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お役立ち 2023.10.10

徘徊してしまう患者さん・ご利用者への3つの対策とおすすめ対策製品を解説

徘徊は認知症の症状のひとつで非可逆的な脳の機能低下によって引き起こされます。
屋内だけでなく病院や施設からこっそり抜け出すケースもあり、事故に巻き込まれたり、行方不明になったりしてしまうことも少なくありません。

薬や予防方法で症状を遅らせることはできますが、完全になくすことは非常に困難です。
介護・看護職員は徘徊に備えて事前に対策をとっておくことが重要です。本記事では、徘徊対策や予防策について解説します。

▼目次

1.徘徊対策の3つのポイント

2.おすすめの徘徊対策製品

徘徊対策として、施設やユニットの出入口を電気錠で常時施錠し、スタッフが出入りする際に開錠するのが最もとられている方法でしょう。しかし、徘徊はいつの間にか起こっていることが多く、人の見守りだけでは限界があります。
 

徘徊対策には、ベッドを離れた際にスタッフに知らせる製品、施設や病棟を出ようとした際に知らせる製品、外出してしまった際に居場所を確認できる製品があります。どのような徘徊対策製品があるのかをご紹介します。

 

【ベッドを離れた際にスタッフに知らせる製品】
・離床センサー
・見守りカメラ
【施設や病棟を出ようとした際に知らせる製品】
・エリア検知システム
・徘徊センサー
【離棟してしまった際に居場所を確認できる製品】
・GPS付端末

離床センサー

離床センサーは床に敷いたマットに重心がかかった際に、ナースコールなどを通じてお知らせするものです。
ベッドから起き上がった時や、部屋から出ようとしたタイミングで介護者に通知がいくので、徘徊を早期に発見できるようになります。

 

離床センサーとは?種類や看護・介護の際の注意点を解説!

見守りカメラ

介護用見守りカメラを設置すると、離れた場所からでも患者さんやご利用者の様子を確認できます。ケアコムの見守りカメラは起き上がり、端座位、離床の3つの動作を検知し、ナースコールNICSS親機やスマホ、PHSへ通知機能が備わっており、いち早く徘徊に気付くことができます。

 

高齢者や介護施設の見守りシステムとは?導入のメリットや導入事例を紹介

エリア検知システム

患者さん・ご利用者にICタグを身に着けてもらい、施設・病棟の出入口付近にIotゲートウェイを設置します。これにより、ICタグを身に着けた患者さん・ご利用者が移動する方向から離棟の動線を親機が検知できるため、早く徘徊に気づき、離棟を未然に防げます。

 

ケアコムのエリア検知呼出システムはこちらから

徘徊センサー

徘徊してしまう患者さん・ご利用者に送信機を身に着けてもらい、個人の識別や行動の把握ができるセンサーです。
送信機を身に着けた患者さん・ご利用者が徘徊し、出入口に近づくと、出入口付近に設置した受信機が情報をキャッチし、スタッフステーションの表示盤に通知が届くシステムとなっています。
このセンサーにより、施設や病棟を出ようとしてしまうのを防ぎ、患者さんの安全を確保します。

 

ケアコムの徘徊センサーはこちらから

GPS付端末

GPS端末は現在地を確認できるものなので、万が一ひとりで外出してしまった場合に有効です。認知症患者の多くは現在地を認識する能力が低下しているため、自力で戻って来られなくなるケースがあります。また、名前や住所を言えないことから、行方不明者として保護されることも少なくありません。
どこにいるのか把握できると発見までの時間が短縮され、事故や事件のリスクの軽減に繋がります。

ケアコムの徘徊対策製品のカタログはこちらから

3.徘徊は認知症によるもの

徘徊は認知症の行動・心理症状(BPSD)のひとつで、根本的な原因は認知機能の低下によるものです。記憶障害や見当識障害などの中核症状を基盤に、身体的、心理的、環境的要因などによって二時的な症状として徘徊や不安、妄想・幻覚などの行動・心理症状が現れます。

徘徊が起こる原因

【中核症状】
中核症状とは脳の神経細胞が破壊されることによって引き起こされる記憶障害、見当識障害、理解力・判断力の低下などの認知機能の障害のことです。
見当識障害とは時間や場所、人の判断などの基本的な状況を把握できなくなることをいいます。進行すると慣れた場所も認識できなくなり、自宅の中でトイレや自分の部屋が分からなくなることもあります。

 

【周辺症状】
周辺症状(行動・心理症状)とは、上記の中核症状に本人の性格や環境の変化、人間関係、ストレスなどさまざまな要因がきっかけとなり引き起こされます。
周辺症状の具体的な例は、徘徊、不安、妄想・幻覚、抑うつ、意欲低下などです。

徘徊が起きるきっかけ

認知症患者の徘徊は、ただあてもなく歩き回っているのではなく、何かしらの目的があるとされています。
本人は目的を達成しようとして行動を始めるのですが、記憶障害のため途中で目的や現在地が分からなくなってしまい、遠くまで行ってしまうこともあります。具体的にどのようなきっかけで徘徊が起こるのか解説します。

 

【身体的なきっかけ】
「トイレに行きたい」「喉が乾いた」という身体的なきっかけで起こる徘徊もあります。トイレや台所に行こうとしたものの場所が分からないため、家や施設の中を歩きまわってしまうのです。

 

【帰りたい場所がある】
見当識障害により、今いる場所を自宅だと認識できず、帰ろうとして徘徊が始まることがあります。また、記憶障害によって過去の記憶が呼び起こされて、急に以前住んでいた自宅や実家に帰ろうとするケースもあります。どちらの場合も、途中で道が分からなくなり徘徊となってしまい、遠方で発見されることもあります。

 

【過去の習慣によるもの】
会社に勤務していた人や、毎日同じ時間帯に買い物に出かけていた人は、その習慣を遂行しようとして落ちつかなくなることもあります。
出かける際に必要な持ち物を探しているうちに目的を忘れてしまい、結果として徘徊に繋がる場合もあります。

 

認知症の高齢者が徘徊する原因や症状はこちらでより詳しく解説しています。
認知症の高齢者が徘徊する原因とは?認知症の症状から対策までを解説

4.徘徊してしまう患者・ご利用者を介護する際の注意点

患者さん・ご利用者が徘徊していると、焦って叱ったり怒ったりしてしまうこともあると思います。
しかし、無理に抑制することが逆効果となり、ストレスが増えて徘徊の症状が悪化してしまうケースもあります。ここからは徘徊している認知症患者を介護する際の注意点を解説します。

理由を聞いてみる

なぜ徘徊しているのか、耳を傾けてあげることが大切です。徘徊している患者さんは短期記憶障害によって、歩いているうちに目的や理由が分からなくなっていることが多いです。徘徊が起きる事例は次の通りです。

 

● トイレや台所に行こうとしている
● 自分の部屋へ戻ろうとしている
● メガネやリモコンなど探し物をしている
● 買い物に行こうとしている
● 子供を迎えにいこうとしている

 

徘徊している本人も目的が分からなくなり不安になっていることがあります。理由を聞いて気持ちに寄り添うことで不安が解消され、徘徊の症状が改善する場合もあります。

無理に引き止めない

認知症患者は理由や目的があって行動しています。徘徊をむりやり止めさせたり、責めるような口調で注意してしまったりすると、症状が悪化する可能性も考えられます。
無理に引き止めずに、落ち着くまで気持ちを逸らしてあげることも大切です。

しばらく一緒に歩いてみる

徘徊している認知症患者の多くは、どうしても外に出たい理由や目的があります。可能な範囲で希望に寄り添ってしばらく一緒に歩いてみましょう。しばらく歩くという目的が達成されることで、気持ちが落ち着いて徘徊がおさまることもあります。
ただし、屋外を歩く場合は事故や迷子につながることもあるので、必ず付き添いが必要です。

5.患者さん・ご利用者に寄り添った徘徊対策を行いましょう

徘徊する患者さん・ご利用者の介護をするうえで大切なのは、相手の気持ちに寄り添うことです。徘徊には必ず理由や目的があります。
話を聞き、時間が許す限り一緒に歩いてみるだけでも、気持ちが落ち着き、徘徊がおさまることもあります。

 

認知症患者の徘徊は予測できないものであり、事故や死亡などの危険性が伴うのも事実です。人員不足により徘徊対策に限界を感じている場合は、徘徊対策製品の活用をおすすめします。

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