで緊急連絡・一斉送信
4.安否確認・避難誘導 利用者・スタッフの安否確認、利用者を安全な場所へ誘導 車椅子・寝たきりの方の搬送方法
5.外部機関への連絡 消防(119番)・警察(110番)・行政へ連絡
6.家族連絡 家族へ連絡

 
▼参考:介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン|厚生労働省
 
スマートフォンの一斉送信機能やグループ通話などの活用によって、全スタッフに瞬時に状況を伝えられるような組織的な対応が必要となります。

徘徊・行方不明などへの安全確保

ご利用者の行方不明時は時間との勝負です。発見が早いほど事故のリスクは下がるため、迅速な捜索体制が重要です。
 

ステップ 対応内容 連携のポイント
1.利用者不在の確認・施設内捜索 施設内の捜索、最終目撃時刻・場所確認
2.管理者への報告 即座に報告し指示を仰ぐ スマートフォンで即座に連絡
3.家族・警察へ報告 家族に報告し、了承を得て警察などに連絡
4.施設外の捜索開始 施設周辺・よく行く場所・自宅方面を捜索 複数チームで分担
5.発見後の対応 利用者を保護、健康状態確認 再発防止策の検討
6.事故発生の記録と分析 離設に至る経緯や本人の状況など一連の流れを記録し、会議などで分析

 
場合によっては、警察への通報も必要です。
 
報告や通報タイミングを迷わないためにも、一目で理解できるフローチャートを準備しておきましょう。

3.介護施設の緊急時の対応で大切なこと

緊急時の対応フローを整備するだけでは不十分です。実際に機能させるためには、組織文化と日常的な仕組みづくりが欠かせません。
 
ここでは、緊急時の迅速な対応を支える4つの要素を解説します。

「一人で抱え込まない」文化と仕組み

緊急時は、現場スタッフが1人で判断や対応を抱え込まないことが重要です。
 
とくに夜勤帯や少人数体制では、応援要請の遅れが重大事故につながる可能性があります。
 
「困ったらすぐ相談する」「迷ったら報告する」という行動指針を職場全体で共有し、ナースコールやスマートフォンなどで即座に連絡できる環境を整えましょう。

判断基準の「標準化(見える化)」

緊急時は、誰が対応しても同じ判断ができるよう基準をはっきりしておくことが重要です。
 
たとえば「意識がない場合は119番」「SpO2が90%以下なら看護師へ連絡」など、フローチャートやチェックリストに記載しましょう。
判断基準を見える化することで、新人スタッフでも迷わず行動しやすくなります。

即時の記録と正確性

緊急時の対応内容は、できるだけその場で記録することが重要です。
 
時間が経つと記憶が曖昧になり、対応内容や時系列にズレが生じやすくなるためです。
 
記録は、ご家族への説明や事故報告、再発防止策の検討などにも活用します。
残すべき記録項目を標準化して、必要な情報を漏れなく残せるようにしましょう。

スタッフへの精神的ケアと振り返り

緊急対応を経験したスタッフは、強いストレスや不安を抱えることがあります。「自分の判断は正しかったのか」と悩むケースも少なくありません。
 
対応後は管理者や看護職がフォローし、心理的負担を軽減することが重要です。
 
また、事例を振り返り「何が良かったか」「次回はどう改善するか」を共有することで、組織全体の対応力向上につながります。

4.介護施設の緊急時対応をスムーズにするための取り組み

緊急時対応では、スタッフが「すぐに状況を共有できる」環境を整えることが重要です。
 
とくに介護施設では、夜勤帯や少人数体制となる場面も多く、情報共有の遅れが重大事故につながる可能性があります。
ここでは、介護施設の緊急時対応をスムーズにするためのおもな取り組みを解説します。

ナースコール・スマートフォン連携による迅速な通報体制

従来のナースコールは、受信場所が限られ、スタッフが離れていると気づくのが遅れる課題がありました。
 
たとえば、ケアコムのハンディナースコールシステムでは、スマートフォンへ通知が届くため、スタッフがどこにいても迅速に対応できます。
 
呼出ボタンを押すと、ナースコール親機とのタイムラグもなく、スタッフが持つ複数のスマートフォンへ同時に呼出がかかることも特徴の1つです。
 
ケアコムのハンディナースコールシステムをみる

映像・バイタルサインデータのリアルタイム共有

緊急時は、現場の状況をできるだけ早く正確に把握することが重要です。
 
情報共有が遅れたり内容にズレが生じたりすると、応援要請や医療的判断が遅れ、重症化につながる可能性があるためです。
カメラ映像をスマートフォンでリアルタイム確認できれば、管理者や看護師は現場到着前に状況を把握しやすくなります。
 
また、見守りセンサーと連携することで、離床や転倒の予兆を検知し、事故発生前の対応にもつなげられます。
バイタルサインデータもスマートフォンやタブレットで即時共有できるため、情報伝達の遅れ防止に役立つでしょう。
 
ケアコムの見守りカメラをみる
ケアコムの離床センサーをみる

インカム・音声入力によるハンズフリー対応

緊急時は、ご利用者の対応で両手がふさがり、スマートフォン操作が難しい場面も少なくありません。
 
そこでインカムを活用すれば、ご利用者の対応をしながら音声で状況共有や応援要請も可能です。
また、機器によっては音声入力機能で、対応しながら記録を残せるものもあります。
 
こうしたソリューションを取り入れれば記録作業に時間を取られにくくなり、ご利用者の対応へ集中しやすい環境づくりにつながるでしょう。

定期的な緊急時対応訓練とマニュアル整備

設備を導入しても、スタッフが使いこなせなければ十分に機能しません。
 
そのため、ナースコールやスマートフォン連携システムを実際に使った訓練を定期的に実施することが重要です。
たとえば「夜勤帯にご利用者がトイレ内で転倒した」といった具体的な場面を想定し、実際の対応フローに沿って訓練をおこないましょう。
 
訓練後に課題を振り返り、マニュアルへ反映していくことで、より実践的な緊急時対応につながります。

5.介護施設の緊急時フローチャートを整備し、ご利用者の安全とスタッフの安心につなげよう

緊急時の対応では、誰が見ても同じ判断・行動ができるフローチャートを整備しておくことが重要です。
 
急変や転倒、不審者対応などが発生した際に、対応手順が曖昧なままだと初動が遅れ、ご利用者やスタッフの安全に影響する可能性があります。
そのため、「誰に報告するか」「119番通報の基準」「応援要請の方法」などをフローチャートで見える化し、スタッフ全員で共有しておくことが大切です。
 
また、ナースコール・スマートフォン連携システムなどのICTツールを活用することで、緊急時の情報共有や組織対応をよりスムーズにできます。
定期的な訓練やマニュアルの見直しを重ね、ご利用者の安全とスタッフの安心を支えられる施設運営を目指しましょう。
 
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