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お役立ち 2024.09.13

医療の2025年問題とは?高齢化が進む日本の医療と看護の影響を解説

「医療の2025年問題ってなに?」
「2025年問題による医療の影響などのようなものがあるの?」

 

医療の2025年問題とは、急速な高齢化に伴い、医療や介護体制が大きな課題に直面することをいいます。慢性疾患に対する医療の必要性が高まる一方で、医療従事者の不足や医療費の増加が深刻化しているのが現状です。

 
そこで、医療従事者も患者さんも安心して生活できるように更なる医療の対策が求められています。
この記事では、2025年問題の医療の影響や課題などについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

▼目次

1.医療の「2025年問題」とは?

まずは、2025年問題が起こる背景と2040年問題との違いについて解説します。

医療の2025年問題は医療体制が保てなくなること

2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、医療や介護の需要が増加します。
内閣府「令和4年版高齢社会白書」によると、2025年の高齢者人口は、65~74歳の前期高齢者が1,497万人、75歳以上の後期高齢者が22,180万人になるとされています。実に、国民の約3人に1人が65歳以上になると推測されているのです。

高齢者の急激な増加と医療の需要の高まりにより、現在の医療従事者や医療施設では十分に対応できなくなる恐れがあります。

 

▼参考:内閣府「令和4年版高齢社会白書」

医療の2025年問題の背景

2025年は高齢者の増加だけではなく、少子化の影響で労働人口が減少し、医療従事者の人手不足が予想されています。
これらの要因が重なり、医療費の増加や医療の質の低下が深刻な問題になるのです。

2040年問題との違い

2040年問題は、75歳以上の人口がピークに達し、医療需要の急増と医療人材の不足がさらに顕著になることを指します。
医療・介護の需要の急増と労働力の不足によって、現場を取り巻く環境はより悪化するかもしれません。
社会全体で医療・介護システムを維持したり再構築したりすることが問われるでしょう。

 

▼参考:厚生労働省「2040年を展望した社会保障・働き方改革について」

2.2025年問題による医療の影響

2025年問題は、以下のように医療体制に深刻な影響を及ぼします。

 

● 人手不足
● 病院数の減少
● 在宅看護や地域医療のニーズ増大

 

それぞれを詳しくみていきましょう。

人手不足

2025年問題の影響で、医療従事者の人手不足になると予測されています。
すると、医師や看護師をはじめとする医療スタッフが不足するため、患者さん一人ひとりに十分向き合うことが難しくなるでしょう。
結果として、医療サービスの質が低下するかもしれません。

また、過労やストレスによる離職率の上昇も懸念されており、さらに医療従事者の確保が厳しくなるといえます。

 

▼関連記事:看護の主な課題は人手不足!5つの対策と今後の看護業界の動向を詳しく解説
▼関連記事:看護の多重課題への対応は5つの視点が大切!優先順位を決める根拠を解説

病院数の減少

人口の減少や医療スタッフの不足により、地方を中心に病院が経営できなくなり病院数が減少しています。
 

これにより、医療を必要とする方の近くに医療機関がなくなり、緊急時にスムーズに対応できなくなるかもしれません。
地域によっては、医療サービスの提供が不十分になるリスクが高まります。

 

▼参考:厚生労働省「医療法人経営統合の背景」

在宅看護や地域医療のニーズ増大

高齢化が進む中で、在宅看護や地域医療のニーズが高まっています。
病院のベッド数が限られていることや医療費を抑制するなどの目的により、病院に長期間入院するのではなく、在宅でケアを受けることが推奨されているからです。

 

また、自宅でのケアを希望している高齢者の増加に加え、その高齢者が複数の疾患を抱えているケースも少なくありません。
ケアが難しくなってきていることが在宅看護のニーズを高めている要因といえるでしょう。

3.2025年問題で看護師に求められること

医療の2025年問題で看護師に対して求められることは以下の3つです。

 

● 専門知識とスキルの習得
● 多職種との連携
● 負担を減らす労働環境の改善

 

医療の2025年問題に向けて更なるキャリアアップを目指しましょう。

専門知識とスキルの習得

地域や在宅で暮らしたい医療を必要とする高齢者がより良い生活を送れるように、地域包括ケアの実現を目指しています。

 

地域包括ケアには、看護師のより高度な専門知識とスキルが欠かせません。
たとえば、認知症ケアや終末期ケア、慢性疾患の管理など専門的な分野での知識が必要です。

 

また、新しい医療技術やICTツールの導入が進む中で、効果的に活用するためのスキルも身につけなければなりません。
自己研鑽を続け、最新の知識と技術を習得して質が高いケアを提供していくことが看護師に求められているといえます。

多職種との連携

2025年問題に対応するために、看護師はほかの医療職や介護職と連携する必要があります。
チーム医療の推進には医師や看護師、薬剤師、リハビリテーションのスタッフが協力して、患者さん一人ひとりに最適なケアを提供していくことが大事です。

 

特に、在宅医療や地域包括ケアは、多職種間の円滑なコミュニケーションと情報共有が重要です。というのも、病院と比べて、在宅ではスタッフが24時間そばでケアはできず、多職種が連携し異常を早期発見できなれば、患者さんの状態が悪化する恐れがあるからです。

 

患者さんの状況や家族の意向などの情報を提供したり、連携して検討したりすることで、より良いケアを提供できるでしょう。

 

▼医療の多職種連携はチームでのケアの提供!看護師の3つの役割を解説

負担を減らす労働環境の改善

看護師の業務負担を軽減するため、労働環境の改善が必要です。
長時間労働や過重な業務負担は、看護師の疲労やストレスを増大させます。結果として、看護師は集中力が低下し医療事故につながるかもしれません。

 

また効率的な業務のためには、ICTツールの導入や業務の分担とシフト調整が重要です。
ほかにもメンタルヘルスケアや年次有給休暇有の取得推進など、看護師が健康的で働き続けられる環境づくりが求められます。

 

多職種との連携やICTツールを活用しながら、看護師の負担を減らす労働環境を整えていきましょう。

 

▼関連記事:【医療AI】3つの活用例|看護師の業務効率化のためのAI技術を紹介

4.2025年問題に向けた医療の変化に順応するのが大切

医療の2025年問題とは、高齢者の増加や医療の担い手の不足により、日本の医療体制が維持できなくなることです。医療を必要とする患者さんが増える一方で、医療従事者や医療施設が減少する恐れがあります。

また在宅で生活する高齢者をケアするためには、医師や看護師などの専門的な知識が必要です。自己研鑽を重ねていくことでキャリアアップを図り、2025年問題に向けて対応していきましょう。

 
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