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お役立ち 2026.08.21

看護DX事例から学ぶ!看護業務の負担を軽減するシステムと導入ポイント

看護記録やナースコール対応などに追われ、看護師の業務負担の増加や、患者さんと向き合う時間の不足に悩んでいる看護現場は少なくありません。
 
こうした課題を解決する手段として注目されているのが、看護DX(デジタルトランスフォーメーション)です。しかし、看護DXに関心はあっても、自施設に適したシステムや導入効果が分からず、検討を進められないこともあるでしょう。
 
本記事では、看護DX導入によって業務負担の軽減や業務効率化を実現した7つの事例や、おもな導入システムの特徴、導入手順、現場に定着させるためのポイントも解説します。
この記事を読むことで、導入すべきシステムや取り組みの方向性が明確になり、看護師がより働きやすく、患者さんと向き合える現場づくりに役立てられるでしょう。
 
▼関連記事:看護DXとは?業務の効率化につながる事例や実践する6つのポイントを紹介
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▼目次

  1. 1.看護DXの導入によって業務負担を軽減した事例7選
  2.  看護業務を可視化して時間外労働を削減|滝川市立病院さま
  3.  呼出履歴データの活用でナースコール対応への負担を軽減|埼玉県済生会加須病院さま
  4.  看護業務進捗管理システムの導入で残務調整を効率化|自治医科大学附属病院さま
  5.  担当看護師への直接連絡で多職種連携を円滑化|もみのき病院さま
  6.  生体情報のモバイル共有で患者さんの急変を早期に察知|奈良県立医科大学附属病院さま
  7.  記録内容の標準化とリアルタイム記録の活用で患者さんへのケアの時間を確保|茨城リハビリテーション病院さま
  8.  看護記録の音声入力で患者さん・職員満足度とケアの充実度を向上|聖マリアンナ医科大学病院さま
  9. 2.看護DXで解決できる課題別の活用例
  10.  ナースコール対応を効率化するスマートフォン連携
  11.  患者情報共有を円滑にする看護支援システム
  12.  業務量や動線を可視化する分析ツール
  13. 3.看護DX事例から分かる導入効果
  14.  看護師の業務負担を軽減し、職員の定着を促す
  15.  患者さんへの直接ケア時間を増やし、看護の質を高める
  16.  確認漏れや伝達ミスを防ぎ、医療安全を向上させる
  17. 4.看護DXの導入手順
  18.  看護DX導入のための体制作り
  19.  看護現場における課題の把握と目標の共有
  20.  実施計画の立案
  21.  実施と効果の評価
  22. 5.看護DX事例から学ぶ現場に定着させるためのポイント
  23.  小規模な導入から始める
  24.  操作研修と継続的なサポート体制を整える
  25.  既存システムとの連携・費用・導入期間を確認する
  26. 6.看護DX導入事例を参考にして働きやすい看護現場を実現しよう

1.看護DXの導入によって業務負担を軽減した事例7選

看護DXによる効果は、時間外勤務の削減やナースコール対応の負担軽減などさまざまです。ここでは、看護DX導入によって課題の解決につながった各医療機関の事例より、取り組み内容や導入後の変化について紹介します。
 

看護業務を可視化して時間外労働を削減|滝川市立病院さま

 

課題 時間外勤務の多さが離職につながり、要因となる看護記録の実態も把握できていなかった。
導入システムと取り組み 「タイムスタディ支援サービス」で業務を可視化。患者さんのそばで電子カルテ入力する随時記録や、8時30分の勤務開始を徹底し、情報収集もベッドサイド中心へ見直した。
おもな効果 日勤の始業前残業がゼロになり、看護師の約79%が働きやすさの改善を実感。離職率も16.0%から9.9%へ低下した。

 
業務実態を可視化して記録方法や勤務ルールを見直したことが、時間外勤務と離職率の低下につながっています。
 
▼関連記事:
納入事例 滝川市立病院 様
 

呼出履歴データの活用でナースコール対応への負担を軽減|埼玉県済生会加須病院さま

 

課題 頻回なナースコールへの対応と、離床センサーの有効活用が課題だった。
導入システムと取り組み ナースコールとスマートフォン、スマートベッドシステムを連携して呼出履歴を把握。毎朝患者さんごとの呼出履歴を確認し、安全を確保できる範囲で通知設定を見直した。
おもな効果 ナースコールの平均応答時間が約14秒から9秒台へ短縮。呼出の多い患者さんのそばで過ごす時間を増やした結果、頻回なナースコールが減り、看護師の負担軽減にもつながった。

 
呼出履歴を継続的に確認して、通知設定やケア方法を見直すことで、ナースコール応答時間の短縮と看護師の負担軽減を実現しています。
 
▼関連記事:
納入事例 社会福祉法人 恩賜財団済生会支部 埼玉県済生会加須病院 様
 

看護業務進捗管理システムの導入で残務調整を効率化|自治医科大学附属病院さま

 

課題 病棟の構造上、各チームの業務進捗を把握しにくく、残務や応援体制の調整に時間がかかっていた。
導入システムと取り組み 看護業務進捗管理システム「JUNIORS」を導入し、業務量やケアの進捗を確認できるように調整。エリア検知呼出システムで、患者さんの離棟情報も迅速な共有が可能となった。
おもな効果 処置件数や呼出頻度から病棟全体の状況を把握でき、残務調整や協力が円滑化。患者さんの離棟時にも迅速に対応でき、安全性が向上した。

 
業務の進捗や患者さんの情報を可視化・共有し、スタッフ同士の協力や患者さんの安全確保につなげています。
 
▼関連記事:
納入事例 自治医科大学附属病院 様
 

担当看護師への直接連絡で多職種連携を円滑化|もみのき病院さま

 

課題 他部署からの問い合わせを取り次いだり、受け持ち看護師を探したりする手間が生じていた。
導入システムと取り組み 「チームナーシング設定自動割付機能ソフト」でナースコールと電子カルテを連携。看護師がPHSを1人1台携帯し、他部署からでも受け持ち看護師へ直接連絡できる体制を整えた。
おもな効果 受け持ち看護師への直接連絡が可能となり、応答時間を短縮して多職種連携を円滑化できた。今後は、ナースコールデータをリリーフスタッフ配置の検討に役立てることも期待されている。

 
担当看護師へ直接連絡できる体制とデータ活用により、多職種連携の円滑化と適切な人員配置が期待できます。
 
▼関連記事:
納入事例 医療法人 治久会 もみのき病院 様
 

生体情報のモバイル共有で患者さんの急変を早期に察知|奈良県立医科大学附属病院さま

 

課題 生体情報モニタのアラームを確認できる場所が限られ、看護師の少ない夜間の急変対応が課題だった。
導入システムと取り組み 生体情報モニタと看護師のスマートフォンを連携し、手元でアラームや波形を確認できる環境を構築。医師と相談し、患者さんごとのアラーム設定の閾値や電極の貼付位置も調整している。
おもな効果 システム導入後、受け持ち看護師がスマートフォンで重症不整脈を確認し、迅速な処置につなげた例があった。各種呼出通知の優先順位を設定し、優先度に応じて呼出音も変更したことで、必要なアラームに適切なタイミングで気づける体制づくりにつながっている。

 
ナースステーションに戻って波形を確認するか、訪室しないと状況がわからなかったが、スマホで波形を確認できるようになったことで、ナースステーションに戻る時間を短縮できたという声もあります。
 
▼関連記事:
納入事例 奈良県立医科大学附属病院 様
 

記録内容の標準化とリアルタイム記録の活用で患者さんへのケアの時間を確保|茨城リハビリテーション病院さま

 

課題 間接看護業務のうち看護記録が67%を占め、患者さんに直接かかわる時間が少ないことが課題だった。
導入システムと取り組み パソコンを乗せたワゴンを病室へ持ち込み、その場で記録する運用へ変更。電子カルテのセット展開で記録内容も標準化した。
おもな効果 リアルタイム記録により、直接看護時間が43%から48%へ増え、間接看護時間は34%から28%へ減少。4病棟の時間外勤務も37.2時間から13時間へ減少した。

 
記録する場所・タイミング・内容を見直したことで、時間外勤務を減らしながら患者さんへの直接看護時間を確保しています。
 

看護記録の音声入力で患者さん・職員満足度とケアの充実度を向上|聖マリアンナ医科大学病院さま

 

課題 看護記録業務が業務時間外に集中し、時間外勤務の増加や、患者さんとかかわる時間の確保に影響していた。
導入システムと取り組み スマートフォンによる音声入力システムを導入。患者さんのトイレ付き添いや院内移動の合間にも記録できるようにした。
おもな効果 業務時間外の記録は約30分減少し、患者さんへの直接ケアの割合は運用開始前と比べて4.6%増加。ベッドサイドで過ごす時間が増えたことで、患者さんが質問・相談しやすくなり、患者さんの満足度も向上している。さらに、看護師の看護実践に対する満足度が高まり、仕事のやりがいにもつながった。

 
音声入力で記録時間を短縮したことが、直接ケアの充実と患者さん・看護師双方の満足度向上につながっています。

2.看護DXで解決できる課題別の活用例

看護DXで活用される技術はAIだけではありません。電子カルテ連携、スマートフォン、IoT機器、業務分析ツールなども含まれます。まずは現場の課題を明確にし、必要な機能を備えたシステムを選びましょう。
 

ナースコール対応を効率化するスマートフォン連携

ナースコールと業務用スマートフォンを連携することで、呼出内容を手元で確認でき、患者さんにスムーズに対応できるようになります。
 

解決できる課題 ナースコール対応の遅れや情報確認のための移動、対応の重複・漏れを減らせる。
期待できる効果 対応するシステムと連携することで、スマートフォン上に患者名や呼出種別を表示できる。生体情報モニタ連動を導入した場合は、心電図波形の確認も可能。患者さんの状態や対応の優先順位を判断してから訪室できるため、必要な移動を減らし、ナースコールへスムーズに対応できる。
ケアコムの製品・サービス ハンディナースコールシステム、PLAIMH NICSS、生体情報モニタ連動

 

患者情報共有を円滑にする看護支援システム

看護支援システムは院内外の情報共有を円滑化し、切れ目のない医療提供体制の構築に有効です。
 

解決できる課題 患者情報の共有や申し送り、書類作成、入退院・転院時の情報連携の負担を減らせる。
期待できる効果 患者情報をまとめて管理し、ワークシートの自動作成も可能。システムを導入している病院・診療所・薬局・介護施設とも情報を共有でき、多職種や院内関係者と円滑に連携できる。
ケアコムの製品・サービス ケアパルシステム、CoEsse 総合医療介護連携システム

 

業務量や動線を可視化する分析ツール

分析ツールは、客観的な根拠にもとづく業務改善や院内提案に役立ちます。
 

解決できる課題 時間外勤務や業務の偏りが生じる原因、負担が集中している業務や時間帯の把握が可能。
期待できる効果 客観的なデータをもとに、業務の優先順位や人員配置、業務フローを見直せる。改善前後の効果測定や、経営層への説明にも活用可能。
ケアコムの製品・サービス タイムスタディ支援サービス、ショートタイム・マネージメントシステム、業務マネジメント支援サービス

3.看護DX事例から分かる導入効果

看護DXの導入事例からは、業務時間の短縮だけでなく、離職率の低下や看護実践に対する満足度の向上など、幅広い効果が期待できることが分かります。ここでは、看護DXを推進した医療機関の事例をもとに、おもな導入効果を見ていきましょう。
 

看護師の業務負担を軽減し、職員の定着を促す

看護DXは、看護師の業務負担を軽減し、職員の定着を促す効果が期待できます。看護記録のリアルタイム入力やナースコールとスマートフォンの連携により、記録・移動・確認にかかる時間を短縮できるためです。
 
業務の効率化により、時間外勤務や看護師の身体的・心理的負担が軽減され、離職防止や人材定着につながります。
 

患者さんへの直接ケア時間を増やし、看護の質を高める

電子カルテの定型文や音声入力を活用して記録業務を効率化すれば、患者さんの観察や声かけなどのケアに充てる時間を確保できます。
 
ベッドサイドでの時間が増えることで患者さんの状態変化を早期に捉えやすくなり、個別性の高い看護にもつながるでしょう。
 

確認漏れや伝達ミスを防ぎ、医療安全を向上させる

電子カルテの情報をシステム上で共有することで、確認漏れや伝達ミスを防ぎやすくなります。
 
また、通信機能を備えた体温計や血圧計などを活用し、測定データを自動入力する仕組みは、数値の転記ミスや入力漏れの軽減にも有効です。
必要な情報を正確かつ迅速に共有できる体制は、安全な医療・看護の提供につながるでしょう。

4.看護DXの導入手順

看護DXを看護現場に定着させるには、体制づくり、課題の把握、計画の立案、実施・評価の順に進めることが重要です。実際の導入事例でも、単にシステムを導入するだけでなく、業務の進め方や通知設定、記録方法などを見直すことで時間外勤務の削減やケアの時間の増加につなげています。
 
各段階で現場の意見を取り入れ、自施設に合った運用方法を検討しましょう。
 

看護DX導入のための体制作り

看護DXの導入を円滑に進めるために、まずは多職種で構成するプロジェクトチームを整えます。
 
システムの選定だけでなく、導入後の業務フローや運用方法まで検討できる体制を整えることが重要です。実際に使用する看護師を導入段階から参加できるようにして、現場の意見を取り入れることで、導入後の業務とのずれや使いにくさを防ぎやすくなります。
 

看護現場における課題の把握と目標の共有

導入システムを選ぶ前に、看護師へのヒアリングや業務量調査をおこない、負担が大きい業務やインシデントが発生しやすい業務を把握しましょう。
 
実際に、滝川市立病院さまの事例では業務を可視化し、看護記録といった実態を把握したうえで改善につなげています。「DXを導入する」ではなく、「時間外の記録業務を1日平均30分削減する」などの目標を設定することで、必要な取り組みや導入効果を明らかにできます。
 

実施計画の立案

実施計画の立案では、明らかになった課題をもとに、導入するシステムや運用方法、対象部署を具体化します。
 
その際、予算やスケジュール、役割分担、想定されるリスク、導入後の業務フローもあわせて整理しましょう。最初はモデル病棟や特定業務から導入し、課題や効果を確認してから対象を広げる方法も有効です。
 

実施と効果の評価

導入前には十分な周知・研修をおこない、導入後は効果を評価して運用を改善しましょう。
課題が見つかった場合は運用方法を見直し、効果が得られた場合は対象部署や利用場面の拡大を検討します。
 
実際に、茨城リハビリテーション病院さまや済生会加須病院さまの事例のように、データと現場の意見をもとに業務フローや通知設定を継続的に見直すことが、看護DXの定着につながります。

5.看護DX事例から学ぶ現場に定着させるためのポイント

看護DXを現場に定着させるには、看護師が無理なくシステムを使い続けられる環境づくりが欠かせません。ここでは導入事例をもとに、看護DXを現場に定着させるためのポイントを解説します。
 

小規模な導入から始める

看護DXは、モデル病棟や特定業務など小規模な範囲から導入しましょう。
 
最初から病院全体へ導入すると、問題が起きた際の影響や現場の混乱が大きくなるためです。試験的な運用で導入効果と課題を確認し、現場の意見をもとに運用を調整してから対象を広げることで、看護師がシステムを受け入れやすくなり、定着にもつながります。
 

操作研修と継続的なサポート体制を整える

看護DXを定着させるには、操作研修や相談窓口などのサポート体制を整えることが重要です。
 
動画マニュアルや手順書も用意すれば、習熟度にかかわらず看護師が自分のペースで操作方法を確認でき、新しいシステム導入への不安を軽減できるでしょう。
 

既存システムとの連携・費用・導入期間を確認する

システム導入前には、既存システムとの連携可否や総費用、必要な準備期間を確認しましょう。
 
既存の電子カルテやナースコールと連携できれば、新しいシステムの導入を円滑に進めやすくなり、看護師のシステム操作への負担感軽減も期待できます。また、現場の混乱を防ぐためにも、工事や操作研修が通常業務へ及ぼす影響を考慮し、余裕のある導入計画を立てることが重要です。

6.看護DX導入事例を参考にして働きやすい看護現場を実現しよう

看護DXを成功させるには、自施設の課題を明確にし、現場に適したシステムを選ぶことが重要です。
 
ナースコール連携や業務管理システムなどを活用すれば、情報共有の効率化や業務量の可視化が可能になります。また、システム導入後も看護師の意見や客観的なデータをもとに運用を見直すことで、業務の効率化や看護の質の向上にもつながるでしょう。
 
▼参考:看護記録に要する時間削減の効率化への取り組み―記録内容の標準化とリアルタイム記録に焦点を当てて―|日本看護協会
▼参考:ナースハッピープロジェクト(NHP)看護師がハッピーに、やりがいを感じられる職場を~看護師業務の業務改善~|日本看護協会
▼参考:これからはじめる看護DX事例紹介‐病院編-|いきいき働く医療機関サポートWeb
 
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