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お役立ち 2023.06.05

介護施設や高齢者のいる住宅に設置する見守りシステムとは?メリットや導入事例を紹介

「ご利用者の見守りに手が回らない」
「さらに効率よく安全を確保したい」

 

このような悩みを抱える介護職員の方も多いのではないでしょうか?

 

見守りシステムを導入すれば、離れた場所からでもご利用者の様子を確認でき、異変があればすぐに対応できます。介護施設の見守りシステムとは、居室におられる介護が必要な方の様子を別部屋の職員に伝えるシステムです。利用者に安全かつ快適な生活を送ってもらうために有効なシステムであり、業務効率化も図れます。

 

この記事では、見守りシステムの種類や導入のメリットを詳しく解説します。実際の導入事例も紹介していますので、施設に合うシステム選びの参考にしてください。

▼目次

1.高齢者が住む自宅や介護施設の見守りシステムとは?

見守りシステムとは、「介護が必要な方の居室にセンサーなどを設置して、別部屋にいる職員にご利用者の情報を伝えるシステム」です。アラームや映像などで通知されるため、転倒や急変などをいち早く発見できます。

 

スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末やナースコールとの連動ができるため、迅速な対応が可能です。見守りシステムには多くの種類がありますが、施設によって必要な機能が違うので目的や状況に応じた製品を選択することが大切です。

 

近年では、見守りシステムに関する委員会を設置する取り組みも行われています。委員会を設置した施設では、職員確保や離職防止、ブランド化につながったという結果も見られています。

 

単に経営層を主体としてシステムを導入するだけでなく、委員会の設置やマニュアルの作成、現場で前向きな声を掛けるなど、施設全体で見守りシステムの運用を考えることが重要です。

 

参考:厚生労働省「(5)介護現場でのテクノロジー活用に関する調査研究事業(結果概要)(案)」

2.見守りシステムが活躍する現場と目的

3.高齢者や介護施設の見守りシステムの種類【比較一覧表】

見守りシステムにはさまざまな種類があり、施設や対象者の状況によって使いわける必要があります。
介護施設向け、自宅向けにわけて解説します。

介護施設向け見守りシステム

介護施設向けの見守りシステムは、以下のとおりです。

 

見守りシステム 特徴
見守りカメラシステム 映像でご利用者の動きを探知する見守りシステム。誤報が少なく高い水準の見守りが実施できる。
シルエットセンサー

(独立型A)

ご利用者の起き上がりや離床を区別して検知する。プライバシーに配慮したシルエット画像で状況を確認できる。
バイタルセンサー ご利用者の体動・心拍・呼吸を検出するセンサーをマットレスの上または下に設置する。ご利用者のバイタルサインを検知できなくなると作動する。
人感センサー 起き上がりや立ち上がりなど、特定の範囲の動きをセンサーが感知する。ご利用者の視野に入りづらく利用用途が広い。
音センサー 一定の音量以上の声や音を感知すると作動する。動けないご利用者が人を呼ぶ際に利用できる。
マット・ベッド柵センサー ベッドの降り口やベッド柵に設置する。触れたり踏んだりすると作動する。
タグセンサー 特定の受信機を設置して、タグを付けたご利用者が近づくと作動する。受信機をエレベーターなどに取り付けて無断離院を防ぐ。
超音波・赤外線センサー ご利用者の動きや体温を検知して作動する。部屋や建物各所に設置して離院や転倒を防ぐ。

 
これらのシステムを導入することで、ご利用者の安全を確保し、職員の負担軽減にもつながります。

自宅向け見守りシステム

自宅向けの見守りシステムとして、以下があげられます。
 

自宅向け見守りシステム 特徴
カメラ型 住まいが離れていてもスマートフォンやタブレットから家族の様子が確認できる。
センサー型 人の動きやドア・窓の開閉を検知して、一定時間動きがないと異常検知として通知される。
通話・アラート型 一定時間未使用で通知がくる仕組みで、緊急時にはボタンひとつでご家族や警備会社とつながる。
家電連動型 家電の使用状況をスマートフォンで確認でき、生活リズムの把握や安否確認が可能。
音センサー 一定の音量以上の声や音を感知すると作動する。動けないご利用者が人を呼ぶ際に利用できる。
GPS搭載型 リアルタイムに位置情報が確認でき、一人歩きの多い認知症の方の安全確保につながる。

 
あまりに露骨なシステムは、認知機能が低下していない方にとって不快となる可能性があります。対象者の状況によって使いわけましょう。

4.高齢者や介護施設の見守りシステム導入のメリット

見守りシステムを導入するメリットは次の5つです。

 

● 転倒・転落事故を防止できる
● 介護施設スタッフの業務負担を軽減できる
● ご利用者の快適な生活につながる
● 家族の安心につながる
● ご利用者の生活リズムが分析できる

 

それぞれ解説します。

転倒・転落事故を防止できる

見守りシステムはご利用者の状況をいち早く把握できるため、転倒・転落事故を防止できます。見守りシステムによって通知のタイミングは異なりますが、センサーなどをベッドに装着することでご利用者の離床行動が通知されるためです。

 
厚生労働省の調査によると、見守り支援機器の導入によって「ヒヤリハット・介護事故の防止」につながったと答えたのは、システムを導入した施設のうち66.2%です。
 
起き上がりや端座位、立位など、ご利用者の転倒転落リスクに応じた動作で通知ができる見守りシステムを選択しましょう。
 
参考:厚生労働省「(5)介護現場でのテクノロジー活用に関する調査研究事業(結果概要)(案)」

介護施設スタッフの業務負担を軽減できる

介護施設のご利用者と業務数が多いと介護施設スタッフだけで見守りを徹底するのは難しいでしょう。
しかし、見守りシステムを利用すれば、日夜問わずご利用者の様子をチェックでき最適なタイミングで介助が実施できます。

 

見守りシステムを実際に導入した施設のうち「職員の精神的・肉体的負担軽減」が実感できたのは69.7%と、事故防止より高い結果となりました。

 

職員の業務負担を軽減できると、その他の業務に集中できます。加えて、転倒や怪我に対するプレッシャーも軽減できるため、介護職員の心理的な負担の軽減にもつながります。

 

参考:厚生労働省「(5)介護現場でのテクノロジー活用に関する調査研究事業(結果概要)(案)」

ご利用者の快適な生活につながる

見守りシステムはご利用者の安全を守ると同時に、快適な生活の提供につながります。
ご利用者が起き上がりなどの行動を起こすのには、「トイレに行きたい」などの希望があることが多いです。

 

見守りシステムにより、適切なタイミングで補助を実施できるため、ご利用者の満足度の向上につながります。

家族の安心につながる

家族にとって親族を施設などに入居させるのは、「他人に任せて大丈夫なのか」という不安があります。見守りシステムによっては、ご利用者の体動だけなく、呼吸や心拍などをリアルタイムで把握できるものがあります。

 

それらの状況に応じて職員が適切な対応を実施すれば、家族にとって安心につながるでしょう。

ご利用者の生活リズムが分析できる

見守りシステムはデータ管理システムと連携すると、ご利用者の生活リズムの情報を詳細に収集できます。夜間帯の居室の様子や睡眠時の記録を分析することで、最適な介助のタイミングを見極められます。

 

こうしたデータの活用により、一人ひとりに合ったケアの提供がしやすくなり、対象者の生活の質を向上させることにつながるでしょう。

 

見守りシステムは、ご利用者と家族の安心・安全につながるだけでなく、職員の業務効率を向上させ、精神的負担も軽減できます。

5.高齢者や介護施設の見守りシステム導入のデメリット

見守りシステムの導入にはメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。

 

● 導入や維持にコストがかかる
● 対象者が不快に感じる場合がある
● セキュリティやプライバシーの侵害のリスクが高まる

 

詳しく解説します。

導入や維持にコストがかかる

見守りシステムの導入には、機器の購入や設置などの初期費用が発生します。
厚生労働省の調査では、見守り支援機器1台あたり10万円~20万円の費用がかかるケースが多く、施設の規模が大きくなるほどコストも高くなる傾向でした。

 

また、同じ調査から介護ロボットやICT機器の導入に踏み切れない理由としてもっとも多いのが「費用負担」というのも明らかになっています。

 

システムを適切に機能させるためには、定期的なメンテナンスや更新が必要となり、継続的な費用負担が生じる点も、見守りシステム導入の課題です。

 

参考:厚生労働省「(5)介護現場でのテクノロジー活用に関する調査研究事業(結果概要)(案)」

対象者が不快に感じる場合がある

見守りシステムは安全性を高める一方で「監視されている」と感じることで対象者にストレスを与える可能性もあります。
とくに自立心の強い高齢者や、認知症の初期段階の方にとっては、システムの存在自体が尊厳を傷つける要因になりかねません。

 

こうした心理的な負担は、生活の質の低下につながるおそれがあるため、導入前に対象者やご家族の意向を十分に確認し、理解を得ることが重要です。

セキュリティやプライバシーの侵害のリスクが高まる

見守りシステムは、対象者の個人情報や日常の行動データを記録・管理するため、情報が漏れるリスクがゼロではありません。カメラやセンサーを活用するシステムでは、意図せずプライベートな場面が記録されてしまう可能性もあります。

 
とくに複数名が共同生活を送る介護施設では、データの取り扱いの慎重な管理が不可欠です。
収集されたデータが不適切に利用されたり、第三者に無断で提供されたりしないよう、厳格なルールのもと運用することが求められます。

6.【介護施設】見守りシステムの導入事例

実際に見守りカメラシステムを導入した、「社会福祉法人 光寿会 特別養護老人ホーム あかね」の職員様の声を紹介します。

 

● 導入前:「以前はすべてのナースコールに迅速な対応が必要でした。他のご利用者のケアに入っていたとしても、中断して呼び出し先に向かう必要がありました」
● 導入後:「導入後は訪室しなくても状況を把握できるため、すばやく駆けつけるべきなのかどうかを判断できます。そのため、優先順位を付けて対応ができるようになりました」

 

このように、見守りカメラシステムの導入後は、優先順位をつけながらメリハリのあるケアを実施できるようになっています。

7.ケアコムの見守りカメラシステム

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8.見守りシステム導入で活用できる補助金

9.見守りシステムを導入してご利用者・家族に安心と安全を届けよう

見守りシステム導入は、ご利用者の安心と安全を見守るだけでなく、介護職員の業務負担の軽減に貢献します。業務負担を軽減できる分、一つのケアに集中できる時間が増えてご利用者の満足度も高められるでしょう。

 

慢性的な人材不足が続く介護業界において、見守りシステムの活用は有益な方法です。本記事を参考にして、見守りシステムの活用をぜひ検討してください。

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